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PTA本部役員の闇 50時間目 〜この話はフィクションです〜

「ドライブを見ればわかるとは何か…」と愛は考える。

「ドライブを見ればわかる…」気がつけば、ため息とともにその言葉をつぶやいていた。今日もPTAの作業は22時を回っている。

ようやくアクセスできたGoogleドライブ(以下ドライブ)は、ただただ、前任の各役職達がそれぞれに書き込んだものが、乱雑に保存されているだけということがわかった。

データなので検索をすれば良いのかもしれないが、ドライブの運用がはじまってからの書類が、何も規則性なく、ただそこにあるだけなのだ。わかったのは「指定されたGoogleドライブを見ても何もわからない」という事だけだ。

何も理解していない本部役員が「古い書類は消してしまいましょう」などと言うが、過去の議事録や事例を参照できなくなってしまったり、消した資料があとで必要だったという可能性を考慮していない。パソコンが苦手な愛にもその程度の事はわかる。

愛は「次の人に同じ思いをさせたくない」という思いから、先輩役員達から受け継いだドライブ内のデータをまとめはじめた。

愛は、先輩から受け継いだ資料、実際に印刷された資料、書類ファイルを参考にしながら、ドライブ内のデータ上の書類を一から確認し、まず令和何年度の書類なのかから仕分けを開始。それは時間と根気を必要とする作業だ。

令和四、五、六年度のファイルを作成し、その中に、4月から行われる行事ごとにファイルを作成しはじめ、そしてひとつひとつの書類、資料をデータ上で整理。

ワード、ドキュメント、エクセル、スプレッドシート、PDF、パワーポイント、キャンバ… コピーをしたり、ショートカットを作ったりと、パソコン仕事や、事務仕事をしたことがない、愛にとってはとてもハードルが高い仕事だ。

そしてドキュメント内のファイルを整理しながら、PTAが関わって準備する行事が何月に何があるかを一覧にした。

結果、PTA役員が関わる行事は全部で30以上あることがわかる。
「こんなにもあるのか…」たくさんあるだろうと予想はしていたが、現実を再確認し、落胆した。

愛が整理したドライブの「PTA行事フォルダ」を開くと、いつ何の行事があって、その時に何の書類と確認が必要で、それまでに何を準備するべきかがわかるようになり、ここまで取り組んでようやく愛のイメージする「ドライブを見ればわかる」状態になった。

✓愛のメモ:今日の教訓
✓整理整頓された情報や環境はストレスを大幅に減らせる
✓次の人が大変にならないように情報の整理は特に大切


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