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パルプアドカレ2022

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パルプで赤い爺さんを撃ち抜け! 今年もやるぜパルプアドカレ。
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#ブロマンスっぽいのをもっと入れたかった

サンタクロース・マスト・ダイ #パルプアドベントカレンダー2022

 酷く理不尽だ、と。荒れ狂う炎を扉一枚隔てた場所で三田幸雄は思う。  人は、数十年の時を生きる。泣いて笑って恋をして。つらい時も、苦しい時も、悲しい時もある。しかしそれも、時が経てばそんなこともあったねと、語り合うことも出来るようになる。  しかし、それも死と共に終わる。幸雄は日本人だ。人は死ねば燃やされ骨に、灰になると、誰に教わらずとも学んでいた。数十年生きるのに対し、死者が灰になるのはたった二時間ぽっちでしかない。数十年が二時間に変換されてしまうのは、余りにも無慈悲だ。