あの夏のジャンケンV2

シングル厨優勝構築、あの夏の〜を読んでくださりありがとうございました。あれに隠されている構築の秘密、その補足について、必要だと思ったので先に触れておきます。

1つ。
相手の想定を外すという強みを持たせる+そのポケモンの持つ強みを削らないということ。パオジアンは氷柱+礫、カミは上からムンフォが打てること、サーフゴーやラオスはラオスとして選出画面にいること。こういった要素は殆どそのままにできているからこそ、ちゃんと試合ができるようになっている

2つ。
悪ラオスに襷を渡して、パオジアンが耐久を担保し、またカイリューを選出時にテラス依存しない鉢巻で採用しているため、パオラオスカイリューという本来ならなかなかできない物理の役割集中選出ができる。これは相手視点ではラオスが水ということもよぎったり、カイリューにテラスを残さないわけはないのだと想定したりして、予想から外れた3匹になりやすい。

3つ。
電気テラス、毒テラス、炎テラスという崩し性能の試合を決定づける秘めたパワー。9世代の現在蔓延るポケモン対戦観では、テラス前後+横の並びによるシナジーがかなり前提とされる。今回の構築はこれに頭数を切りながら戦うため、逆転の一手になりうるテラスを使えなければテラスの価値がないのである。
つまりは悪ラオスがフェアリーテラスを切ってくる相手をボコボコにできなければ、電磁波を使ってくる相手を殴るカイリューでボコボコにできなければ、ハッサムを使ってくる相手を燃やさなければいけない。

4つ。3つ目から付随する。「相手の強い動きを理解しているかどうか」。それによって、自分が通さないといけない択が押すのが楽な強い択かどうかを判断する能力が必要になる。例えばハッサムは単体としては相手PTを崩す能力を持ち得ないので、有利対面に出して蜻蛉帰りを打つ。これが強い動き。側面として、先制テラスタルは試合を決定づけるアドバンテージ或いは試合を展開していく耐性確保以外に使うのが難しい。つまり、この環境でハッサムにテラスタルは切れず、目の前の敵から唐突な炎テラステラバが飛んでくる試合は彼らに取って割り切り対象である。だからハッサムに弱いポケモンが普段持たないような炎テラバはどの環境でも通る。なぜなら、それを読んで使うテラス切りハッサムというシステムは弱いから。(✳︎最終日一点読みテラスハッサムに負けました)

以上が補足情報。

今回のV2では、流石にあのシングル厨以降はジバコエーフィじゃ俺の選出が全然安定しなかったため、採用種族を変更したもののみに焦点を当てて解説する。


前回からの変更点

シバコイル→化身ボルト
エーフィ→サーフゴー

臆病 h252b164c12d4s76
水テラ200連打耐えるくらい グローブは飛ぶ
sは麻痺ったブエナツツミ抜き
10万電磁波草結び身代わり 粉 電気テラス

パオを採用していないディンルー構築にはブッ刺さる枠。 本体は電磁波と粉。
初手ラオスに10万か結びから入れるよう耐久調整。
全部誤魔化してもらう。ディンルー入りやヒードラン入りは全部カミやこいつ+カイリューやラオスになんとかしてもらった。
ボルトロス+パオジアンの並びが強烈。ボルト見て投げてくるパオをパオミラー絶対勝つパオで砕いて展開するパターンと、パオvディンルーの初手見て即引きボルトのこっち視点が割と強めなテラス択パターン。交代際のカタスは28%で外れる。更にディンルー側はテラスがフェアリー毒水(炎)なことが殆どで、ボルト相手に有効打がないテラス切りディンルーは電磁波から10万連打してるだけで毎ターンマグスト条件の行動成功率、特に攻撃技に至っては60%までの成功率ダウンを押し付け続けることができる。これは催眠術を打って当てる確率と同じ程度である。
ボルトの身代わりは悪タイプ相手でも上から打てるため、パオジアンに対して氷柱落としを72%まで下げさせる、「吹雪連打条件と殆ど同じ」を安定して2ターンまで行える。
カミツツミのブエナ持ちに対して先制電磁波が可能なのも強力。また、HPフルの時にはフリドラもムンフォも耐える。 198の眼鏡素ムンフォが6.3%落ちなので、そこまで耐えることができる。
当たれば60%条件がそのターンから発動するため、相手は素催眠を毎ターン当て続ければならなくなる。
成功率4割の零度みたいなもんや。

前期1位の攻め意識氏の使用した粉イダイトウや、アシパオフ2位シングル厨予選全勝のぼーれー氏のひょいガブ。これらの確率押し付けがしっかりと好成績に結びついていたため、満を持してパクった。なお化ボルトのパワーがなくてカス。

化身ボルトの採用過程。まずイダイトウは3匹目に出さなければならないという逆イルカマン条件がついているため使いたくない。キョジオーンも交代ボタンや他との並びの中で戦うため、先のサイクルの話に自分から乗っかり、その話の延長線上で試合を進めることを前提としてしまう。本来ここをキョジオーンにしておけば、或いは指数がバカすぎて全てを破壊してくれるガチグマにしておけば、PTに状態異常耐性がついてサフゴの枠をある程度自由に構えることもできると考えはした。しかしコイツらは水ラオスを呼んでくる。相手が水ラオスを出してくる試合は、不安定になりやすい。パオラオスの選択肢が全部ジャンケンだから。
あとガチグマは焼けないと指数出ないので、ある種の先に怠けるケッキングのような使用感。ケッキングは当然弱い。
そして、被弾回数が増えるのと何より1試合が長引く。結果1試合相当のプレイヤー負担が増える。これも好みじゃないため無し。

