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同じ波の音を聞いている

7月にいきなり「文豪とアルケミスト」を始めて2ヶ月経った。

上のnoteを書いてしばらくはゆったりゲームを楽しみつつ、買った本を読み終わらないうちにまた別の本を買って……とほのぼの初心者司書ライフを過ごしていたが、唐突に中野重治全集全二十八巻を購入する謎の思い切りの良さを発揮。
(ふと思い立って調べたその日にメル◯リに出品されているのを発見、置き場所に悩みまくったがまあいっかぁ~!と置き場所問題が解決しないまま勢いで買った……。)

軽い気持ちで「大変なことになったなぁ~」をTwitter(現X)にツイート(現ポスト)したところ、思ってたより司書のみなさんから反応をいただけて驚いた。
みなさん新入りの者をあたたかく歓迎してくださって本当にありがたい……noteもたくさん読んでいただきありがとうございました。いいね等の反応は控えていますがリポスト先めちゃくちゃ見てます!「読んで元気が出た」と言ってくださった方や前髪センター分け穏やかふわふわ眼鏡お兄さんが「ヘキ」という同志の方もいらして嬉しかったです。前髪センター分け穏やかふわふわ眼鏡お兄さんよ永遠なれ……。

なんやかんやですっかり文アルにハマって気が付けば推しも増えて本も増えて……まだやっていないことと言えば「文豪ゆかりの地を訪ねること」ぐらいかもしれない。

そういうわけで来ました。

小豆島です。

いや福井とかちゃうんか~い!?

8月のイベントで性格もキャラデザも何もかも対になっている静と動のニコイチ・尾崎と種田の存在に気付き、中野さんに続き彼らにも物凄い勢いで転がり落ちてしまった。「性格もキャラデザも何もかも対になっている静と動のニコイチ」がこのnoteにおける頻出ワードすぎることから察してほしい。
イベントの回想を見て好きな味しかしないよォ~!!と転がり、二人の通常衣装がまだ恒常になっていないことを知って悲しみ(2022年のイベントの曲がまだ通常解禁されてないポップンミュージックと同じものを感じる……)、二人の作品を読み、史実を知り、そして「小豆島って意外と近いじゃ~ん!」と気付いた次の瞬間にはホテルとフェリーを予約していた。

小豆島までフェリーで片道三時間半ぐらい。昼前に出航して到着は15時頃になる。その後、ホテルまでバスで40分ほどかかるらしい。そのため一日目は移動だけ、尾崎放哉記念館に行くのは二日目というスケジュールにした。
「無理しない」を今回の旅の目標に掲げ、一日目はホテルでゆっくり過ごす。早めにお風呂に入って早めにごはんを食べて少し散策してから早めに寝た。

ホテルの窓から見えた土庄港、きれい~!
夕飯。鱧のてんぷらうますぎる。
こんな良い月を一人で見ているね。

二日目。「放哉ってすっげ早起きだったらしいじゃん、早く起きたら同じ景色見れるかな」「なるべく人間が少ない時間に動きたすぎる~」などと思い、早起きが苦手なくせに朝5時に起きて日の出を眺める。
昨夜気付いたがどうやら近くに放哉の句碑があるらしい、早朝からホテル周辺を散策してみる。早朝は人間よりも鳥のほうが多い。

5時半ぐらい。
6時ぐらい。
尾崎放哉上陸地の碑。
どこにあるかわかんなくてずっと逆方向探してた。Googleマップ見てたのに。目の黒いとこチョコチップなのかもしれません。
かに。

身支度を済ませ、サービスの朝カレーをいただいて、ホテルから歩いて尾崎放哉記念館を目指す。
開館まで少し時間があったため、先にエンジェルロードに立ち寄った。「銀河だから」という理由だけでGalaxyを使い続けているようなイオ・ロアのオタクが、「天使の散歩道」などと聞いて黙っていられるはずもない。

ロアっぽさある羽根かわいい~。
でかめの鳥が飛んでてちいさいパモを慌ててかばんに戻した。油断したら絶対連れていかれる。
対戦よろしくお願いいたします。
きれい~。
潮引いてない時間なのでエンジェルロードはありません。敗退。
展望台から見た海もめちゃくちゃきれい!

