COILの一番好きな曲

買い物行って適当に夕飯を作って食べ、わりといつも通りな日曜の夜が終わっていく。
そのいつもの間に、例えばニラを切りながら渋谷のBYGに想いを馳せている今日は2018年10月21日。COILがデビューしてから今日で20年。
先日、BYGから「完売しました」とかそんなメールが返ってきたからニラ玉作ってた。

この前、「COILで一番好きな曲は?」と聞かれた時に「秘密の金魚かな…」と答えたけど、ちょっとしっくり来てなくて。
盛り沢山にいい曲は他にあるのだけれど、本当にどうしても好きな曲はこっちだったな、と思います。
さんざんCOILが好きだと言って、最近はライブもしょっちゅう行っているのに実はちょうど20年前のこのデビュー曲が一番好き。今までの人生の中ででも、かも。

この曲を構成する一音一音、歌詞の一語一語が好きで好きで。
イントロのわずかに走り気味のベースも、少しずつ迫っていつの間にか消えているテッレレーって感じのフレーズも、少しくぐもった味のある音の鳴り方、岡本定義の甘いのにどこか歪な歌い方、ピアノの音、ガヤのSE、「君を愛している」の前後の三点リーダー、天才ヴァガボンドなんてふざけたタイトル、おしゃれでもないアニメのPV…どこが好きかなんて上げたらまだまだキリがない。
何千回と聞いていると思うのに未だにちょっとドキドキして胸が締め付けられてしまう。
タイトルが”天才”ヴァガボンドで歌詞に「危ういピッチがこの上なく切なくていいのだ」とあるのは既にどこかCOILを表しているな、なんて思ったり。

私がこの曲をちゃんと聞いたのは2008年、東横線沿いにある塾(電車に乗っていると綱島のコヤマドライビングスクールが見える)に向かっている途中か高校への通学路のどこかで、その時は「変だけどいい曲だなー」と思っていた。
当時少しずつ聞き始めたロックバンドの音楽と比べて地味である意味全然かっこよくなくて、当時はまだ10年前の曲なのにそれよりももっと懐かしいような古い感じがして、その上ふざけたタイトルなのに何故か心を惹かれてしまう。
それが不思議でしょうがなかった。
でもそれは、一時のカッコよさではない、普遍的に良いもので作られた音楽な気がしていて10年後も20年後もこの曲を聴いて、いい曲だ。と思っているのかもしれないと感じていて。そのことは今のところ間違っていないみたいです。
当時の不思議さはほんの少しだけ解けたけど、まだまだわからない。一生なんでこんなにいい曲なんだろう?とずっと楽しめる気がしている。

20年前にCOILがデビューしてくれて本当に良かった。
COILの音楽を聴かなかった自分が想像できないくらい大好きな音楽を作ってくれているのに、もしデビューしていなかったら実家の隣の隣の町の知らないオジサンたちだったと考えると最早恐怖すら感じる。
多分、他にも今ほど音楽は聴いていなかった気がする。
20周年おめでとうございます。COILも、今はCOILじゃない人も。
これからも素敵な音楽を楽しみにしています。(最後はラブレターになってしまった。)



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