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わだばマーロンになる

1970年、“前回の”大阪万博の年になる。
古本屋さんで買った10年前の「スクリーン~西部劇特集号」のページをめくった途端、強烈な目力の顔が現れた。
「『片目のジャック』監督・主演のマーロン・ブランド」
と説明があった。

版画家棟方志功さんは子供の頃、先生から一枚のゴッホのひまわりの絵を見せられて「わだばゴッホになる(自分はゴッホになる)」と決意されたそうだが、まさにそんな「人生を決める」印象だった。

以来、ぼくは自分で創った作品をひとり芝居で演じたり、朗読をして発表したりしてきたが、その原点にはいつも自作自演した「片目のジャック」のマーロン・ブランドがあった。
実際にこの作品を観たのはグラビア写真を見てから8年後だったが、ただただ作り手であり演者であるマーロンから目を離せなかった。
この映画を作ることが出来たことで、マーロン・ブランドはアーチストとしても俳優としても最高に幸せな生涯であったに違いないと思う。


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