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地歌 船の夢 歌詞 単語検索 2 (前半)

この歌の最重要単語は「ひろう」と「しかじ」かと思いました。

冒頭の、
「こがれこがれて逢瀬(おうせ)はひろう」
この「ひろう」が広いことかな?とか勝手にイメージしてしまって苦しかったにゃ。

参考にさせてもらったページで全体の意味の下地を教わって、「ひろう」については「拾う」でいってみました。

そして、
「しかじと鳴きて時帰鳥(ほととぎす)」の中の
「しかじ」は、〜にまさるものはない、という意味でした。

なので、遊女の生活は行方も定まらないよ、という心さむい気持ちだけではなく、ここには何かポジティブなものがくるものと思い、「逢瀬は最高!」という気持ちを「しかじ」の指すものとしました。

〈訳してみた自分的なフィーリング〉

逢瀬をもとめ、焦がれる気持ちが冒頭に歌われます。
そして、逢瀬においては、人目もはばからず楽しむのだと歌われます。
それから、流れ渡りの船の暮らしの現実に立ち返るのですが、
そんな時にホトトギスの一声とともに、やっぱりあの逢瀬の一時に勝るものはない、と思うのです。
だから、心寒い船の暮らしにあってこそ、逢瀬を焦がれ求めるのだと、
最初の歌詞に戻ってループする作りかと思いました。

〈単語検索〉
こがれ こがれて 逢瀬(おうせ)は ひろう

● こがれる … 切に思い望む。恋い慕って思い悩む。そうなりたいと強く望む。
● 逢瀬(おうせ) … 男女が隠れながら会うこと。男女が会う機会。結婚。
● ひろう … 拾う、で訳しました。拾う。自分のものとする。徒歩で行く。歩く。 
★ 異性と出会う機会を拾い得るように強く切望している、となるかと思いました。

楽しむなかに なんのその 
人目(ひとめ)づつみの あらばこそ

● 楽しむ … 楽しく感じる、楽しむ。心が満ちたりて楽しく思う。物が豊富で裕福になる、富む。
● なか … 胸中。間柄、仲。
● なんのその … なにほどのことがあろうか。なんでもない。
● 人目(ひとめ) … 他人の見る目、世間の目、はた目。人の出入り、人の往来。
● づつみ … つつみ[慎み]、遠慮、気がね、つつしみ。
● あらばこそ … あろうはずがない、ありはしない。もしあるならば…だろうが、実際はそうではないから〜ない。
★ 男女で楽しむ胸中には、人目などなんでもない、世間への遠慮などあるはずがない、となるかと思いました。

嬉しい世界に 住み慣れて 
● 嬉(うれ)し … うれしい、楽しい。ありがたい、おそれおおい。
● 世界 … 元は仏教語、世は時間の全体、界は空間の全体を表す。世の中、世間。人間界、地上界。あたり一帯、そこらじゅう。地方、田舎。
● 住む … 住む。女のもとに通う。結婚生活を営む。
● 慣れて … 慣れる。うちとける、なじむ、親しくなる。よれよれになる、からだによくなじむ。古ぼける。
★ 男女で過ごす嬉しいひとときになじむと、となるかと思われました。

後半は3につづきます。 

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