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Cherry blossoms - Fall of Tears [ENG translated & feeling]

 It would be, it would be again
 Under the dead flower, I've hanged my head
もう一度 もう一度だけと 枯れ木の下 首を垂れた


This is NOT official!
Japanese lyrics -> English translated by Seiga (just a Japanese fun)

In hanakotoba, they indicate a pure and gentle heart.
 - The secret meaning behind Cherry Blossom

*...miraco's part (from 揺らぎ)

映し鏡の互いを見つめ続けるだけ
裂かれた花びらは散ることも許されず
明確な終わりすら訪れることはない
過ぎ行く時の中で僕は何になれただろうか
存在の証を必死に手繰り寄せた

 We just staring at the other projecting ourselves
 Torn petals can't fall to the ground
 A determinate ending won't be coming
 What did I become as time went by?
 Pulled the proof of you in desperately

桜を纏った君を 請う僕は
あの空を見上げ泣いた
もう一度 もう一度願って
桜並木を 夢見て眠った

 Begged your figure against the flowers are out of bloom
 Looked up in the sky and tears fell
 It would be, it would be again
 Dreamed cherry trees lined street

落ちた 桜 今僕を照らして
落ちた 涙 今君を隠して

 Petals have gone, light me up
 Tears don't stop, cover me with

桜に擬えた君を 呼ぶ声は
この空を舞って消えた
もう一度 もう一度だけと
枯れ木の下 首を垂れた

 The voice of calling you likened to cherry blossoms
 fell and faded into the sky
 It would be, it would be again
 Under the dead flower, I've hanged my head

*
水面に映る桜色の私消えて
その名呼んでも聴こえない

 When my pale rose figure fading into the surface of water
 I can't hear you calling my name

幾億の中で何が出来た
 When many billions of moments passed
 What can I do

君の残した言葉が
ずっと降り注ぐ

 Under the shining words
 Left them alone

*
夜空を照らす桜色の私咲いて
どうか消えずに さよなら

 Let me bloom as cherry blossoms light up the night sky
 I wish it don't turn off and say goodbye

無邪気な子供の笑顔のように咲く
裏側はこんなにも傷だらけなのに
ただただ観ていることが
こんなに苦しいだなんて想像もしてなかった
 You smiled just like a innocent child
 Even though your heart filled with a ten of wounds
 Just watching you do
 Let me feel so much pain that I never imagined

それでもひとひらの桜から目を逸らさずに
全てを受け入れ その先を見据えた
その笑顔を忘れないように
いつまでも

 But I still keep my eyes on a petal of cherry blossom
 and accept our fate, look ahead
 To remember the smiling, never forget the smiling
 Forevermore

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日本語での解説、訳の理由など。 (sorry, explained JP only)

 知らない人は適当に読み流してほしい話ですが、僕がFall of Tearsというバンドを知ったのが具体的にいつだったのかははっきりとしていませんが、最初の印象が「Foreground Eclipse(バンド名より)とDraw the Emotional(楽曲"Morning Glow"より)が好きなんだろうな」だったことは覚えています。
 ただ、そのイメージで、本楽曲が収録されている2nd EP以降の楽曲を聴くと結構ビックリするというか、エモではあるんですがメタルコアではない、ポストロックに近い叙情という、上記の2バンドとは若干方向性が違うバンドで驚きます。個人的にはそこに唯一性みたいなところを感じるというか、あくまでリスペクトはしているけどそれをコピーするのではなく自分たちを出しているというか。そういうところが興味あります。と勝手に思っている。まだライブは見たことない。


以下、手垢のついた解説、いわゆる解釈。

 桜の花言葉は「純潔」「優しい愛」ですが、歌詞中の「桜に擬えた君」とはこの花言葉をあてがいつつも、桜の花本来の生態である「儚さ」「短さ」を歌っているように思います。
 基本的には歌い手(vo.mochinaga)の前から失われた君を偲ぶ歌となっていますが、合間合間に入る君の声(vo.miraco from 揺らぎ)が印象的です。
 冒頭の歌詞「映し鏡の互いを見つめ続けるだけ」からは、まるで二人がすれ違ったかのような印象を受けますが(英訳の理由の箇所で後述)、miracoのパートからは、諍いよりも物理的な隔絶、死別かそれに準ずるような別離を読み取ってしまう。

水面に映る桜色の私消えて
その名呼んでも聴こえない

 When my pale rose figure fading into the surface of water
 I can't hear you calling my name

 「名を呼ぶ」のは君ではなく歌い手で、その声が「聴こえない」のは君にとってです。桜のように消えていく自分を「君」自身の目線で語るのは、歌い手への憎しみや嫌悪ではなく、呼ぶ声すら聞こえないことへの悲しみを歌っているように思います。
 互いに互いを投影し、一度は忌み嫌ったのかもしれませんが、しかし別離を迎え、二度と会えない境遇を迎え、二人の思いは一致したのかもしれません。ただ、「水面に映る桜色の私消えて」「その名呼んでも聴こえない」と歌う君は、まだ現世、あるいは会話が可能な場所にいるとは思えません。

