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Devilcry - Crystal Lake【和訳】

死ぬことを受け入れたら終わりだって、誰かが言うんだ
でも生きるのはこんなにも重く苦しくて、今にも潰されそうなんだ


Crystal Lakeの最新アルバムHelixから9曲目、Devilcryです。

異常な速度のツーバスとドロップチューニングが特徴のデスコアテイストAEONからMVの公開が始まった本アルバムですが、
二曲目に公開されたLost In Foreverに続き、三曲目Devilcryと、重苦しくナーバスなリリックの曲が続いています。

歌詞に溢れる怒りの感情を武器にして世界のメタルコアシーンにまで登りつめたCrystal Lakeですが、
Helixで歌う憎しみの感情の中には、どこか悲哀や後悔が入り乱れているように思います。

どれだけ憎しみの心に支配されても、
そのきっかけは、あなたがいないという現実への虚無感から来ていた。
そんな曲……だと思います。


Title:Devilcry (2019)
Band:Crystal Lake (2002-present)
Album:HELIX (2019)
Vocal:Ryo Kinoshita
Lyrics:Shinya Hori, Yudai Miyamoto & Ryo Kinoshita


I'm sure as hell not ready to die
But watching the world go by
We all figure out

死ぬ心積りなんて出来ていないさ
けど、世界が流れていく光景を見て
俺たちは全てを理解した

We say goodbye like a thousand times
Until it gets to the one that's closest to you
Even the devil cried watching his mother fly away

俺たちは幾千回でもさよならを言う
最も愛しい人にその言葉が届くまで
母が遠く旅立つ時には、悪魔だって泣くもんだろ

Well, I will never say goodbye
With all that I am
I'll bring you to life

でもな、俺はさよならなんて言わねえよ
全身全霊でその言葉が出るのを抑える
あなたの命を吹き返してみせる

Well, I will never say goodbye
With all that I am
I'll break down the skies

さよならなんて言わない
俺の全てを賭けて
この空を破壊してやる

If you're taken off the earth
I have nothing left to lose
All on our own and we're all alone
Heading to the unknown
To the unknown

あなたがこの大地を離れたら
失うものなど何もなくなってしまうんだ
俺たちは一人一人で生きていくしかなくて
ただ単純に孤独で
知らない場所へと落ちていく
未知の場所へと

To watch the world fall apart in your eyes
バラバラになった世界が、あなたの瞳に映る

No shred of innocence
No fervor left in me
This hatred's eating me inside my soul

無垢な心も、熱意さえも、俺の手には残らなかった
憎しみだけが俺の心を埋めつくしていく

If I mix a bit of water carbon salt and sulfur
Add a tad of lime and iron
Trace of phosphorus with the rest of it
Would your spirit come back to the flesh I made?

炭、塩、硫黄を混ぜて
石灰と鉄を加える
少量のリンを加えて、あとは……
あなたの魂はこの肉体に宿ってくれるか?

If I count to ten
Will you come right back?
If I rule the world
Would you come and take that?

俺が10数えたら帰ってきてくれよ
秩序が保たれた世界なら
あなたは戻ってきてくれるか?

If I die today for you
I'll come right back
What do I have to do to get our old life back?

今日俺が死んだとしたら
すぐにでもあなたの元を目指す
一体どうすれば、俺たちの日々は戻ってくるんだ?

When you were taken off the earth
I had nothing left to lose
All on our own and we're all alone
Heading to the unknown

あなたがこの大地を離れた時
俺には失うもの一つすら残らなかった
俺たちは一人一人で生きていくしかなくて
ただ単純に孤独で
知らない場所へと落ちていく

So far away you've gone
Somewhere I won't belong
When you were taken off the earth
I had nothing left to lose

あなたは遠く去ってしまった
俺の決して行けない場所へと
あなたががこの地を離れた時
俺の手には何一つ残らなかったんだ

Accepting death brings you closure they say
Then why does this burden now crash down on me?

