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Question! - System Of A Down【和訳】

僕らはいつ飛び発つんだ?
その時僕らは、
この世を去ることになるのか?


独創的な世界観を持つオルタナティブメタルバンドSystem Of A Downの4th Album Mezmerizeから、Question!です。

アラビアンなメロディラインと独創的な声に混じりながら、悲しみや社会批判をテーマとした歌詞を繰り広げるバンドです。
歌詞が難読でネイティブの間でも議論が錯綜するバンドですが、
この曲で歌われているのは心中......だと思います。


Title:Question! (2005)
Band:System Of A Down (1995-present)
Album:Mezmerize (2005)
Vocal:Serj Tankian
Lyrics:Daron Malakian & Serj Tankian


Sweet berries ready for two ghosts are no different than you.
Ghosts are now waiting for you.
Are you...

ポイズンベリーを口にすれば
君と僕にそっくりな、2つの亡霊の出来上がりさ
そいつらは僕らが乗り移るのを待っている
さあ......

Sweet berries ready for two ghosts are no different than you.
Ghosts are now waiting for you.
Are you dreaming

ポイズンベリーを口にすれば
君と僕にそっくりな、2つの亡霊の出来上がり
そいつらは僕らが乗り移るのを待っている
君は今、そんな光景を夢見ているのか?

Dreaming! Dreaming the night!
Dreaming all right!

夢見ているんだ
夜通し夢見ている

Do we! Do we know, when we FLY?
When we, when we go
Do we die?

僕らはいつ飛び発つんだ?
その時僕らは、
この世を去ることになるのか?

Sweet berries ready for two ghosts are no different than you.
Ghosts are now waiting for you.
Are you...

ポイズンベリーを口にすれば
君と僕にそっくりな、2つの亡霊の出来上がりさ
そいつらは僕らが乗り移るのを待っている
さあ......

Sweet berries ready for two ghosts are no different than you.
Ghosts are now waiting for you.
Are you dreaming

ポイズンベリーを口にすれば
君と僕にそっくりな、2つの亡霊の出来上がりさ
そいつらは僕らが乗り移るのを待っている
君はそいつを夢見ているんだろ?

Dreaming! Dreaming the night!
Dreaming all right!

夢見ているんだ
夜通し夢見ている

Do we! Do we know, when we FLY?
When we, when we go
Do we die

僕らはいつ飛び発つんだ?
その時僕らは、
この世を去ることになるのか?

Do we, do we know
When we fly
When we, when we go
Do we die

ねえ、僕らは一体いつ飛び発つんだ?
羽ばたく時、僕らは、僕らは
この大地から消えていなくなるのか?

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今回もGenius Lyricsを参考に和訳しました。
このサイトの解説はあくまでファン達による意見の集合であり、バンドの意図に合ったものである保証はありませんが、多くの人に支持される意見であることは間違いないようです。

歌い出しからサビまでをひとつのストーリーだとすると、
心中の間際に死後の世界の存在について考えている......
という結構壮絶な歌です。

まずSweet berriesの意味について、Genius Lyricsから引用です。

Poison berries are poetically used as a suicide technique. The harmless nature of berries makes it seem like a more romantic or idealistic form of death. Far less brutal than hanging, for example. “Sweet berries for two” would suggest this is a double suicide.
ここで語られるPoison berries(日本名・イヌホオズキ)とは、自殺の暗示として度々使用されます。高尚で理想的な死の象徴として有名です。例えば首吊りよりは遥かに残酷でない方法と言えるでしょう。
また、“Sweet berries for two”とは心中を表しています。

イヌホオズキはナス属の仲間で黒く丸い実をつけますが、全草有毒で食用にはならないようです。下記参照。

役に立たないことから日本ではバカナスと呼ばれるだとか、イヌとはイナ=否(似て非なるもの)が転じた発音だとか、名称について説があるようです。

これをfor twoなので、2人で毒を食らって死ぬ気である=心中(double suicide)、となります。

次にdreamingは何を夢見ているのか、というところですが、このdreamingは「起きながらにして思いに耽っている」というニュアンスが近いように思います。

歌い出しで「もう無理だ。君と一緒に心中する」という心境に至りつつも、
dreaming......つまり、あることが頭の中で引っかかっている。
あることとは何かというと、サビの内容だと考えるのが流れとしては妥当です。

Do we! Do we know, when we FLY?
When we, when we go
Do we die

僕らはいつ飛び発つんだ?
その時僕らは、
この世を去ることになるのか?

Genius Lyricsの解説を見ても、dreamingの内容について、サビへの流れを踏まえ以下のように解釈されています。

The singer is pondering an afterlife, or the possibilities of reincarnation. He is wondering if our life completely ends when we physically die, or if our spirit remains.
歌い手は死後について、或いは生まれ変わりが存在するかについて考えています。
肉体的な死が人生の終点であるのか、それとも魂は残り続けるのか。

曲名のQuestion!とはサビの中で歌われる、「(もし今死んだとして)死後の世界は実在するのか?」という問いのことです。

Question!なんて文字列にはコミカルな問いかけをイメージするんですが、
実際のところは究極の場面で答えのない問いかけに際している......というオチでした。


自死の瀬戸際に際した時に死後の世界について考えることはありますが、(ありますよね?)
現代科学では幽霊の存在を証明できない以上、幽霊とは何かしらの願いや出来事がきっかけで、その人にとって都合のいいように生み出された概念であると考えるべきでしょう。
仏教の成り立ちには老いること・病むこと・死ぬことから離脱したいという欲求がありますし、
葬儀は生きている人間が死人について整理をつけ前に進むためのものでもあります。
それらと同じく、幽霊も願う人の都合のいいように生み出された概念です。
(人間には空想を信じる力があり、その力が架空を現実にするという観点もありますが......)

なんかスピリチュアルな話になってきましたね......幽霊自体スピリチュアルですけど。

ひとつ言えるのは、信仰も神も幽霊も、人間が都合よく捉えるために生み出されたものなら、
今生きる僕ら一人一人も都合よく扱っていいんだと思います。

誰かが目的を達成するために生み出した存在が、自分の人生に合うかどうかを吟味しないまま受け入れて、仮にそれで死にまで至ってしまえば悲しいだけですし、
今生きる人にとって最適な形で捉えればいいと思いますし、
それは一人一人違う形をしていていいんだと思います。
死ぬ理由に他人が考えた概念なんて持ってくるなら、自分自身を生きていなかったということになりますし......

また、自分にとって最適の形を、まるで万人がそうであるかのように押し付けるのも悲しいよなあ、と思います。

結局自分の頭で考えるしか最適解を見つける方法なんてないんだから、
誰かが考えた幽霊って概念も自分流にアレンジして取り入れたらいいんじゃないかな.....というのは自分に言い聞かせてるんですけどね。
とか言いつつ、僕らは他人に影響されて相対的に存在している部分がほとんどなので、どこまでを自分の言葉とするかの線引きなんて存在しないようにも思えます。信じたいものを信じろとしか言えないのかも。

ちなみに僕の取り入れ方は......
……やっぱりやめときます、すごい気持ち悪いから......