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『頭のいい人が話す前に考えていること』は売れる本

すばり、買わなくてもいい

理由は2つ。


理由1. A4一枚にまとめられる

この『頭の話す前』本は前後2部で構成されています。その第1部と第2部は、いずれも"まとめシート(切り取り可能)"が本についています。

これは、安達裕哉さんは"はじめに"で、「本書で目指したのは 読み返さなくていい本」と宣言しています。、このとおりに、本のエッセンスはまとめシートにまとまっているので、読み返すときはそちらをみてほしい、として具現化されています。

本文では明示されていませんが、『頭の話す前』は SUCCESsの法則 に則られて書かれています。

  1. Simple 単純性/明快性

  2. Unexpected 意外性

  3. Concrete 具体性

  4. Credible 信頼性

  5. Emotional 感情性

  6. Story 物語性

※ くわしくは『要点で学ぶ、デザインの法則150』Sticky性を参照ください。

本の大半を占めるStoryは意外/具体/信頼/感情を物語っており、それらを抽出すれば、単純化されたエッセンスが残ります。構成力の高い方が書かれた文書は、概して数行でまとめられます。

頭の良さは、圧縮よりも拡張性(やり方、膨張率)に現れます。至極あたりまえのことを、ほどよく膨らませて、そして、それは飽きない内容になっている。著者 安達裕哉さんはコンサルタントという職柄、この『頭の話す前』で超一流の仕事をなさっています。

前半の第1部  7つの黄金法則

"「知性」と「信頼」をもたらす 7つの黄金法則"でまとまります。(アマゾンのサンプルで参照できます(9枚目))

この前半の一部は中田さんがまとめ動画を作成されています。再現度が非常に高いです。漏れなくのネタバレです。

後半の第2部 は実践的内容

この第2部のほうがメインとなる内容であり、アマゾンのサンプルでも閲覧できません。

その内容は、第1部のまとめの裏面に、スッキリまとめられています。しかし、仮に"まとめ"だけを見たとしても、それほど感心しないかもしれません。なぜならSUCCESsなしにまとめを見たとしても、Story(と具体性)が再生されないためです。第2部を実践するには、一読する必要があります。

理由2. ことさら?

ところが、この『頭の話す前』は、この本でしか知ることができないような、重要な情報はありません。

たしかに、いいことが書かれています。

どこかで見聞きしたことがあるような、という内容が続きます。それは、ビジネス本に全般に存在するゲシュタルトといってもいいでしょう。ビジネス本で描かれる総合的な最適解(=85点の模範解答)が描かれています。

ざっと1~2度読んで、まとめシートを公式集として残しておく、が正しい使用法です。
※ まとめシートは切り取らず、書き込まず、コピーする。


すでに買ってしまったとしても、

この本は高く売れます。

"まとめシートついている"ことから、繰り返し読む本ではない、とわかりました。

たとえば、図書館など借りてみる。
しかし、2024/06時点ですぐに借りられる状態にはないようです。多くの図書館で貸出待ち数十人になっています。

であれば、買って、ほぼ同じ価格で売る。

バズったビジネス本は高く売れます。実際『頭の話す前』はすごく売れてます。

だから、紙の本で買って、売却しましょう。著者・出版社には申し訳ないですが。

わたしは、2回読んだのち、必要箇所をコピーして、売りました

買う 1,650円
売却 1,500円 (内 送料 210円)

1,650 - (1,500 - 210) = 360円
コストは360円

むしろ買ったほうがいい本は参考文献。

頭の話す前』巻末には

  • 賢くあり続けるための読書リスト

  • 参考文献

が載っています。
むしろ、こちらの文献を購入して、何度も使うことが推奨されます。これは、著者 安達さんも暗に書いています。

挙がっていた本は、たとえば、

いずれも挙げる必要もないくらいに有名な書籍です。

『調べる技術』を知らない人が多いかもしれません。

この本の帯は、読書猿さんによるコメントが載っています。

私が私淑する探しものの魔法使い」が書いた司書の奥義を公開した本です。

小林昌樹『調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』帯より

探すという行為には探索のパラドックスがつきものです。

探索のパラドックス(プラトン『メノン』に由来)

あなたが探しているものを知っているなら、探すことは必要ない。
あなたが探しているものを知らないなら、探すことはできない。
それゆえ、あなたは探索が必要ないか、不可能か、そのいずれかである。

読書猿『独学大全』p.218

知らないと探せないし、探そうとしているうちに、いつの間にか既に知っていることに引き寄せられていきます。探す行為が、自分と似た意見や思想にとどまり、自分の意見をさらに増長させることがあります。つまり、エコーチェンバー現象を引き起こします。

『調べる技術』では、公正に情報を探す方法が示されています。これは、GoogleやSNSだけでは到達できない至高の方法です。パソコンやスマホでの検索に陥りがちな盲点を解決してくれます。

#ビジネス本
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#読書猿
#調べる技術

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