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銀座百貨店 スマホ位置情報データから見る来店者傾向

百貨店はそれぞれ独自のコンセプトを打ち出し、店舗構成やプロモーションの最適化を実施しています。では実際に来店する顧客は、どんな人々なのでしょうか?当記事では銀座の代表的な百貨店であるGINZA SIX、銀座三越、東急プラザ銀座の来店者*をツールを利用して分析していきます。中でもGINZA SIXに着目し、J.フロント リテイリングにとっての事業の位置づけを考慮した上で、その来店者傾向を見ていきましょう。(*auスマートフォンの許諾済み位置情報、訪日外国人を除く)

J.フロント リテイリングは不動産事業を強化

GINZA SIXはJ.フロント リテイリングの新百貨店モデルとして、2017年4月にオープンしました。これまでの消化仕入れ型の百貨店モデルではなく、ショッピングセンターと同等のテナント料徴収型のビジネスとして、大々的にスタートした事業です。J.フロント リテイリングでは不動産という事業セグメントに分類しており、その売上高は拡大しています。

J.フロント リテイリング事業セグメント別売上高

JFRセグメント別売上高

営業利益については、2021年度には不動産事業を含む百貨店以外のセグメントを半分以上とする攻めの計画を立てています。

J.フロント リテイリング 事業セグメント別営業利益

JFR営業利益

そんな中GINZA SIXは開業1年で来館者2,000万人に上り、売上高600億円を達成するなど、順調な滑り出しを見せました。

GINZA SIXは、2017年のオープン以来、本物志向の高い20~40代のお客様を中心に、都内、全国各地や海外からも多くのお客様にご来館いただきました。その結果、開業2年目も売上は順調に推移しており、目標を上回る見込みとなっています。
出所:ニュースリリース(2019/2/28)|GINZA SIX リテールマネジメント

銀座三越の強さは、女性集客力の強さ

さて、では実際にGINZA SIX、銀座三越、東急プラザ銀座の来店者傾向を見てみましょう。銀座三越が横ばい、東急プラザ銀座が右肩上がりの一方で、GINIZA SIXの来店者数が低下傾向であることが見て取れます。

来店者数の経年変化

来店者数

次に来店者の性年代傾向を見てみると、女性の数に大きな差があるようです。男性客においては、GINZA SIXが銀座三越よりも多く取り込んでいます。

男女別の来店者傾向(2019年6月)

性年代

GINZA SIXは、20代女性が徐々に減っている!

さらに、女性の年代別来店者割合を見てみます。銀座三越に比べて、圧倒的に若年層の割合が多いようです。ニュースリリースでは、「20~40代を中心に来館があった」(訪日外国人を含む)とのことでしたが、国内居住者に限っては50~60代以上の来店者割合が半数を超えています。

女性の年代別来店者傾向(2019年6月)

女性年代別

一方で東急プラザ銀座は、20~40代の女性の割合が半数を越えており、GINZA SIXに比べ10%以上多くなっています。来客数では劣るものの、ターゲット顧客をきちんと取り込んでいます。

東急プラザ銀座のメーンターゲットは30代後半から40代の男女。本物を見極める目を持った大人を意識した施設開発を行っている。特にファッションゾーンは、「クリエイティブ・ジャパン」のコンセプトに沿って、銀座で働くOL客や近郊に住む主婦層を意識したブランドを導入。「銀座ならではの上質な本物にこだわった」(瀬志本係長)という。 
出所:“銀座大変貌”第一弾 「東急プラザ銀座」を徹底解剖!(2016/3/31)|日経XTREND

それではさらに、GINZA SIXにおいて女性の年代割合がどのように変化しているか見てみます。2018年6月と2019年6月を比較してみると、20代女性の割合が顕著に下がっています。

GINZA SIX 女性来店者の年代割合に関する前年度比較

年代別女性傾向

20代女性の来店者傾向について、他店舗と比較した上で経年変化を見るとどうなっているのでしょうか?銀座三越は横ばい、東急プラザ銀座は右肩上がりですが、唯一GINZA SIXは20代女性の来店者が減少傾向になっています。

20代女性傾向

ハイブランドかつレベルの高いカルチャーを提供しているGINZA SIXにとって、20代はメインのターゲットになりにくいのかもしれません。知人の20代女性に意見を聞いてみると、「プレゼント向けの小物などは買いやすいが、衣服は自分より年齢層高めのブランドが入っている印象」とのことでした。

若い世代が減少傾向というのは、気になるところです。

来店者の居住地、通行者の属性、来店時間傾向など

GINZA SIXの来店者について、もう少し詳しく見てみます。まずは、居住地のランキングです。(世帯数、平均所得は各居住地の統計情報を引用)

距離が遠いにも関わらず、相対的に平均所得が高く世帯数も多い「世田谷区」「大田区」から多くの人が来ています。また、湾岸エリアにおいて世帯収入が高いと思われる江東区も第3位にランクインしています。(それぞれ区内地域により、所得格差があると想定)

地域別にプロモーションを行う場合、それら地域への施策は費用対効果が高そうです。

GINZA SIX 来店者の居住地ランキング

居住地ランキング

次に、GINZA SIX前中央通りの通行者の性年代傾向を見てみます。女性と50代以上の割合が多いようです。来店者は通行者に比べさらに、女性が多く、年代が高いようです。

GINZA SIX 通行者・来店者の性年代傾向

通行前人口

最後に、時間帯ごとの通行者傾向です。女性については、14時をピークに17時までほぼ客足が途切れません。小売店舗の閉店時間である20時半以降は、男性比率が高まっています。

時間帯別通行者の性別傾向(2019年6月)

通行者時間帯

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