ゲームの思い出「ギフトピア」

大人になるってどういう事だろう?

こんにちは!
突然ですがみなさん、「ギフトピア」というゲームをご存知でしょうか?2003年に、スキップというゲーム会社開発で任天堂より発売されたゲームです。プラットフォームはゲームキューブ。スキップといえば、「ちびロボ!」で有名ですかね。ですが「ギフトピア」を知っている方はほとんどいらっしゃらないかと思います。私はこのゲームが発売されて13年間、このゲームを知っているという方には1人しか会ったことがありません。ネットでの評価を見た限りでもかなりのマイナーゲームであることは確かなようです。
ですが、このゲームはわたしの思い出が一番詰まったと言ってもいいゲームです。その不思議な魅力を語れたらいいなと思います。

※以下はネタバレを含みますのでご注意ください

「チミはナナシ島のゆいしょ正しき行事である大人式をボイコットした」
まず冒頭で、主人公のポックルは牢屋に入れられます。
本当ですよ?笑
衝撃的なスタートですよね。プレイヤーがポックルを初めて動かす時ポックルはまだ執行猶予期間中なので、服は囚人服、逃げないように足には鉄球の重りをつけられ、未成年だからと顔にモザイクがかけられています。
その状態で、やってることといえば島のゴミ拾いです。鉄球をズルズル引きながら、ゴミをひとつとってはロボット警察のマッポに預けるを繰り返すのは自分で動かしながら憐れみを感じる情景です。笑
しかし、なんでそんなことになっているのか。それはポックルが島の公的行事である「大人式」をボイコットした(正確には寝坊した)からです。ゲームの舞台であるナナシ島では、「大人式」という式を行うと大人と認定されるのですが、ポックルはその日に寝坊してしまったのです。ポックルの大人式の為に集まった島の住民達は待ちぼうけを食らい、怒って帰ってしまいました。ポックルが飛び起きて式場についた時にはもう遅く、そこには市長のメイヤーとロボット警察マッポが居るだけ。そうして式は中止となり、ポックルは大人になれないまま、ボイコット罪として牢屋に入れられてしまう。このゲームはそんなところから始まります。
ところで、「大人」ってなんでしょうか?お酒が飲める人?歳をとった人?仕事をしている人?なんだかどれもしっくりきません。この疑問はこのゲームにおけるキークエスチョンになってきます。それに対してどんな答えを出すかでエンディングも変わってきます。
話は戻りますが、一応の奉仕活動をして釈放されたポックルはメイヤーに再大人式の話を持ちかけられます。しかし、ポックルは一度大人式をボイコットした身。それに大人式を開くのにはお金がかかります。そこでメイヤーは「500万マネ貯めれば再大人式を開く」と言います。マネはこの世界でのお金のことです。かくしてポックルは500万マネをため、再大人式をひらくことを目標に、キノコを売り、魚を売り、あらゆる方法でマネを貯めていく生活が始まったのでした。
~完~

…ではないです笑
ここからゲームの本質が出てきます。
ナナシ島の「大人」はみな大人式を経て大人となっているのですが、1人だけ大人式をしていない「大人」がいました。それは山の奥に念者のごとく生きる「ジギー」です。彼はポックルに「大人式をしなくても大人になれる。大人になるには人の願いを叶えればいい」とポックルに教えます。
この「人の願いを叶える」というのがこのゲームのメイン目標になります。「人」というのはだいたいは島の住民のことなのですが、この島の住民は離婚した家族の距離感だとか、オカマと男の恋路だとか、ポップな絵柄に似合わず、まぁ人間らしいというか、世俗的というか、そんな悩みをいっぱい持っているのです。そこが魅力の一つなのですが、とにかくみんなの願いを叶えることで、ポックルは少しずつ心が成長し、「大人」になっていきます。そして最後は島全体を巻き込んだ大事件が起き、エンディングを迎えます。
さて、ここまで読んでいただきありがとうございますと言いたいところですが、そういえば500万マネを貯めて再大人式〜はどうなったのでしょうか。実はそっちのルートでもエンディングを迎えることができます。つまりこのゲームには二種類(正確には三種類)のエンディングがあります。どのエンディングに向かっていくか。そこで冒頭の「大人になるってどういう事だろう?」が効いてきます。
さて、あなたはどう考えますか?二十歳になれば大人、でしょうか。実は私自身今週が二十歳の誕生日になります。このゲームをプレイして、「大人」について改めて考えてみようと思います。