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介護で久しぶりに心が折れた話

yoursを聴いたあの日。
このnoteを書いた前日。

私は久しぶりに心が折れた。
ただの、私のわがままからくるもの。
Twitterに愚痴を書いたけれども、すぐに消した。
ただ吐露したかっただけのツイート。
すぐに消した。

夕方の、フルバージョンのyoursを聴いた後、私は余韻に浸っていた。
22:30に上がる予定の、次のyoursを楽しみにしながら、夕食の片付けをしようとしていたその時、携帯が鳴った。

義母からの呼び出しだ。

私のスマホは、さながらナースコール。
緊急時以外使わないでと言っているが、些細なことでもかけてくる。
そして内容は言わずに、大概がワン切り。
どうされましたー?と言いながら、部屋の襖を開けるのだ。

その日は珍しく電話で内容を伝えてきた。
ストーマーから便が漏れていると。

義母は、パーキンソン病だけでなく、S字結腸断裂のためストーマー(人工肛門)をつけている。
若い頃から、太りたくないと便秘に効くお茶を飲んでいたと、義母の妹さんから聞いた。
一度、便秘になった時に飲ませてもらったが、死にそうな目にあった。冗談抜きで。
下剤も多用していたし、それが原因なのかどうかは担当医も明言はしなかったが、それもあるのではないかと、勝手に思っている。

腸が断裂した日、たまたま日曜日で私が家にいたため、すぐに対処ができた。
あれが出勤日だったら、今頃義母はこの世にいないだろう。

ナースコール代わりの電話を切り、しばらく私は動かなかった。
ジンくんのあの歌声に。あの表現力に。
突き動かされた心が、その途端ポキンと折れたのだ。

トレンド入りを目指したくて、Twitterに何度も投稿しようと思っていた。
みんなのツイートを見て、同じ気持ちを共有したかった。

なにより、あの素晴らしい歌声の余韻に浸っていたかったのだ。

まるで子供だ。

やりたい事がやれなかったからと、拗ねて駄々をこねる。ただのわがまま。

やらなければならない。
どのみち、夕食の後片付けが済めば、少しだけ落ち着いてから、義母の夜の支度がある。
睡眠薬を飲ませる。
背中に尿が染みないように防水テープを貼る。
ストーマーのチェックをして、夜用のおしめをつける。
そこに、ストーマーの交換がプラスされただけだ。

当然のことながら、便は臭い。
さっきまでの気持ちが、かき消されていくようで、そんなことはないのだけれど、また聴けばいいだけの話なのだけれど。
折れてしまった心は、もう一度すぐに聴こうとはしてくれなかった。

愚痴のツイートに、優しく言葉をかけてくれるフォロワーさん。
それを見て、また泣いた。

ほら、子供って泣きそうな時に声をかけると泣くじゃない?
そんな感じだった。

弱音を見せたくない私と、構ってほしい私がうまく共存できない。
素直に頼ればいいのに。

バンタンに出会って、ジンくんに救われて、心が折れる事がなくなっていたのに、久しぶりの感情に自分が驚いていた。
きっと、yoursがあまりにも美し過ぎて、感覚が研ぎ澄まされたせいかもしれない。

なんて、カッコよく言ってみたところで、ただジンくんに浸っていたかっただけなのだ。
ただのわがまま。
情けないね、全く。

だから、頑張ってるね、よくやってるねって言われるたびに、心が痛む。
全く頑張ってなどいないのだから。

ただ淡々と作業をするだけ。
薬を飲ますのも、食事を用意するのも、ただ淡々と。
優しい言葉なんてもう随分とかけていない。
一年365日。
その内、隔月でショートステイに2泊3日する以外は、頭が痛かろうとなんだろうと、朝6時には朝ごはんを用意し薬を飲ませる。
優しくなんてできない。
それでも義母は、他人には絶対に、私のことを悪くは言わない。
素晴らしくできた人。そこは本当に感謝している。

そして結局、22:30のyoursを聴いて全て打ち消された。
その後はひたすらにリピート。
さっきまでの感情はなんだったんだろう。
ジンくんの声に感動し、癒され、泣かされ、全てが浄化された。また、ジンくんとそしてTwitterで繋がっているarmy達に救われたのだ。

感情って、自分でなんとかできないから厄介だな。

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いや、長くなったね。
もし、最後まで読んでくれた人いてくれたら、ありがとうございます。

なかなか暗いな、これ。
復活したから書けてます。安心してください。


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