夜空を照らす桜色の私咲いて
どうか消えずに さよなら

 Let me bloom as cherry blossoms light up the night sky
 I wish it don't turn off and say goodbye

 まるで明かりが消えていくかのように、短い春の花が散って葉桜になるように、たった一度きりの二人が触れ合える機会を永遠に喪失しようとしている。もしくは、もう喪失してしまっている。どうかその夜空を照らす桜の明かりを消さないで。だけど、もうさよならと分かっている。

 きっと彼女にはもう会えない。きっと彼にはもう会えない。

映し鏡の互いを見つめ続けるだけ
裂かれた花びらは散ることも許されず
明確な終わりすら訪れることはない
過ぎ行く時の中で僕は何になれただろうか
存在の証を必死に手繰り寄せた

 We just staring at the other projecting ourselves
 Torn petals can't fall to the ground
 A determinate ending won't be coming
 What did I become as time went by?
 Pulled the proof of you in desperately

 歌い手側のこの歌詞ですが、「裂かれた花びら」「映し鏡」というのは、歌い手自身も君も、同じ桜であることを意味しているのかもしれません。ただ、歌い手の側は「裂かれた、散ることも許されない桜」であり、君のように散って共に死することすら叶わない桜。映し鏡のように似たもの同士であるはずなのに、肝心の同じ場所にさえ行けない。「散る」という明確な終わりすら定義されない桜が自分自身。桜になった君と、裂かれて桜になりきれなかった僕。終われずおいて行かれた自分は、君の存在の証を必死に手繰り寄せる。

それでもひとひらの桜から目を逸らさずに
全てを受け入れ その先を見据えた
その笑顔を忘れないように
いつまでも

 But I still keep my eyes on a petal of cherry blossom
 and accept our fate, look ahead
 To remember the smiling, never forget the smiling
 Forevermore

 最後はひとひらの桜が散る様から目を逸らさずに、君の笑顔を忘れないように、別離の悲しみで思い出が塗りつぶされないように前を見据えた。
……ということだと思います。


 相手との関係の深さ、過ごした時間の長さ、共有した思い出の数だけ、糸が切れる瞬間の衝撃は増します。
 「あいつがいなくなってせーせーしたぜ!」とか、「怖い人がいなくなってよかった…」と思っても、なんだかんだ愛情らしきものを向けられていたとしたら、妙に処理しきれない歪なしこりが心に残ります。
 逆にとても大事な人だった場合、まるで大穴が開くかのような、とても満たせない陥没に心ごと覆われるような気持ちになります。
 この歌はただ、その埋めきれない穴の大きさを、吹き抜ける風の冷たさを、ただ率直に、ひたむきに伝える曲で、だからこそそういった境遇を持つ、あるいは体験している人にとって、かけがえのない共感足り得るのかもしれません。とか、思います。


 以下、英訳の理由。

〇見つめる:stareについて

映し鏡の互いを見つめ続けるだけ
 We just staring at the other projecting ourselves

 stareの類義語としてgazeがあり、どちらも日本語での大意は「じっと見つめる」になりますが、動機が異なります。stareは"当惑、恐怖、好奇心"が、gazeは"興味、喜び" をきっかけに「じっと見つめる」の動作へ移行します。すなわち、stareはネガティブな凝視、gazeはポジティブ(うっとりと)な凝視、と言えます。
 敢えて前者のネガティブな凝視であるstareを訳として選んだのは、この曲が内包する後悔、惜別の感情を表現するため。
 そもそも「映し鏡」とは、他人を見ているはずなのにまるで自分自身を見ているかのような気分になるような人、というスピリチュアルな概念です。けれど自分自身をじっとみつめて、「嬉しい、興味がある」という感情になる人などいるでしょうか。自分の姿を遠目に見たときに抱く感情は、たいてい嫌悪か、憐れみか、意図的な無関心、ではないでしょうか。となると、「映し鏡の君」と言う表現を使う時点で、焦がれるほど美しい相手なのに、そこに見たくない自身を投影してしまって辛い、という状況であることが伺えます。それも、歌い手だけではなく「互いに」「互いを」「投影しあっている」ので、それはもう、羨望ではなく忌避の目で互いを見つめている。望むと望まざるとにかかわらず。
 ところで「他人は自分の映し鏡」「親友3人を見るとその人の人格がわかる」のような言葉があります。これは真実味を含んでいますが、しかしよっぽど自覚的にこの言葉を取り入れない限り、こんな考え方で生きることは難しい。気に入らない人、気の合わない人、意に沿わない人がいる場合、多くの場合は腹を立てて相手のせいにしてしまいがちです。その目に映る相手の姿こそが、自分の投影に近いということに気付きもしないまま。
 果たしてこの歌の二人は、互いの投影を見続けて何を思ったのかは分かりません。似たものという親近感もあれば、同種への嫌悪もあったのかもしれません。ただ、この歌の時点で映し鏡を見つめる歌い手の目の先には、おそらく実在の「君」は存在しません。映し鏡への思いが慈愛であったにせよ忌避であったにせよ、実在しない鏡を見つめる目は、愛おしさに満ちたものではなかったでしょう。

