見出し画像

地歌 里の暁 歌詞 単語分解 2 前半部分

「里の暁」の歌詞の前半の、単語検索の結果をしるします。

前半歌詞

あずさ弓 いる 方(かた) ゆかし 夕月(ゆうづき)の
匂へる 春も 橘(たちばな)の 
夏来(なつき)に けらし 一声(ひとこえ)は
山ほととぎす なきすてて 
あやめも知らぬ 烏羽玉(うばたま)の
やみ夜を てらす 蛍火(ほたるび)の 
其(その) かげさへも 陽炎(かげろう)の

では、Let's 単語分解

● あずさ弓 … ひく、はる、い、いる、の枕詞。そして、冒頭の画像は国立民族学博物館Archives さまの画像を借りていますが、これがあずさ弓だそうです。津軽のイタコの方々も、竹の棒で弦を叩きながら使っていたと、解説にありました。

● いる … はいる。はいってゆく。/ 沈む、隠れる / 居る、座る / じっとしている。この歌詞は倒置法とでもいうのでしょうか、うしろにある歌詞が前にかかるというのでしょうか、ここも、後ろの「夕月」が「いる」「かた」が「ゆかし」だよという順序でことばがならんでいると、気がつきました。行で訳すと、夕月が沈む頃というのは心ひかれるものだ、もしくは、慕わしい・懐かしい気分にさせるものだ、といった訳になるかと思いました。

● 方(かた) …  時・ころ / 方角 / 所・場所 
● ゆかし … 慕(した)わしい・なつかしい / 心がひかれる / みたい・知りたい
● 夕月の … ゆうがたの月(季語的には秋、しかしこの歌は夏)

● 匂へる … 匂ふ、で、美しく咲いている・美しく映える・美しく染まる・(草木の色に)染まる・快く香る / 美しさがあふれる
● 春 … 立春から立夏
● 橘(たちばな) … 花だと季語は夏、実では秋。

ここも、後ろの橘から前の匂へる・春にかかる順序となっているようです。
行としての訳は、橘のうつくしく咲いている春、となると思いました。

● けらし … 〜らしい・〜たようだ。夏来にけらし、で、夏がきたようだ。
● 山ほととぎす … ほととぎすの別称 。季語は夏。秋の初めに去る。 / 植物の名。 
● すてて … 動詞の連用形に接続助詞て、を添えて、〜してしまう・〜してほうっておく。なきすてて、で鳴いて飛び去っていってしまう、といった感じのようです。

行としての訳は、夏が来たらしい一声を、ほととぎすが鳴いて飛んでいった、といった訳になるかと思いました。

● あやめも知らぬ … 物の区別ができない・分別がつかない。
● 烏羽玉(うばたま)の … ヒオウギの実、丸くて黒い / 和菓子
● やみ夜 … 闇夜、月の出ていない夜。

行としての訳は、ものの区別がつかないほどの真っ暗な闇夜、となるかと思いました。

● 蛍火 … 蛍の季語は夏。蛍の発する光 / わずかに残っている灰の中の炭火
● かげ … (日・月・灯火などの)光 / (人・物の) 姿・形 / かばってくれる人・おかげ・恩恵 / (心に思い浮かべる)顔・姿・面影。
● 陽炎(かげろう) … あるか、ないかわからないもの。はかなく消えやすいものの例えに用いられることが多い。 / かぎろひ。東の空に見える明け方の光。曙光(しょこう)季語春。 / 春の晴れて直射日光の強い日などに地面からゆらめいてのぼる気。

行としては、真っ暗な闇夜を照らす蛍の光のその光さえも、
あるかないかがわからないはかない様子だ、といった訳になるかと思いました。

歌詞の後半の単語検索は3に続きます。

 





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?