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【解説】付加価値の作り方

今回は田尻望さんが書かれた『付加価値の作り方』という本を解説します 。誰でもどんな立場の人でも付加価値の作り方というスキルを身につけて日々の仕事で実践できるよう分かりやすく書かれいるのが本書です。


この本はこんなあなたにおすすめです。

・効率よく売り上げや利益を増やしたい
・本当に意味のある仕事に集中したい

そんな課題に向き合うのにおすすめの本です。
本書ではビジネス活動の根幹を支える『付加価値』についてどんな立場の人でも実践できるよう分かりやすく説明されています。


付加価値の作り方は、働きすべての人が身につけるべき最強のスキルです。身につけることで誰でも仕事の生産性を上げ高収入の会社に変えていくことができます。

付加価値という言葉は知っていても『どういうものなのかはよくわからない』という人にとって有益な情報となります。

結論

最初にこの本の結論
付加価値を作るには
『お客様のニーズを明確に、完全に認識のズレなく理解すること』
というわけで、

1. 価値と付加価値の関係性
2. 付加価値の構造
3. 付加価値の作り方

という順番で解説していきますのでぜひお楽しみください!


価値と付加価値の関係性

この章では『価値と付加価値の関係性』というテーマについて本書から2つのポイントをピックアップして解説していきます。

1. 価値とは何か
2. 付加価値はどこにあるのか

という2つのポイントです。



まず1つ目のポイント
価値とは何か
皆さんは付加価値の定義や付加価値の作り方を明確に理解していますか?
『そんなの当たり前だ』という人はこの解説を見ていないことと思います。
付加価値という言葉自体はビジネスのシーンにおいてよく聞く言葉です。しかし、実際のところそもそも付加価値がどういうものなのか分からない。
 『付加価値を作れ』と言われるけど何をどう考えればいいのか分からないという人が多いのではないでしょうか?
『知らなくてもこれまで特に問題はなかった』そう感じる方もいるかもしれません。しかし、付加価値の作り方を知らずに働くことはものすごくもったいないことです。
なぜなら、いかに仕事の生産性を高め売り上げや利益を効率よく増やしていくか。いかに無駄な仕事を減らし本当に意味のある仕事に集中していくのか、その鍵となるのが付加価値だからです。


まずは価値と付加価値の定義について明確にしておきます。


本書における価値の定義は
『お客様(相手)が決めるものである」 です。

では、付加価値とは何かというと『付加価値はニーズが源泉である』になります。これだけ聞くとなかなか分かりにくいです。
要は価値はその商品やサービスに対してお客様が『これには価値がある』と感じるもの。付加価値とはお客様のニーズを叶えるものです。


さらに詳しく解説していきます。
もし皆さんが今の給料や報酬が低いと感じているなら
まずは価値とは何かを理解する必要があります。
なぜなら、価値を理解することが付加価値を作るためのスタート地点だから です。
今の自分の仕事に価値があるかどうかは次の3つの質問で判断することができます。

1. お客様の買うという意思決定に影響を与えているか
2. 商品サービスを買った後本当に使う
3. それを使ったら役に立つか

例えば、健康食品を売る営業の仕事の場合
1は自分の説明によって『こういう商品を探していたんです。ぜひ買います。』
とその健康食品を買ってくれるかどうかです。
2は買ってくれた健康食品をお客様が使ってくれたか。そしてその後も継続して買い続けてくれるかどうか。
3はその健康食品を取り続けた結果、お客様の悩みが解消されて喜んでもらえたかどうかです。

これら3つのどれか一つでも当てはまれば、その仕事には価値があると言えます。逆にどれにも当てはまらないとなれば、その仕事には価値は無いでしょう。
そしてこれは1が起こらない限り2と3が起こることはありません。