放哉が見ていた景色と今の景色は随分変わってしまっているだろうが、きっと海は、波の音は今も昔も同じだろう。
同じ波の音を聞いている。
そう思うとなんだか無性に泣きたくなったが、後ろから飛んできたでかい虫にぶつかられて全然それどころではなくなった。自然豊かやねェ!!

ありえないぐらい天気がいい。

いよいよ記念館へ。南郷庵を再現した記念館は思っていたよりもこじんまりとしていたが、「こ、これ『入庵雑記』で読んだとこだ!!」と嬉しくなった。進研ゼミの喜び方だな。
展示を一通り見たあと受付の方と少しお話をさせていただき、海が見える方向の窓を開けて外を見せてもらった。窓の外には屋根が並んでいて今はもう海を臨むことはできないが、「おそらくエンジェルロードのあたりが見えたのではないか」とのことだった。

また、この記念館と少し離れたところに尾崎放哉資料館もあるが、残念ながら今日は見ることができないらしい。ありゃ~。また来ます。
※資料館は月曜日定休でした。家帰ってから気付いた。おろか。

記念館入口の句碑。

記念館からほんの少し歩いたところには放哉のお墓がある。
墓地を上に上に行った高台に、想像していたよりもずいぶん小さなお墓がひっそりと建っていた。
カップ酒が数個供えられているそのお墓は海のほうを向いているが、そこからもやはり海は見えなかった。墓地の上の青空を飛ぶカラスが鳴いている。

西光寺にある放哉と山頭火の句碑。
山頭火が放哉の墓に詣でるため小豆島を訪れたのは10月だそう。
気温とかめっちゃいい時期だと思う……。

記念館周辺は「迷路のまち」と呼ばれており、まち歩き観光が楽しめる。放哉と山頭火の句碑がある西光寺の近くには、ポケモンマンホールもあってうれしい。

かわいい。
そうめんおいしかった。

迷路のまちには「観光」と聞いてイメージするような賑やかさはない。まちの「生活」そのものを感じながら歩く。穏やかなまちの風景に、普段都会の喧騒に揉まれまくっている心が癒される……。
また、まちの至るところに放哉の句が書かれた行灯があり、これを探しながら歩くのも楽しい。

まちに根差したお店の前にあるっぽい。
結局いくつあったのかわからないけどいっぱいあってよかった。

迷路のまちの和菓子屋「岡田長栄堂 本店」では、放哉の句「入れものが無い両手で受ける」の焼印が入った大判焼きが売っている。両手で受けることができるが入れものはありました。推しの俳句食べられるのおもしろすぎる。

アクリル連れてきたのに全然出さなかったね……。

朝早く行きすぎてまだ大判焼き焼いてなかったので後から出直した。お店の方にお茶出していただいたりと親切にしていただいて、感謝……。家族と自分へのおみやげに大師まんじゅうと「島かげ」というお菓子を買った。おいしそう。

しかし小豆島、めちゃくちゃ暑い。
ずっと暑い。身の危険を感じるぐらい暑い。今日の気温、「死」?
迷路のまちに飲食店は複数あるものの、長居してゆっくり休めそうなカフェ的なお店はあまり見当たらず、暑い中ふらふら歩き回ってしまった。
夏は徒歩とバスだと結構というかかなりしんどい! 次に来るときは春か秋、それこそ4月や10月ぐらいがいいかもしれない……。

概念の夏、小豆島にあったのか。

小豆島の空と海の鮮やかな青をしばらく忘れられそうにない。
気を抜くと「小豆島よかったなぁ……」と呟き小豆島よかったなぁbotになってしまう。本当に良いところだった。来てよかった!
しかし文アルにハマらなければ間違いなく小豆島に来ることはなかっただろうと思う。尾崎放哉に興味を持ってよかった。そして前髪センター分け穏やかふわふわ眼鏡お兄さんがめちゃくちゃ刺さる体質になって本当によかった。でも行き先中野さんと全然関係なくてすみません。これは前髪センター分け穏やかふわふわ眼鏡お兄さんのバタフライエフェクトやね。はい?

帰りはただでさえ遅い時間しかなかったフェリーが一時間近く遅れていた。帰宅したら日付が変わっていて、アシタシゴトナンデ?ナンデ?と思いながら気絶。楽しかったねぇ!
音ゲーで知り合ったフォロワーさんが本当に偶然同じフェリーに乗ってて笑いました。フォロワーと船被ることあるんだ!!

最後に爪めっちゃかわいいので見てってください。