微量栄養素(ビタミンB1、B2編)

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、ビタミンB2は脂肪をエネルギーに変えてくれます。これらが不足するとエネルギーが上手く作り出せず、疲れやすくなってしまいます。

ビタミンB1(チアミン)の主な働き

 ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えます。糖質をエネルギーに変える作用を「解糖系(かいとうけい)」といいます。解糖系では、摂取した糖質をピルビン酸に作り変えます。このピルビン酸がクエン酸サイクルというエネルギーを作り出す作用へと入っていきますが、ピルビン酸がクエン酸サイクルに入るためには、ピルビン酸をアセチルCoAにする必要があります。この時に必要になるのが、ビタミンB1です。

フルスルチアミンとは

 薬局などで見かける「アリナミン」の主成分フルスルチアミンとは、ニンニクや玉ねぎに含まれる(アリシン)とビタミンB1(チアミン)が結合すると吸収力が高まることから、アリチアミンと命名されました。
 しかし、ニンニク臭がすることから今ではコーヒーの香り成分であるフルフリル基をビタミンB1と結合させたフルスルチアミンが「アリナミン」として売られています。

ビタミンB1の上位互換

 普通のビタミンB1と比べると吸収率が高いベンフォチアミンがあります。しかし日本では薬剤扱いになるので、サプリメントとして摂る場合はiherbなどで購入するとよいかもしれません。


ビタミンB1の摂取時の注意

 ビタミンB1の多い食材と言えば、豚肉、うなぎ、玄米などがあげられます。食事での摂取で注意していただきたいのが、「アノイリナーゼ」です。
 貝類、ワラビ、ゼンマイなどの山菜、鮒などの淡水魚に含まれる成分で、ビタミンB1を分解してしまう酵素です。しかしアノイリナーゼは加熱すると分解されるので、ここでは貝類の生食に注意しておけば大丈夫でしょう。


ビタミンB2(リボフラビン)

 先述したとおり、ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えてくれます。脂肪をエネルギーに変える経路のことを「β酸化」と言います。これは脂肪酸から炭素が2つずつ外れてアセチルCoAになります。

老化防止に役立つかも

 細胞が老化ストレスを受けるとSLC52A1というビタミンB2を細胞内へ取り込むトランスポーターを増やし、老化を抑えてくれます。
 細胞内にビタミンB2の量が増えると、ミトコンドリアの活性が高い状態が維持され、老化を抑えてくれるという仕組みです。


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