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漂着ちゃんを読んで【#創作大賞感想】

山根あきらさんの漂着ちゃんを読んだ感想を書きます。
ネタバレになっていたらすみません。

聖書のような、SFパラレルワールドな世界観で、時間と時空を超えた読後感でした。

初めて見た男性の主人公をナオミは好きになる。
隔離された世界で、他に見比べる男性がいないから好きにならざるおえない。
ナオミは言葉も知らないまるで赤ちゃんのようで、主人公はそんなナオミに知識を教えていく。ナオミを育てるように。
でも、ナオミは母親になり純粋だけではいられなくなり自身の子供を守るために悪の心を持っていく。その感情は主人公は教えていないナオミ自身から湧き出るものだった。

そもそも人間は始めどう生まれ、男と女がいてどう繁殖して人類は広がっていったのか。
クローン人間とは何かと問いかけているようでした。
生命そのものを考えさせられる長編小説でした。

そして、漂着ちゃんが流れてくる川が三途の川のように不気味で、水子供養したほうがいいのかなと勝手に思ってしまいました。

山根あきらさんのSF聖書が読めてとても面白かったです。
「漂着ちゃん」の長編小説執筆お疲れさまでした。