見出し画像

人目ばかり

周りの目が気になり始めたのがいつからかは分からないけれど、周りの目こそが私の中心であり、周りに合わせる事が私の人生なのだと思っていた。




周りにどう見られるか。
周りにどう思われるか。



嫌われないように。
嫌われないように。


だから人と話すときは、いつも自分の言葉を飲み込みながら、その人が喜ぶ言葉ばかりを並べていた。



全てを相手に委ねていた。



でも、じゃあ


いつになったら私は、自分の言葉を言うんだろう。
いつになったら私は、自分の言葉を聞けるんだろう。



いや、本当は分かっている。自分の言葉なんだから。どんな言葉なのかなんて、そんなの分かっている。
加えて、その言葉をどうにかして受け入れないようにしている事も分かっている。”自分の言葉を聞くまい!”と、必死に両手で耳を塞いでいるんだから。




けれど



いつまでそうしてるの?
いつまでそうやって耳を塞いでいるの?
正直、見ていて痛々しいよ。



人からそう言われて、耳を塞いでいた両手の力が一瞬緩んでしまった。



長年、ずーっと変わらない力で塞いでいたその両手が。
そのひと言で緩んでしまった。


本当はその一瞬をなかった事にしたかったけれど、正直私の両手は耳を塞ぐことに疲れ果てていた。そりゃあそうだ。長年そうやっていれば疲れるに決まってる。



だから、その一瞬をきっかけに、ようやく耳を塞いでいた両手の力を緩めることにした。



とはいえ、緩めると同時に聞こえてくる自分の言葉はすごく怖かったし、聞くたくない!と拒絶もした。これでもかというほどに泣きもした。
また、私の両手は力を緩めただけでまだ耳を覆ってはいる。だから自分の言葉全てを聞き尽くす事はできていない。故に、これからも自分の言葉を聞いては大泣きするかもしれない。でも、他人の言葉ではなく自分の言葉で泣けるのなら、私は幸せだ。




私の言葉?
私が何て言ってたかって?




私は私を愛したい。
私は私を慈しみたい。
私は私を解放したい。
私は私と一つになりたい。
私は私と一生笑っていたい。





こんな言葉を聞いてしまったら、私は私を裏切る事なんてできない。周りの目なんて気にしてる場合じゃない。もちろんブレたり揺れたりする事もある。けれど




愛して、慈しんで、とことん笑う。



そう決めた。





私をこれほど愛してくれる私に恥じぬよう。



最後まで読んでいただき誠にありがとうございます! サポートいただきました暁には、書道具購入費用、並びに、楽しさ優しさ笑顔の循環に使わせていただきます。