SSWF(スーパーソニックウェーブフィルタ)

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スーパーソニックウェーブフィルタ(以降 SSWF) は、オリンパスが世界に先駆けて初めて、レンズ交換式デジタルカメラの課題であった撮像素子前に付着するゴミ問題に対して打ち出したダストリダクションシステムの名称だ。

オリンパスは発表当初、この説明に、「超音波防塵フィルター」とい名称を使っている。

オリンパス ニュースリリース: レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「E-1」新発売
https://www.olympus.co.jp/jp/news/2003a/nr030624e1j.html


技術的な詳細はこのあたりの記事がよく纏まっている。

【レポート】オリンパスEシステムの「ダストリダクション」思想
https://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2004/12/15/617.html

SSWFは、オリンパスが開発したものだが、パナソニックと協業で始めたフォーサーズマウント、そしてマイクロフォーサーズマウントでは、パナソニックのカメラにもこの機構が搭載されてきた。

しかしここに来て、異変が起きてる。
2019年9月25日に発売されたパナソニックのフルサイズミラレース一眼カメラ S1H にSSWFが搭載されたのを最後に、m4/3のG100、フルサイズのS5、m4/3のBGH1、そしてm4/3のGH5M2、という順番で、発売されている順に追いかけても、全てがSSWF未搭載となっている。

なんてこった。
デジカメの決定的な課題であるゴミ問題に対して、最高級動画機であるS1Hを最後に、センサーをただブルブルさせるだめの気休め機構になってしまった。

私の購入した GH5M2 は、残念なことに、箱を開けた時点でセンサーにゴミが付着していた。

https://twitter.com/mharuka1/status/1408256476586471424

ゴミが載るのは仕方ないことだ。
たかだか民生のカメラに、半導体製造で使うレベルのクリーンルームを用意しても、一般人か購入出来るような価格に収まらないからだ。

だが、そのゴミが付着する問題を唯一ハイレベルで解決していたのがオリンパスのSSWFだっただけに、本当にパナソニックの判断は悔やまれる。

これがもし、コストダウン目的だったとしたら、パナソニックに未来は無いのではないか、そう思えてしまうレベルである。

いっそのこと、ウソでも良いから別の説明をして、ユーザーを納得させることは必要なのではないだろうか?

もしくは、非常に高額な素子だったため、中級機にはコストダウのために載せないことになったのだとしたら、それを正直にユーザーへ説明する義務があるのではないか。

そうでないと、こういうことになり、私がわめくことになる。

だが、ここでパナソニックは、他のカメラメーカーが実施しているようなブルブルクリーニングを取り入れた。
いやいや、ゴミ取り機能、ちゃんと搭載されてますよ?って言い返せるように、おまじないを掛けた。

具体的には、センサーシフトのVCMを高速で動かし、メカ端にぶつけてたたき落とすような作戦だろう。
物理的に心配する声もあるが、メカ端がちゃんと設計されていれば、利用頻度は少ないので私は問題ないと想像する。

というわけで、ゴミが載っている状態の動画をみていただく。

https://twitter.com/mharuka1/status/1408338061818167301

私が自分を納得させるための唯一の仮説手段はこうだ。

SSWF用のカバーガラスは、実は厳密に見ると反射面が2面増え、繰り返しの振動変形によって平面度が悪化し、光学性能に影響を与える可能性があり、具体的には解像が低下し、反射が増え、重量増に伴ってボディ内手振れ補正の効きが低下するため、手振れ補正駆動用VCM(ボイスコイルモーター)の推力を上げなければならず、駆動コイルに流す電流が増加して発熱の原因にもなることから、ユーザーにはゴミに気を使ってもらって運用してもらうことで、カメラとしての基本性能をより向上させました。(妄想)

とかね。

でもね~。
無理なものは、ムリなんですよ。
部屋でレンズ交換をするのに外した瞬間、別の浮遊ゴミが載っかるわけです。

https://twitter.com/mharuka1/status/1408750120078692352

マウント面を下向きにしてブルブルさせても、全くゴミは落ちません。
その割には、遠くからハンドブロアで一吹きするだけで、フワーッととんでいくようなゴミでした。

つまりブルブルクリーニングは、100%効果がないことを私は悟りました。


ところで、調べているとこんな記事を見つけました。
どうやら全国発明表彰で特別賞を受賞しているようです。

オリンパス ニュースリリース: 「Eシリーズ」に搭載のダストリダクションシステムの発明が、「平成22年度 全国発明表彰」で特別賞を受賞
https://www.olympus.co.jp/jp/news/2010a/nr100618awardj.html

上記記事の中に、受賞を受けた特許番号が記載されていたため、調べて行くと、思わぬこと気付いた。

https://twitter.com/mharuka1/status/1409015161222930438

パナソニックが S1H 発売後、G100を発売したのが2020年8月20日。
なんだかこのタイミングに近いなぁ、というモヤモヤ感を感じます。
PATが切れるタイミングで採用をやめた???

ただ、このPAT (パテント;特許のこと) の請求項を良く見ると、レフレックスカメラに限定したPATなんですね。

このPATを参照されたファミリーPATがあるのか等までは調査していませんが、一眼レフカメラにSSWFを載せることはできるとすると、リコーペンタックスあたりがSSWFを詰んだデジタル一眼レフカメラを発売してくると楽しくなりそうだなぁ、なんて妄想をしてみました。


まとめ
パナソニックはSSWF搭載に戻して!
さもなくば正当な理由の説明を!


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