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前回の記事で高校時代の同級生の森のことについて書いたが、実はもう一人森がいた。 森典幸(もりのりゆき)、いつもノリと呼んでいた。たぶん私の親友と言える男だった。 そして彼も真面目な男だった。一緒に通った高校は豊橋市と豊川市の境あたりの田んぼの真ん中の新設校だった。私の通学路は旧国道1号線、東海道を一直線、自宅から10分ほどの道のりだった。ノリの自宅は私の家からさらに20分ほど離れた東海道五十三次の赤坂の宿、御油の松並木を通り過ぎて少し行ったくらいだった。違うクラブに所属して
清明、子どもの頃からまあまあ漢字が好きである。 この時期に春は私たちに清らかな生の喜びを振りまいてくれる。 日に日に陽は明るさを増し季節の移ろう躍動を感じさせてくれる。 清明はそんなこの時期にちょうどよい文字である。 不思議である。毎年この時期を通過しているのだがこの喜びや躍動感が薄れ行くことはない。それどころか歳とともにそれは濃さを増すこともあるように思えるのである。 高校一年の同級生に森清明という男がいた。明るく快活な男であった。真面目で嘘をつかずクラスで彼を厭う者