死ぬことを受け入れたら終わりだって、誰かが言うんだ
でも生きるのはこんなにも重く苦しくて、今にも潰されそうなんだ

All the reminiscing turns to pure regret of how I left
You stranded in the mess I made
And leaving with a dream I meant to please you in the end
But now I'm left without a purpose

思い返せば、俺のやったこと全てが後悔だ
俺があなたをめちゃくちゃにしたんだ
最期には君が許してくれればいい......
なんてのは夢でしかなくて
現実の俺は、意味もなく置いていかれただけ

If I count to ten
Will you come right back?
If I rule the world
Would you come and take that?

俺が10数えるうちに戻ってきてくれよ
俺がこの世界で登りつめたら
君は戻ってきてくれるか?

If I die today for you
I'll come right back
What do I have to do to get our old life back?

今日俺が死んだとしたら
すぐにでもあなたを探すよ
一体どうすれば、俺たちの日々は戻ってくるんだ?

When you were taken off the earth
I had nothing left to lose
All on our own and we're all alone
Heading to the unknown

あなたがこの大地を離れた時
俺には失うもの一つすら残らなかった
俺たちは一人一人で生きていくしかなくて
ただ単純に孤独で
知らない場所へと落ちていく

So far away you've gone
Somewhere I won't belong
When you were taken off the earth
I had nothing left to lose

あなたは遠く去ってしまった
俺の決して行けない場所へと
あなたがこの地を離れた時
俺の手には何一つ残らなかったんだ

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Heading to the unknownという歌詞、アルバム11曲目であるApolloのサビとリンクしてないかな、と勝手に思っています。

Now we're falling down to nowhere
俺たちは自ら落ちていくんだ
誰も知らない場所に

なんだかこのアルバムは、Crystal Lakeというバンドが15年をかけて積み上げてきた矜持を歌い上げているように思います。
悪魔のような存在になるほど全てを憎んで、(Devilcryのイントロ)
その身が焼かれるほど内なる炎を煽って、(Prometheus
その中で置いていった友人を偲んで、(Lost In Forever
それでも彼らはこのシーンにまで登りつめることをあきらめなかった。
右も左も分からない暗闇("unknown")を前にしてでも飛び込んでいった。

なぜ諦められなかったかというと、こういうことをずっと考えていたからなんだ……っていう。

と僕が思うのは、このDevilcryが、彼らがPrometheusなどで歌ってきた憎しみの炎の根源について歌っているように聴こえるからです。

Well, I will never say goodbye
With all that I am
I'll bring you to life

でもな、俺はさよならなんて言わねえよ
全身全霊でその言葉が出るのを抑える
あなたの命を吹き返してみせる

No shred of innocence
No fervor left in me
This hatred's eating me inside my soul

無垢な心も、熱意さえも、俺の手には残らなかった
憎しみだけが俺の心を埋めつくしていく

If I count to ten
Will you come right back?
If I rule the world
Would you come and take that?

俺が10数えるうちに戻ってきてくれよ
俺がこの世界で登りつめたら
君は戻ってきてくれるか?

この曲の主張が全てではないかもしれませんが、
彼らが憎しみの炎を抱き、それを育ててきたのは、
誰かを失い、それは自分に原因があるという罪の自覚と、
あの日々を取り戻すために今を全力で生きている、という、
半ば贖罪のような動機である、ということが要所要所で感じ取れます。
そのために早く目指すところまで登りつめないといけないんだ、という。

色々と言いたいことがあるんですが、すごく気持ちが分かります。
生き急いでる人っていうのは何かに追われていて、そういう人は、
何かを手に入れたいということと、
時間が有限であるということと、
過去は取り返せないという事実を認識して生きている人だと思います。
その手に入れたいものの中に「過去の罪滅ぼし」が入ったら、
もう全てを投げ打ってでもやってしまうでしょう。
罪滅ぼしの相手と自分自身が生きている間にそれを完遂しなければならないから。

海外へと旅立ち、アルバム発表のペースを落とさず数々の場所でライブをこなす、そんな彼らの気持ちの裏には、
何かこの曲で語られるような動機があるのかもしれません。


にしてもスピーカーでちゃんと聴くとギターリフ超綺麗ですね。
色々音が隠れてる曲ですごくエモーショナルです。