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日々の暮らしに溢れている「オトナ度」をちょぴっと上げる物の見方

7月18日、甥っ子が産まれた。
弟とお嫁さんのおかげで、うちの家族に新たな命が来てくれた。
血が近いせいなのか、
甥っ子の目も口も鼻も、小さなパーツ全部が可愛い。
くしゃみも小さな身体にとっては反動が大きく、全身でくしゃみをしているようだった。もう全てが愛らしい。
甥っ子が感じたことのない種類の幸福感を、私にくれた。

この数年間、私は、父・祖母・祖父を立て続けに亡くした。
無意識に感じていた私を包み込んでくれる安心感は、なんとなく減少したままだった。

命のルーツが共通している甥っ子は、存在してくれているだけで
私にとてつもないパワーを放ってくれた。
もちろん産まれたばかりの甥っ子は、私に何かしてくれる訳ではない。
だが、この先ずっとお互いを知り続ける関係であることがおそらく確約されている関係性。
切っても切れない縁。
それが、身内に新たなメンバーが1人増えた事実。
すごくすごく嬉しかった。

『ママはキミと一緒にオトナになる』は、 著者の佐藤友美さん(以下さとゆみさん)と息子さん(以下息子氏)の小学校3年生から5年生までのやりとりが主に書かれている。
この本は、想像していた本の内容と、とても違っていた。

「子どもを尊重する」のヒント集


この本に登場する、さとゆみさんと息子氏は、母親と子どもの関係性というより
一緒にシェアハウスで人間同士が暮らしているような感覚に近いと思った。
人と人との共同生活を綴っている。

母親である、さとゆみさんが 息子氏を 個性のある1人の人間として関わっている。
もちろん、さとゆみさんは親として、子どもである息子氏に社会のルールなど、
親として教えないといけない決まりもある。

だが、 さとゆみさんの基本姿勢としては 息子氏の考えを否定せず、 自分自身の考えも推しつけず、息子氏を1人の意思のある人間として接している。
親子同士であっても、性格が似ていようとも、人はそれぞれ個性のある人間だ。

なんとなく、私に性格が似ているから勝手にわかったつもりでいたけれど、そうだよ。私たちは別々の人間だった。

『ママはキミと一緒にオトナになる』より


子どもと関わっていると
・子どもを尊重したい
・子どもと対等に接したい
・子どもの自立を促したい
などなど 親や子どもに関わる方は 、このように思う時があるのではないかと思う。
思うことはあっても、どうやって関わったらいいのか?
なかなか難しい。

この本には、「尊重」とか「対等」とか「自立」に
繋がると思える ヒントが溢れている。

こうすべき!なんて、バシっと書かれている系の本ではもちろんない。
さとゆみさんが、息子氏との日常生活で思ったこと・考えていること・感じたこと、を丁寧に書かれているから、さとゆみさんの思考がススッと読む側の頭に滑り込む。

もし、子どもとの関係性に悩んでいる人がいたら、
「とりあえずこれ読んでみてよ」と、紹介したい。
さとゆみさんは、目を背けたくなるような優等生な生活をしている感じでもないので、心がざわざわすることなく読める。


あなたはあなたらしくていい

そして 、もう一つのオススメポイントは、
「そのままのあなたのまま親でいればいい」
「あなたらしくていいんだよ」
と優しいメッセージが伝わってくるところだ。

親だから「 こうしないといけない」とか「 こうするべき」 など
暫定的に決まっている世間の価値観に合わせる必要はないかも、と思えてくる。
読むと心がホッと軽くなる、そんな本だ。

 さとゆみさんは「人と人とを分断したくない」と思いながら、日々文章と向き合っている。木漏れ日ような優しく穏やかなメッセージが本を通して伝わってくる。
「あなたはそういう考え方なのね」という、さとゆみさんのスタンスも
文章を通して読み手自身を肯定してくれる。




冒頭の私の甥っ子の話に戻る。

電車に揺られながら1時間半かけて甥っ子に会いに行った。
本当にたまたま3回目の『ママは、キミと一緒にオトナになる』を電車内で読んでいた。

弟は、きっと甥っ子のおかげで色々な考え方を得て、
思考の根が広がり、豊かな人間性を身につけられるのだと思う。
ちょっとずつオトナ度が上がる感じ。とてもうらやましい。

電車内でふと思った。弟にこの本を読んで欲しいな。
最寄駅まで迎えに来てくれた弟に、本について話してみる。
すると、
「読んでみたい」と言ってくれた。
一瞬でも 「読んでみたい」と思ってくれたことが嬉しかった。

 結婚していない私も、 
いつか自分の子どもを通して、オトナ度がちょぴっとでもあげられたらいいな。
一緒にオトナになる未来が来てほしいと願うばかりだ。   

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