平均年齢70歳の、男の料理サークルの講師をしています。⑥

最終日のレシピは「ずんだ白玉」。
白玉粉を豆腐でこねて茹でた白玉に、枝豆からちゃんと茹でてすり鉢でする”ずんだ”。

ずんだは仙台の伝統料理。
うちの地域の小学校では3年生から総合の授業で自分たちの住む街について勉強を始めるのですが、その手始めにずんだ白玉を家庭科室で作るというのをやっています。その授業のお手伝いを何年かさせて頂いているのですが、
ずんだは必ずすり鉢で摺ります。
フードプロセッサーを使うとざらざらとして美味しくないんです。
すり鉢で丁寧につぶして作るずんだは色も香りも食感も最高。
手間をかけて作ることこそ学びだと思うのです。

小学生相手には偉そうに語る私ですが、
おじさまたちはどう思うだろう?
また面倒なことをやらされると思うかなあ〜。

と、思いきや。

いままで包丁の扱いひとつにもてこずっていたおじさま達が、
ここで違う様子に!
すり鉢のすりかたがみなさま上手!
すりこぎの持ち方から教えるつもりでいたのに、何も言わずともクルクルと上手にすりこぎを回している!

そう、おじさまたちは小さい頃から手伝わされていた世代なんですよね。
特にすり鉢なんかは大きいのがどこの家にもあって、子供は手伝わされていた。
胡麻和えやずんだをすり鉢で摺って作るなんて日常茶飯事だったはず。
だから正直私よりずっと上手。。
そして昔を懐かしみながらとても楽しそうにやっているのです。

「ばあちゃんからやらされてたっけなー」
「すり鉢重くてひっくり返りそうになるんだよな」

一体何十年前の話なんだろう。
人間ってすごい!といつも思いますが、匂いや味に触れた瞬間奥底に眠っていた記憶が一気に蘇る時があります。
家庭料理というのはそういう力がとても強いと思います。これから大人になって父や母になっていく子供たちにもこの瞬間を味わって欲しいし、
このおじさま達には料理をして食べることで記憶を呼び醒ましこの後の人生を豊かな気持ちで過ごして頂きたい。
この笑顔この瞬間に立ち会えて、自分にとっても良かったな、と思いました。

出来上がったずんだは見るからに美味しそうでした。


豆腐白玉

材料(2人分) 豆腐160g、白玉粉100g、

【ずんだ】枝豆250g(さやつきで)、砂糖30g(加減する)、塩ひとつまみ


作り方

1、ずんだを作る。枝豆は洗って水とともに鍋に入れ、沸騰後15分位、枝豆がしっかり柔らかくなるまで茹でる。
2、枝豆をさやから取り出し、水を張ったボウルに入れて両手で擦り合わせながら皮を剥く。上に浮いた薄皮を捨てて水を入れ替え、数回繰り返して薄皮を除く。
3、水を切ってすり鉢に入れてすりつぶす。砂糖と塩を加える。
4、白玉粉をボウルに入れ、豆腐を加え、手で豆腐をつぶしながらなめらかになるまでよく捏ねる。
5、 耳たぶくらいの固さになったら(固ければ豆腐を足す)小さく丸く丸めてつぶす。
6、 お湯を沢山沸かし、ボウルに冷たい水を張って置いておく。2を入れて茹で、浮き上がって1分ほどたったら穴じゃくしですくって水の入ったボウルに移す。
7、6の白玉の水気を切って器に盛り、ずんだをのせていただく。




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