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私は手作りおにぎりが苦手だ。 専門店のものやコンビニものは食べられる。 ちょっとお高目な専門店のものはたまに食べたいな、と思うほどだけど誰が作ったのかわからないものは絶対に食べられない。 友達のお母さん(会った事はない)とかも無理。 料理が上手じゃない友達がつくったものもできれば食べたくない。 子どもたちの集まりで出るおにぎりなんてもってのほかだ。 ちゃんとポリエチレン手袋をして衛生的に気を付けてる、とかでも。 作ってくれた人に失礼だ、なんて百も承知だけれど無理なものは無理な
私の恋人はいつも男の人だ。 なぜかわからないけれど、いつもそうなっている。 私の初恋は女の子だ。 小学校時代のヒーローだった、まゆみちゃん。 私がただ一人家族以外で心から愛してるのは女の人だ。 中学からの親友のエリ。 特別な人は女の人なのに 恋人が男の人なのはいつも不思議だ。 別に男の人だから愛せないわけではないと思うのだけど 心から愛していると自信を持って言えるのがエリだけだからしょうがない。 私を長く知る友人や仕事仲間、子供たちまでその通り、というのだから 本当にエ
距離が近い人は苦手だ。 悪気なくどんどん距離を詰めてくる人はもっと苦手。 世の中に人と触れ合うことが嫌いな人なんて いるわけがないと思っているのかと思う。 ここにいますよー。 10代の頃は人との距離なんて気にならなかった。 子猫がじゃれ合うのと同じだった。 それから大人になってどんどん私と誰かの距離は離れていく。 普通の大人は距離を詰めてくることはないから困ることもないけれど。 困るのは好意を持たれたときくらい。 恋人との距離も難しい。 私は体の距離も心の距離も人よりも必
小さい頃からメンテナンスが好きだ。 とは言っても機械とか車とかではない。 自分自身のだ。 全身の肌のメンテナンス 手足のネイルケア 毎日のストレッチ 日々の食事 自分の心と向き合う時間 全ては自分自身のメンテナンスだ 大人になって気づいたのだけれど 一般的には自分のメンテナンスにそんなに時間はかけないらしい。 自分磨きが好きなの?とか 意識高いね、とか言われたりするけれどなんのことはない。 みんなが趣味や恋愛やお酒なんかに時間とお金とエネルギーを使っている分 私は自分自
まゆみちゃんとうちで遊ぶときは、お菓子を食べながらおしゃべりをするか、お人形さんで遊ぶかだった。私は空想ばかりしている子供だったから、ごっこ遊びが大好きだった。まゆみちゃんはいつも嫌な顔ひとつしないで私のごっこ遊びに付き合ってくれた。 「今日はどんな設定にしようか?」とまるでまゆみちゃんが遊びたいみたいに。でも本当は知っている。まゆみちゃんはごっこ遊びが好きなわけじゃなくて、私が喜ぶのが好きなんだ。私はまゆみちゃんの好意に甘えて 「いつもの!」と張り切って答えてしまう。 いつ
まゆみちゃんは私ができないことは何でもできた。かけっこも、鉄棒も、木登りも、ドッチボールも。男の子に負けないくらいなんでもできた。学校が終わると人気者のまゆみちゃんはみんなに誘われてよく公園に集まって遊んだ。かくれんぼ、木登り、探検ごっこ。いつもまゆみちゃんはみんなの中心で、びっくりするくらいなんでもできた。 特に木登りはあっという間に木登りの木(みんな登りやすい公園の大きな木をこう呼んでいた)の一番上まであっという間に登ってしまう。私はそんなまゆみちゃんがかっこよくて、い
まゆみちゃんの夢を見た。 久しぶりに見た、はっきりとした夢だった。 私たちは小学4年生でランドセルをしょっている。私は紺色のプリーツスカート、まゆみちゃんは膝より上の薄いグレーのキュロットスカートをはいている。私のスカートは分厚くて、裏にスルスルの布がついていて歩くとそれが足にくっついてくる。ママが選ぶお洋服はきれいだけどいつも動きにくい。まゆみちゃんはいつでも木登りや鉄棒ができるようにキュロットスカートをはいている。夏も冬もあんまりかわらない。変わるのはジャンパーを着るか
はじめまして、Miaです。 ずっと人と関わることを最小限にして生きてきました。 自分の好きな人、大切な人とだけ、小さく、深く関わって生きてきました。 自分の住み慣れた町、自分の家、自分の部屋。 安心できる環境を、安心できる人たちを大切にしてきました。 小さい頃は自分の家がきらいでした。 帰ってこない父親も、自分の不幸な生い立ちを私にだけ打ち明け続け泣く母も、人を馬鹿にすることでプライドを保つ姉も、笑い声の聞こえない、新しく、きれいで広いおうちも。 父は別の家庭を