〇fall to the groundのダブルミーニング

裂かれた花びらは散ることも許されず
 Torn petals can't fall to the ground

 fall into the skyという歌詞の響き的に綺麗な表現にしようかと考えましたが、fall to the groundには「失敗に帰する、失われる」の意もあるそうで、なんとなくこちらを採用。裂かれた花びらは失われることも叶わない。苦い過去を忘れることさえできない。失敗に帰することすら、終末すら訪れないでだらだらと苦痛が続く。そんな感じ。

〇tears fallで含みを持たせる

あの空を見上げ泣いた
 Looked up in the sky and tears fell

 cried(cry)とかwept(weep)とか、主語を変えず泣いている動作そのものを表してもいいんですが、具体的にどんな泣き方をしているのか、MVや曲展開から3:21あたりで叫びを伴う涙だと分かりますが、そこまでは伏せようかと思った次第。まあ、既にこの歌詞の時点で叫んではいますが、泣いているような声で歌う時に「俺は泣いている」なんて歌詞が出てきてもかっこよくないのかなと思ったり するけど、用例の元はないです

〇「どうか消えずに」

夜空を照らす桜色の私咲いて
どうか消えずに さよなら

 Let me bloom as cherry blossoms light up the night sky
 I wish it don't turn off and say goodbye

 「どうか消えずに」をdon't turn offにしています。いや、この場合の消えるは「姿が消える」の方でfadeでは?と言われるかもしれませんが、この部分の英訳構成として、cherry blossoms light up the night skyの後にturn offとしています。「夜空を照らす桜のように、私を咲かせてほしい」のあとに、「(そんな私の灯りを)どうか消さないで」を呼ぶことで、「夜空を照らしている桜のように光を放つ、私の灯りを消さないで」という意味にしています。まあ、fadeであろうとturn offであろうと、どのみち、桜のように咲き誇る私の姿を消さないで、の意味には落ち着くだろうと。
 ただ、桜はパッと咲いてパッと散る淡い花というイメージが日本での定性であり、儚い、消えゆく、という言葉が似あう花でもあります。歌詞の流れに任せて「消す」を「明かり」と関連付けた本訳ですが、本来の桜の意味を重視してfadeにするのもいいかもしれません。


-extra.1 *.rom-

映し鏡の互いを見つめ続けるだけ
裂かれた花びらは散ることも許されず
明確な終わりすら訪れることはない
過ぎ行く時の中で僕は何になれただろうか
存在の証を必死に手繰り寄せた
utsushi kagami no tagai o mitsume tsudukeru dake
sakareta hanabira wa chiru koto mo yurusarezu

桜を纏った君を 請う僕は
あの空を見上げ泣いた
もう一度 もう一度願って
桜並木を 夢見て眠った
sakura o matotta kimi o kou boku wa
ano sora o miage naita
mouichido mouichido negatte
sakura namiki o yume mite nemutta

落ちた 桜 今僕を照らして
落ちた 涙 今君を隠して
ochita sakura ima boku o terashite
ochita namida ima boku o kakushite

桜に擬えた君を 呼ぶ声は
この空を舞って消えた
もう一度 もう一度だけと
枯れ木の下 首を垂れた
sakura ni nazoraeta kimi o yobu koe wa
kono sora o matte kieta
mouichido mouichido dake to
kareki no shita koube wo tareta

水面に映る桜色の私消えて
その名呼んでも聴こえない
minamo ni utsuru sakura iro no watashi kiete
sono na yondemo kikoenai

幾億の中で何が出来た
ikuoku no naka de nani ga dekita

君の残した言葉が
ずっと降り注ぐ
kimi no nokoshita kotoba ga
zutto furisosogu

夜空を照らす桜色の私咲いて
どうか消えずに さよなら
yozora o terasu sakura iro no watashi saite
douka kiezu ni sayonara

無邪気な子供の笑顔のように咲く
裏側はこんなにも傷だらけなのに
ただただ観ていることが
こんなに苦しいだなんて想像もしてなかった
mujaki na kodomo no egao no you ni saku
uragawa wa konnanimo kizu darake nanoni
tada tada miteiru koto ga
konna ni kurushii da nante souzou mo shite inakatta

それでもひとひらの桜から目を逸らさずに
全てを受け入れ その先を見据えた
その笑顔を忘れないように
いつまでも
soredemo hitohira no sakura kara me o sorasazu ni
subete o ukeire sono saki o misueta
sono egao o wasurenai you ni
itsumademo


-extra2-
The band's new release is out now (since 12/14/19)