おおいたアーバンクラシック ロードレース
レース情報
距離 150.8km 順位 29位
出場メンバー
トマ・ルバ、山本元喜、新城雄大
ドリュー・モレ、孫崎大樹、宮崎泰史
レースレポート
昨年、ライアンが優勝、ドリューが3位に入り、キナンで連覇がかかったレース。
コースの特性上、前々勝負が有利。
キナンとしても、得意なアグレッシブレース。トマさん、ドリューは各チームのエース格にマークされるので、日本人4人にチャンスがある。
いつも通り、リラックスしながらニュートラルスタート。
が、すぐに大規模な落車が発生する。
一番先頭で起こったうえに、ニュートラルで皆リラックスしていたためか、多くの選手が巻き込まれた。
雄大さんと泰史が巻き込まれ、泰史は問題なかったのか、すぐに再スタートしていった。
雄大さんの自転車は絡まり、雄大さん自身も転がっているのが見えたので、僕は止まって手助けと状況確認。
ひとまず、無事だと言うので、自転車が直り次第、2人で集団復帰。
僕は一番後ろのまま、再スタート。
最初の動きに反応できなかった。
1周目が終わる頃には、前に上がることができたので、抜け出しの動きをチェックする。
すでに、元喜さんと雄大さんが動いてくれており、雄大さんの動きが吸収されたタイミングで僕から仕掛けていく。
人を連れていくように、ヌルヌルと抜け出したこともあり、僕含む4人逃げができる。
こんな序盤で、1発のアタックで決まるとは思ってなかった。
タイム差がどんどん開いていき、逃げと集団の構図ができあがる。
松山のあべたかさん、広島のキンテロ、韓国のジョン・ウホ選手。
あべたかさんがいるだけで、安心感が違う。笑
実は、スタート前に
孫「逃げが決まりやすいし、広島のような、あべたかさんの逃げありますね!」
あべたかさん「ないない、一緒に逃げてくれる?」
みたいな話をしていた。
まさか、本当に一緒に逃げるとは、、、笑
他にも、実績十分のキンテロ選手。
韓国の選手もアジア選9位。
実力者だらけの逃げで、少し気圧される。
が、良いメンバーなので、結構いけるかもと期待する。
本当は、チーム力のある、ヴィクトリア、シマノ、マトリックスからも誰か逃げに乗ってくれた方がいいなと思っていた。
すると、案の定、集団をシマノとマトリックスが引き始めたと情報が入る。
この時、タイム差は2分半近くまで開いていた。
最初は追走の動きでアタック合戦があり、インターバル走状態になっていたみたいだ。
ここまでは想定通り、後はどこまで綺麗にコントロールされるか。
1分半ほどに開いた時から、逃げはペースを少し落とし、再び詰まったタイミングで踏めるようにしていた。
2分を切り、1分30秒前後で推移し始めた時チームカーから、後ろの引いていたアシスト勢が遅れ始めたと聞く。
現状、我々4人の方が強いということ。
やはり、このコースはそこまで集団の力は大きくなく、逃げが有利。
少し逃げきりの可能性を感じ始める。
だが、やっぱりマトリックスかシマノが入っていれば、もっと逃げきりの希望を持てたのだが、、、
次はヴィクトリアやJCL、数チームが1名ずつ出し、引き始めたと情報が入る。
タイム差が広がらず、再び縮小の一途を辿る。
しかし、詰まりかたが5~10秒ほどだった。
「まだ粘れる。」
ラスト3周辺りで1分あれば、逃げきりチャンスがあるな。
逃げの中でも、キンテロ選手が余裕がありそう。
他の2人はいつでも千切ることができそう。
などと、考え始め、逃げきり勝利を意識し始める。
ひとまず、ラスト3周辺りを目安に他3人を利用しながら、ひたすら逃げることだけに専念した。
ラスト5周。
未だタイム差は1分半ほど。
可能性が見えてきた。
だが、思いの外、脚にきはじめていた、、、
他の3人もそんな感じ。
だが、タイム差が縮まってきたので、ここぞと再び踏み直す。
ジョン選手がローテを飛ばすようになる。
気にはなるが、とりあえずできるだけ逃げることがチームのアシストにも繋がるので、気にせず踏んでいく。
第一目標のラスト3周。
タイム差は1分以上ある。
「これはあるぞ、、、」
後ろは、必ずこの辺りからアタック合戦が始まり、インターバル地獄が始まるはず。
そうなれば、ペースを落としさえしなければチャンスが大いにある。
再び逃げのペースアップを狙うためと、ローテを飛ばすジョン選手を切るためアタックする。
キンテロ選手とジョン選手が反応してきて、あべたかさんが千切れてしまった。
3人になるも、他2人が踏めない。
結果、あべたかさんが戻ってきた。
これは、あんまり意味はないなと判断し、アタックはせず4人で逃げ続けることにした。
僕の脚の残り具合的に、1人で抜け出すとしても、ラスト1周だろう。
そこを次の目標にした。
そこまで逃げ続けられていたら、後ろとの差など気にせず、やれるところまで攻める覚悟を決める。
ラスト2周。
キンテロ選手が同じように登りでペースアップ。
さっきと同じようになる。
タイム差が1分を切ってきた。
ずっと30~60秒をいったりきたり。
いつ捕まってもおかしくない。
だが、それだけ集団にはインターバルがかかっている証。
後ろも確実にキツい。
チャンスはまだある。
ラスト1周。
登りの入り口から仕掛ける。
後ろから迫ってきていたこと、ローテのタイミングなどもよかったことが重なり、考える間もなくアタック。
3人を置き去りに、単独でラスト1周に入っていく。
ここからは何も考えずに踏んだ。
実際、踏めていないかもしれないが、メーターも見ず、本当に何も考えずに、ひたすら小さくなって踏み続ける。
下りきった所で、後ろが迫っているのが見えた。
雄大さんが僕を目掛けにアタック。
そのまま住宅街の登りへ入る。
死ぬ気でへばりつく。
8人の抜け出しになり、そこに雄大さんと泰史、僕の3人が入ることができた。
死にかけだったが、最後に何かを、、、
と、ひたすらツキイチで耐え、できることを考える。
後ろが完全に離れておらず、この逃げを確定させるべきと判断し、前に出た所で全ての力を出しきり長めに引いて千切れた。
結果、泰史が5位、雄大さんは7位と勝てなかったが、2人がUCIポイントを獲得。
僕は最後の登りでメイン集団からも遅れてゴール。
勝てなかったが、できることは全部やったし、力は全て出し尽くした。
大分は自分にとっても特別なレース。
最初からアシストのつもりはないし、勝ちたい気持ちは強かった。
もっと強くなり、このレースで勝ちたい。
2日間、本当に熱い応援をたくさんありがとうございました!
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