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ろーてろんじゃのなつやすみ自由研究①

今年はセカンドクラス重賞(主にGⅠオフシーズンのGⅡ•GⅢ)の考察に力を入れていて、夏競馬は出遅れ気味に札幌記念あたりから本腰入れだした。

夏は札幌記念が唯一のGⅡだけどセカンドクラスといえどもやっぱりクラス上な方がデータの信頼性あってやりやすいなあと思いましたまる。
いや、違うな。セカンドクラスはバーッてローテが分散するもんな。信頼性と呼ぶのはちょっと違う。ローテのパターンを括りやすいから伝統のGⅠ・GⅡはいいんだ。
あと前走GⅠ組の特徴的な挙動(ダウン逆ショッカー)とか、GⅡにはそういうパターン頻出しやすいっていうのもある。

例えば札幌記念のトップナイフとか、皐月賞→ダービーというローテは3歳馬が古馬戦に進んでいくにあたって強みになる構造がある。活性化(皐月賞)、ストレス(ダービー後の休養)、鮮度(今回が初古馬戦ないし2戦目)。ストレス社会を走る古馬に対して有利なローテーションになりやすい。
同距離延長指向で進んでいく同世代菊花賞路線、鮮度と逆ショックを武器に羽ばたいていく古馬混合秋天路線組、みたいな3歳牡馬秋の構図。

ダービー後の休み明けでかつ今回短縮ならなおさら今回忙しいレースになるのは良くないので、札幌記念が当日道悪になるのは好材料。
桜花賞→オークスも同じ構造だけどオークス後にいきなり古馬戦に進む牝馬はそれほど多くない。
と思ったら今年のクイーンSドゥーラが桜花賞→オークスだった。そしてクイーンSは14頭立て。多頭数ではなく忙しくない。ぴやー
(15頭以上を多頭数と認識している。14頭以下は傾向的に少頭数と括って問題ない)

クイーンSには桜花賞→オークスが他にもライトクオンタム、キタウイングがいて計3頭。ライトクオンタムは前走逃げでドゥーラは14番手。今回忙しくないレース質が肝であることからこの臨戦過程が基本的に逆ショッカー向けであることが関係してる。ライトクオンタムは純粋短縮ショッカーにあたる。

自然とバウンド短縮の形になること、オークスでは距離や折り合いを意識して必要以上に後方に控える馬が現れやすいこと、その次走短縮かつ忙しくない流れを押さえず乗られることで逆ショッカーの効果を存分に得られること。
逆ショッカー輩出装置としての春二冠の価値。自然と逆ショッカー仕様のバウンド短縮の布石を踏みやすい仕組みになってる春二冠、なんか凄み感じる。桜花賞→オークスと来ての秋華賞直行も逆ショッカーでイケそうだけど、京都内回りでL質弱い設計にされてるのが簡単には三冠取らせんぞって意図を感じさせて、JRAの中の番組デザイナーっょぃ。

話戻ってキタウイングはオークス後方だけど3走連続凡走。最低限のリズムや調子も備えてないと期待値が足りなくなる。10番人気8着という稀によくある穴党の溜飲を下げる程度の反発力。
活性化、ストレス、鮮度、リズム。どんな時もローテ論で要求されるものは同じ。

…と、当たり前のように"逆ショッカー"という単語を使っているが、今回の記事はこれがテーマの中心になる。GⅡ以下では特に使えるアプローチで(なぜGⅡ以下なのかは後で説明)、続編の執筆を期待してるので今井さんには需要があるのかないのか分からない種牡馬辞典よりこっちをお願いしたい。


逆ショッカーとくればもう一方の元祖?純粋な短縮ショッカーがあるけど、これが嵌る場面は相当見かけなくなってると思う。前走3角5番手以内みたいな括りならむしろ徹底先行馬が短縮の今回も徹底先行できた場合の好走をよく見るはず。短縮で差しに回るみたいな往年のやつは…

結局そのレンジのタイプが嵌るほど厳しいレース自体が出現しにくくなってるんだと思う。時は過ぎた。


………つづく


※おまけ※

上記リンク先は競馬予想GPというサイトでの今井さんのコラムで、現状今井さんの連載物としては競馬王か此方か、というレベルだと思う。他に知ってる方いたら教えてください。
で、そのリンクから札幌記念の回顧部分を引用。

"いつも言うように、活性化が弱いステップの場合は、道悪になればなるほど良いから。重巧者で余裕を持って道中前に上がっていけるんで、活性化の弱さはなんら問題にならなくなる。
2着馬も活性化が如何にも弱いステップの外枠だからもしあんなに雨が降らないで土曜のコンディションか、普通の良馬場なら3着以内はまず来てない。活性化不足を補える上に、そもそも中枠以降で2000m以上の道悪を得意としている馬が1,2着馬しかいないメンバーだったから"

この部分は道悪競馬を予想する上で重要な話で、逆ショッカーとの関連性も強いので引用しておく。