日々の仕事に取り組む中で、先ほどの3つの質問をします。
その仕事の価値の有無を判別してみてください。


続いて2つ目のポイント
付加価値はどこにあるのか
先ほど、付加価値の定義を『付加価値はニーズが厳選である』と説明しました。この言葉の通り付加価値は全てのお客様のニーズから生まれます。
例えば、高級レストランなどでは料理の調理法についてスタッフから丁寧な説明があったりします。
これはお祝いの席や有名店の名物料理を目当てに来た人にとっては『有難い』『嬉しい』と感じるものだと思います。

しかし、何か込み入った話をしている最中や友達同士が面白い話で盛り上がっている時であれば、長々としたスタッフの説明は『今必要ないかも』と感じるかもしれません。

このように同じ料理の詳しい説明であったとしても、
前者では嬉しいと思われ
後者では邪魔だと思われる
ことがあります。ではどうしてこのような違いが生まれるのでしょうか?

それは相手のニーズが叶っているかどうかの問題です。
どんな場合でも、相手のニーズがある部分に対してきちんとしたサービスを提供した時に、初めてそこに付加価値が生まれます。

もし私たちが全て一律のマニュアル通りに話をしたとしても、そこに相手のニーズがなければその説明は全て無駄になってしまうということです。

このように付加価値を提供していくためには、何がお客様にとって付く価値があり、何が付加価値でないのかをはっきり見極める必要があります。


多くの人が
『付加価値の提供=相手の期待を上回る何か+αを提供すること』
と考えています。
しかしそれは間違いです。
お客様のニーズを超えた上の部分は、提供しても付加価値にならない。
いわば無駄な部分になります。
意外だと感じる方も多いのではないでしょうか。

しかしこれは重要です。
お客様のニーズを超えた上の部分は全てのお客様が使うわけではない。
つまり求めていないものになります。

では本当の形はどこにあるのかというと
答えは『原価の上に乗った部分からお客様のニーズまでの部分』です
※詳しく図解を確認したい方は手に取ってお確かめください。


付加価値とは商品サービスが元々有している価値できた価値の量ですなので 元々の価値である原価に上乗せされた部分、かつお客様のニーズを叶えた部分に出てくるものになります。


一旦ここまでの内容をまとめます。
この章では『価値と付加価値の関係性』というテーマについて
・価値とは何か
・価値はどこにあるのか

という2つのポイントについて解説しました。


付加価値の構造

では続いて、この章では付加価値の構造というテーマについて
本書から2つのポイントをピックアップして解説していきます。

解説するのは
・顕在ニーズと潜在ニーズ
・付加価値の3つの分類

という2つのポイントです。


では1つ 目のポイント
顕在ニーズと潜在ニーズ
ここからは付加価値の源泉であるニーズについて、
さらに詳しく掘り下げていきます。

実はニーズには顕在ニーズと潜在ニーズという2つがあります。
健在ニーズとは、お客様が頭の中で期待していること
つまり、

お客様自身が欲しているものを自分で明確に意識しているニーズ 

例えば、
・新しいパソコンが欲しい
・牛丼が食べたい
・おしゃれしたい
・旅行に行き たい
などが健在ニーズです。

一方で潜在ニーズとは

自分でははっきりと気づいていないニーズ

これは普段は意識していないけど、他人からの質問や体験をきっかけに『実は欲しかった』『こんなことがしたかった 』と感じるものです。

例えば、『もっと痩せてスリムになりたい』という思いは、自分でも意識している顕在ニーズです。
ではなぜ痩せたいと思っているのか。
痩せることによって『モテるようになりたい』『周囲から褒められたい』『健康になりたい』これらの本人さえ気が付いていない本当の理由に潜在ニーズが隠れています。

実際には顕在ニーズよりも潜在ニーズの方が重要です。
顕在ニーズはわかりやすく企業側もニーズに答える付加価値を作って提供することは容易です。
しかし潜在ニーズはお客さんも気が付いていないので、それを叶えるためにはより深い付加価値を掘り出す必要があります。

