cadodeと門出 ︰『サマータイムレンダ』
私は今年の2月、『サマータイムレンダ』を見た。
見たきっかけは、自分でもいつか見たいと気になっていたところ友人2人におすすめされたからである。
(この友人同士は接点がない←なんか余計に見たくなることない?)
1話を見たとき、最初のシーンでにやけが止まらなくなった。
数年に一度あるかないかの、"神アニメ感" だ。
この感覚が生き甲斐だと感じる。
この感覚を求めていろんなアニメを見ているのだとはっきり分かる。
だから、にやけが止まらないのだ。(部屋で一人、誰にも迷惑はかけていないので許してほしい)
言葉で表現できるか分からないが、精一杯この感覚を伝えたいと思う。
(※あくまで私の見解である。
1話が始まって数秒で確実に面白い、好きだと分かるアニメが数年に一度出てくる。
筆者が考えるこのようなアニメの共通点は…
①
作画も画質も良く、光と影の表現、さまざまな効果が細かくされているように感じる。
気のせいではなく実際そうだと思う。
クオリティをかける価値のあるアニメだと主張されているような気がするのだ。
時間とお金をかけても、視聴率でもとが取れるのだ、と。
それだけおもろいんやで、と。
価値のないアニメなんかないけど。
そう、筆者はアニメを愛しているのでトゲトゲしいことはあまり言いたくない。(視聴者としてどのアニメも肯定したい、応援し楽しみたいと思っています)
②
次のシーン・台詞が予測できない。
予測できても面白い作品は多くあるが、私は最後まで予測不可能な、振り回され続ける作品が大好きだ。
振り回されたい。(真顔)
『サマータイムレンダ』は、予測不可能な点において100点満点だと思う。
"最初から誰も信用できない環境に身を置くことになる主人公"
がいるからである。
この時点で最高だ。
主人公ですら分からないのだ。
「これから最終回まで一緒に頑張ろうな(にやにや)」
となってしまう。
(↓ネタバレ含む)
『サマータイムレンダ』はタイムリープを取り扱う物語だ。
きちんと考察すれば主人公がどの時間に戻るのか分かるのかもしれないが、私は考察に時間を割かずにイッキに見終えた。(考察に時間を割かずにイッキに見終えたとか言ってますが、考察しても私には分からなかったと思います笑)
主人公の味方が出てきて影の見分け方が分かる瞬間や、主人公が何度もタイムリープすることでおそらくこの時間帯に戻るだろうという予測ができるようになる瞬間など、物語のヒントは必ず出てくる。
"予測不可能" が大好きだ。
しかし、このヒントは予測の可能性を広げてくれるものになってしまうのではないか、、
「 (人差し指を横にフリフリする動作)、それも最高、ありがとう。考える余地を与えてくれて…。」
となる。(この筆者なんでも好きやん!)
つい考察しながら見てしまう作品が大好きだ。
でも最終回が予測できない、そう、最高。
『サマータイムレンダ』は、このヒントを出す間隔と量が絶妙で癖になる。
③
曲が良い。
生まれてから今日までインプットしてきた語彙たちを集結させて語りたいのだが、良すぎて無理かも。(テヘ)
【OP】マカロニえんぴつ『星が泳ぐ』
マカロニえんぴつ様のOPを初めて聴いたとき、うおおお何か2000年代のJ-POPみを感じるとても好き!と、かなりテンションが上がった。
曲までええんか、どこまでええんやこのアニメ…となった。
OPも細かく見ると考察が捗りそうだっ、くぅ~っ、と一時停止したくなる手を止めて、主人公と同じスピードで次の展開を楽しんでアニメを見ていた。
OPの最後の主人公の行動、初めて見たときはびっくりした。(これからどうなるのか気になって仕方なくなりますよね)
【ED】cadode『回夏』
cadode様のEDよ、、。
(筆者はこの曲で「cadode」を知った。あぁ、、知れてよかった、ありがとう。)
その時の感情をそのまま鮮明に言語化したい。
筆者は驚いた。
まず、映像。
本物の海と島が出てきてまず驚いた。
好き…!!めっちゃ好きな感じや…!!
となった。
快晴ではない天気、船から撮った島の映像。
この時点で、好き、と思った。
リアルな映像と瞬時に切り替わるアニメの映像。
映像が乱れる表現とともに色の反転(?)も見られる。
この島、怖い!!やばい!!
