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PTA本部役員の闇 130時間目植草会長の呪い 草刈り編※この話はフィクションです

愛は、今回のPTA本部会議で草刈り問題を取り上げる決意を固めた。毎年、ある区域のおばさんが通学路の草が伸びるたびに本部や支部役員の自宅に怒鳴り込んでくる問題に、役員になった誰もが頭を悩ませていた。

「草刈りの件でお話ししたいことがあります。」
愛は会議室で手を挙げて発言した。

「愛さん、どうぞ」
天海校長が優しく促した。

「◯◯区域の年子さんがPTA役員、本部役員、支部役員に毎年、通学路の草刈りについて、苦情を言いに来るんです。苦情を言いに来るというより草が伸びると、本部や支部役員の自宅に怒鳴り込んでくるんです。」愛は説明を続けた。
「この問題を解決するために、区長に相談して市に草刈りを依頼することを提案したいんです。」

「それは良いアイデアですね。」
天海校長はじめ、PTA本部役員のみんなは同意してくれた。
天海校長は賛成の立場から話をすすめる。
「でも、具体的にはどう進めるつもりですか?
怒鳴り込んできた際に、そこが明確になっていないと、年子さんは納得してもらえないと思います。」

「まず、年子さんが言う草刈りが必要な箇所と時期をリストアップして、区長に相談します。」
愛は自信を持って答えた。

「その上で、市に依頼して草刈りを実施してもらいます。また、地域の父兄にも協力をお願いして、夏休み前後にも草刈りを行うようにします。」

「なるほど。それならば、草刈りの問題も解決しやすくなるでしょうね。」天海校長は微笑んだ。
「それにしても、以前のPTA会長時代にこの問題が棚上げにされていたことが驚きです。」と天海校長は続ける。

「そうなんです。」愛は頷いた。
「四年前にPTA本部に相談があったにもかかわらず、植草会長はこの問題を無視していたんです。
しかし相談をした人はPTAに相談しても解決しなかったことだと思い、理不尽な怒鳴り込みも仕方ないと従っていたのです。だからこそ、今、私たちで解決する必要があります。」

会議はその後、草刈りの具体的な計画について話し合われた。愛はリストを作成し、区長に連絡を取ることを約束した。会議が終わって、次の日、愛はすぐに行動を開始した。

「区長さん、通学路の草刈りについてご相談したいことがあります。」愛は電話で区長に連絡した。「毎年、草が伸びるたびに近所の方から苦情が来るんです。市に依頼して草刈りを実施してもらうことは可能でしょうか?」

「もちろん、協力します。」区長は快く応じた。
「具体的な時期と場所を教えていただければ、市に依頼して対応します。」

愛は区長に草刈りが必要な箇所を伝え、市に依頼して草刈りを実施してもらうことが決まった。また、地域の父兄にも協力をお願いし、夏休み前後に草刈りを行うことになった。

下の子のお迎えの時間、久美は愛の会議の結果を聞いた。

「これで少しは安心できそうね。」久美は自分のことのように喜んでくれた。

「地域の皆さんも協力してくれるし、良かった。」と愛は返す。

「本当に良かったわ。」久美は微笑んだ。
「愛、あなたのリーダーシップのおかげよ。」

「ありがとう、久美。でも、これは皆の協力があってこそ成り立つことだから。」愛は感謝の気持ちを込めて答えた。

こうして、愛は草刈り問題を解決するための一歩を踏み出した。地域の協力と市のサポートを得て、通学路の草刈りは順調に進められた。

植草会長の時代に棚上げにされていた問題が、ようやく解決に向かって動き出したのだった。

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