原価のすぐ上にあるのは建材ニーズの付加価値です。
そしてその上にお客様も気が付いていない潜在ニーズを叶える。
より深い付加価値の領域があります。

さらにお客様のニーズのラインと、より深い付加価値の間にはまだ誰も叶えたことのない価値が生まれる可能性の領域があります。
この領域を徹底して探り、新たな付加価値を備えた製品を生み出すことが、いわば世界初開発と言われる商品を生み出すということです。


では続いて2つ目のポイント
付加価値の3つの分類
お客様が何に対して感情を動かされて付加価値と認識するのかを理解するためには、付加価値の種類を知っておく必要があります。

付加価値の分類は大きく3つです。

・置換価値
・リスク軽減価値
・感動価値


1つ目
置換価値とは
今より便利に、今と同じ感情を味わえる価値のことです。
今使っている製品やサービスを他の製品やサービスに置き換えることで、より便利にしたい。しかも今と同じ喜び、幸福満足などの感情を味わいたいというニーズを満たす価値です。

例えば、これまでメールで行っていたことをチャットツールなどに変えたら、今より少し便利に同じ感情で使用できるようになる。
といったケースが当てはまります。



続いて2つ目
リスク軽減価値とは
リスク を減らしたいというニーズを満たすための価値です。

例えば、パソコンがウイルスに感染し情報漏洩が起きる
というリスクを軽減したい場合、
セキュリティソフトを購入
などが当てはまります。
不安を解消することが価値となることをいいます。


最後に3つ目
感動価値とは
今より高い位置の感情を味わえる価値です。
感動に対して感じる価値とも言えます。
著者は人が感じる付加価値の最小単位は感動だと考えているようです。

相手の真のニーズを叶えた時に感動が生まれます。
人は自分が感動したことに付加価値を感じお金を払うわけです。
お客様のニーズがどこにあって、何に対して感動するのか。その感動にどのくらいの付加価値を感じているのか。を検索し続ける必要があります。


というわけで著者はこの感動価値にこそ3つの付加価値の中で最も重要だと考えています。
なぜなら時間価値やリスク軽減価値とは異なり、
感動価値はその人がまだ感じたことのない感動がベースになっているからです。その時に感じるのは未知の価値です。
他の2つの価値よりも高価値になります。

そのため、付加価値を作るためには
感動価値に対するニーズを探索する必要があります。

ここまで2章の内容をまとめます。
付加価値の構造というテーマについて
・顕在ニーズと潜在ニーズ
・付加価値の3つの分類
という2つのポイントについて解説ました。



付加価値の作り方

続いて付加価値の作り方というテーマについて
本書から2つのポイントをピックアップして解説していきます。
解説するのは

・ニーズを見つける
・どう役に立つのかを伝える

という2つのポイントです。

ではまず1つ目のポイント
ニーズを見つける
ここまでで潜在 ニーズ、
特に感動価値に対するニーズを探索する必要があるということがわかったかと思います。
ではここから実際にどうしていけばお客様のニーズを理解できるのかを解説していきます。

お客様に最適な意思決定をしてもらうためには
絶対に外せない3つのポイントがあります。
それは
お客様のニーズを
・明確に
・完全に
・認識のズレなく
理解することです


明確にの定義は
お客様のニーズ一つ一つに関して具体的に何か分かっている。
なぜそれが重要か分かっていること
完全にの定義は
お客様の全てのニーズが分かっている
それらの優先順位がわかっていること
認識のズレなくの定義は
お客様がイメージ しているニーズの絵と全く同じを描けること


もう少し詳しく見ていきましょう。
まず明確に

完全に理解するは、
徹底的にヒアリングすることが大切です。
ポイントは具体的にどういうことなのか
なぜそれが重要なのか
そのニーズを生んだお客様の背景状況を把握すること