本質情報。攻め様は本当に強い。マジで。

ガブは論外。バンギもカバも入れたくないので。

そして採用した化身ボルトは、パオスタートの裏目、テラスディンルーによるパオの消耗を抑えつつ、後投げから技連打でアドバンテージを稼いでくれそうなツラをしているのと、選出画面で、相手にパオスタートを強要させ、パオミラー状態を引き起こしてくれることにも期待した。
1匹倒した後や、不利対面において後発に最大の置き土産先制電磁波を入れてくれる。
コイツの強いところは自身が電磁波を打てる、結びを打てることだけじゃなく、浮きながら相手の電磁波ベースの展開を阻害できるというところにもある。カイリューではテラス前提になるこの阻害も、ボルトロスは自前でクリアしてくれる。そして勿論優秀な種族値。努力値を振り分ければしっかり戦えるだけの数字を揃えている。

あと選出パターンが冗談抜きで5パターン以上増えた。カミボルト選出で2枚のボルトロスを使うイメージで回す選出パターン。先のパオボルト。ボルトカイリューラオス、ボルトカミ@1の祟り目コース。

6枠目。

サーフゴーの理由はたったひとつ。型の匿名性のために採用。
最終日時点で、パオの炎テラスとカミの草テラス、カイリューの電気テラス鉢巻、ラオスが悪で不意切って毒づき持ってる毒テラス。これらは世界にすでに公開済みの内容だったため。
 あのエーフィとかいう強烈なポケモン、見た瞬間に記事に辿り着く可能性が非常に高い。しかしサーフゴーを入れれば化身ボルト以外はBIG6。ここまでの情報をこいつポンって入れるだけで隠してくれそう。ちなみに選出率0%筆頭。大丈夫だ、お前はそこにいるだけでいいんだという気持ちで見つめていた。

…なんか一応出せたら奇跡起こるかも知んないから、ちゃんと強い型で使うことにした。

臆病 h4b60c188d4s252
ゴルラマジシャシャドボトリック 眼鏡 フェアテラ
意地水テラ200連打耐えるくらい グローブは飛ぶ

再戦で相手が悪ラオスと割れてる人にワンチャン投げる。ラオス+ディンルーみたいなのに初手に投げてウオオオオオオオオする。
耐性変化が一番優秀な鋼霊→フェアリーに。臆病最速で目の前のラオスにも突っ張れるように。
ラオスは準速襷かスカーフかパングロのなんかしかいないと思っているため、裏の地面にも一貫しつつ突っ張る選択肢を取り続けやすいフェアリー技採用。かなり偉かった。舐めた蜻蛉からの裏カイリュー裏ディンルーが3、4割削れてテラス強要できるのとか。僕はテラス強要は突っ張らないと成立しないと信じてるので次のターンに突っ張っていますが、引いてもまあ強い択なんじゃないですか。


最後に。
今シーズンガッツリ潜って思ったこと。
マジで9世代のポケモン対戦は新時代に突入しかけていると思います。今季はプレイングの幅について、対戦結果の1番後ろの勝ち負けから導かれるような選択パターンがとても増えたんじゃなかろうかと思いました。一見やべ〜プレイも、数多の切りと1ターン1ターンのアド取り、リスクヘッジの切れ味が、だいぶ凄くなった。


最高レートこそ2088なものの、最終は無惨に1937,順位も643位でした。期待させてしまった仲良い人すまん。4連素催眠を避けない化身ボルトを責めてくれ。

おわり


えー雑魚の分際なのでスペシャルサンクス書いてたやつ全部消しました… せっかく読んでもらったのでみんながあんまり知らなそうな僕の好きな人たちを紹介します…


ささぼー(DMプレイヤー)
ポケモンはやってない人。そのゲームの持つ、ゲーム単位での立ち回りの幅、選択肢の持つ強さのジャンル。種類。一見排反するようなものさえ両立することのできる「引き出しの多さ」という枠組み。
俺がポケモン対戦観を今日も更新できるのはこのバケモンのおかげだと思います。この人がポケモン界隈にいたら本当に強すぎて話にならなかった。ポケモンに限らず、戦術の飛び交うゲームのゲーマーは、彼の配信や動画を少し見てみると世界が変わるかも。特に紙の動画。デュエマわかんないよって人も弾を追うシリーズはルール覚えやすいのでぜひ。面白すぎ。
僕の相手の持つテラスへのテラス択想定はDMのシールドトリガーみたいなイメージ。
任意で起動できる1回限りのシールドトリガー。ささぼーは、ここ1番の勝負どころで、敢えて全ケアせず割り切って殴ることの強さを教えてくれた。

暇な人は検索して動画見てみてください。

カビパラさん
成績面以外の部分での相対的な評価を全部外して、ポケモン対戦勢で俺が1番つええと思ってるプレイヤーはこの人。読みと切りの精度の高さが異次元クラス。エーフィ、オフで優勝させときましたよ。この人のプレイ動画も残っていて、別世代だけど対戦動画見る価値かなりあるので是非見よう。驚くべきは選択肢に辿り着くまでのリアルなコンマの速さ。

この人もすごいので暇な人は動画見てみてください。過去作の対戦のほうがやべえです。


俺のおかあさん
GO産の色ボルトロス提供。この前お願いしてイベルタル取ってもらった。いつもありがとう。

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