と思った。
しかし、好き、とも思った。
表現が良すぎる。
不穏すぎる、絶対この島に何かありすぎる、と思わざるを得ない。
映像と同時に音楽も衝撃的だ。
前奏から惹き込まれた。
とんでもない曲がきた…と思った。
『サマータイムレンダ』自体、島に不穏な雰囲気が漂っている作品である。
影の存在がよく分からない見始めの頃は、余計に不気味に感じる。
この曲は所々に子どもの声が混じっている。
不気味、と表現していいのか分からないが、私にとっては不気味に感じた。
ここで既に『サマータイムレンダ』にぴったりだと思った。
歌の最初の部分に、同じ歌詞の繰り返しで、音程が低いところから急に高くなるところがある。
音の運びが予測できない。
次この音かな~も予測不可能なのだ。
次はどの音なのか楽しみに聴いてしまう。
夏と海と島の情景が浮かんでくる歌詞も大好きだ。
音、歌詞、全てに心が動かされすぎて、言葉では表現できない…と思ったので、感情を箇条書きにしてみた。
・懐かしい
・寂しい
・帰らなければならない
・バイバイ
・時間は戻らない
・夕方
・思い出
・楽しかった
感じたことをそのまま文字にすると、上のようになった。
現在進行系で、"楽しかった"という過去形の感情が出てきた。
音楽で、ここまで何とも言い難い"あの頃"と"あの頃になるであろう今"を表現できる人がいる。
作詞作曲をした方は、俯瞰して現在を見れているのか、話を聞いてみたい…。
何を見たときにどう感じるのか、どう解釈しているのか。
・
・
・
まだまだ"神アニメ感"を感じる部分はある。
他のアニメで書いてみると、違う意見が出てくるはずだ。
『サマータイムレンダ』では、
①映像美
②予測不可能
③曲の良さ
が、"神アニメ感"を出している要素になっていると私は思った。
・
・
・
おわりに
筆者はこの春、一つの門出となる時期だ。
この時期に『サマータイムレンダ』を見れてよかった。
そして、『回夏』を知れてよかった。
本当にそう思っている。
私は音楽が好きだ。
いろんな感情や状態のときに、今まで音楽を聴いてきた。
ジャンル、年代を問わず、毎日聴いている。
その時々でハマる曲が出てくる。
その時の感情にぴったりと合うことや、とにかく好きで聴いてしまう、など、理由はさまざまである。
ハマった曲は、数年後に久々に聴いても、その時の感情を鮮明に思い出させてくれる。
私の場合かもしれないし、他の人もこのような体験をした人がいるかもしれない。
私はこの体験が好きであり、たまに怖くもなる。
大好きな曲なのに、負の感情が大きいときに聴いていたり、好きではないことをするときの励ましとして聴いていたりすると、久しぶりに聴いたときに、嫌なことを鮮明に思い出してしまうことがあるからだ。
この体験がよくあるため、特に好きな曲をわざと避けている時期もあったりするのだ。
逆に、大好きな曲をこの時期に聴いて、この曲を聴いたときに今の記憶を思い出したい…と聴きまくる時期もある。
『回夏』は、自分の門出となる今の時期に、かなりの影響を与えた。
そして、『回夏』を今の記憶を思い出させる装置にしたいと思った。
毎日繰り返し聴いた。
いろんな感情に押し潰されそうになり、涙を流しながら聴くことも多々あった。
門出となる時期を、cadodeとともに過ごせのだ。
cadode『回夏』の歌詞に
という歌詞がある。
この部分が自分にとってよく響くのだ。
一度きりしかない夏のように、人生もまた、一度きりだ。
私の人生経験はまだまだだが、それでも今までの経験からある程度のことは予測できるようになってくる。
その予測の中から、自分にとって良いと思うものを選択した結果が今なのだ。
永遠に考え続けることはできない。
『サマータイムレンダ』の主人公も、短い夏の中で、いくつもの選択、決断を経て、最終回に導いた。
予測して決断しても、そのとおりになるのかどうかは誰にも分からない。
作中でも未来は少しずつ変わっていく。
自分の決断に責任をもつことが大事だ。
私も選択した今を懸命に過ごしたい。
あの主人公のように。
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