特に相手が個人顧客であれば、
なぜそれが重要なのかは感情面のニーズを結びつけていることが多いので、そこに注意してヒアリングするのがおすすめです。


そして認識のズレなく理解するについては
この3つの中で特に重要です。
お客様とこちらがイメージしているニーズに少しでもズレがあれば、提供する付加価値の中身にもずれが生じてしまいます。
そうなるとお客様が本当に必要としている高付加価値を作り出すことはできません。


ではどうすれば認識のズレをなくすことができるのでしょうか。

それは実際に現場に行ってお客様と同じ光景を見る。観察する。体験する。ことです。
例えば、初めてのお客様と商談する際は、お客様を取り巻く環境の全体像は見たことがないはずです。そんな中でヒアリングをしたとしても出てくる問題や課題は断片的なものになるでしょう。これではお客様が仕事をしているシーンがイメージできていません。

ぜひ現場に行ってお客様と同じ光景を見て体験してみてください。
そしてお客様がイメージしているニーズの絵と全く同じ絵を描けるようになるまで、ニーズを探索し続けましょう。

もしこれまでのことを実践しこれでお客様のニーズを明確に完全に認識のズレなく理解できたと思えるようになったとします。
しかしそこで安心してはいけません。
なぜならニーズの探求に終わりはないからです。

わかっていると思った瞬間に二流になってしまいます。
もしお客様に対して
『御社の業界のことは大体分かっているんですが』
と言ったり、言わなくても態度に出ていたら
『わかっているならもう提案してくださいよ。私から話すことは何もないです』と言われてしまうでしょう。

その瞬間にニーズをつかむために必要なお客様からの情報提供が止まってしまいます。大事なのはその業界やお客様についてわかっていることもある。しかしまだ分からないこともあるものだから、もっと分かろうとし続ける姿勢です。ニーズを探をし続けることが重要になります。


では続いて2つ目のポイント
どう役に立つのか伝える
ここまではニーズ 探索の重要性を伝えてきましたが、せっかくお客様に合う商品を作ってもそれを買ってもらえなければ意味がありません。

お客様に商品を買ってもらい、使ってもらうためには商品の素晴らしさを知ってもらうための『説明力』『提案力』が必要です。

ここで押さえておくべきポイントが
商品の特徴と利点を分けて考え説明することです。

なぜこれが大事なのかというと、
お客様はその商品の特徴よりも、利点がどう役に立つかを知りたいからです。 特徴と利点の大きな違いは主語にあります。

特徴の主語は『私たち』
利点の主語は『お客様』です。

例えば、スマートフォンを販売する際の説明の場合
『こんな機能を備えたスマートフォンを作りました。安心してご利用いただけます』
になります。お客様が主語になっていないと『へーそうなんですね』で終わってしまい、相手の気持ちを動かすことができません。

利点を語るというのは、顧客の生活や顧客に起こる変化を語ることです。
そしてお客様に利点を伝えるときに重要なキーワードが

『だから何』です。

『だから何』という疑問に対する答え=商品の利点と、お客様に起こる変化を明確に示したものだと覚えておきましょう。
利点を語るときは目の前の相手のニーズを的確につかんだ上で、そこに照準を合わせて語ることが大事です。



まとめ

最後に内容をまとめます。

1.価値と付加価値の関係性
 ・価値とは何か
 ・付加価値はどこにあるのか

という2つのポイントについて解説しました。

2.付加価値の構造
 ・建材ニーズと潜在ニーズ
 ・付加価値の3つの分類
ということでした。

3.付加価値の作り方
 ・ニーズを見つける
 ・どう役に立つかを伝える
ということでした。


今回紹介した本、『付加価値の作り方』について
まだまだ紹介できていない部分が多く、読み応えのあるおすすめの本ですので、まだ読んでない人はこの機会に、是非読んでみてください。
今回の知識が何か少しでもあなたの人生の役に立てれば幸いです。
本の解説と人生の役に立つ知識の紹介をしています
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ではまた次の投稿でお会いしましょう!


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