安定した品質の模索

研修後 アレコレ鋸を触ってるうちに、私の技量が明らかに他の職人より上回ったが、私一人で仕事をしているわけではないので 平均とすれば 時々いい鋸がある程度。
全体の品質を上げなければ、クレームの嵐は収まりそうにない 技術は私が指導した所で 先輩職人は長年やってきた自負もあるだろうし 間違ってないと思ってるみたいだし。

それでも指導はしてみたけど やっぱり無理みたいで その時は「判った判った」と言うけど、何も変わってない現実。
では機械的に改良するしかないと 目立て機の調整を行う事にしたが ノウハウが全くない。
教科書を頼りに 歯型を変えてしばらく様子を見ての繰り返し 

次に書くのは失敗例ですが 結果が出るのはしばらく後 再び元に戻したりで時間が掛かる。

すくい角27度だったのを28度に あまり変化なし 思い切って30度に。
これが素晴らしい切れ味で満足したのですが、耐久性がかなり低下 小石程度でもかなりの歯のカケが発生したり 交換サイクルも一日1本多くなった。

結局元に戻したつもりだったのですが ハンドルマンから 「鋸の交換時に鋸が熱い」と言われ その原因となる意味が判らず放置 使えば熱が発生するのだから仕方ない。みたいな感じで半年が過ぎ ある冬の日 製材中の帯のこを見ると 大量の水蒸気がモクモクと上がっているのが見えた。
(これが 随分後に改良するヒントとなった)

こんな感じかな ここまでで一年半が過ぎている 目先の仕事に追われ 明確な答えも見いだせず
とにかく 技量に左右されない安定した切れ味、品質を模索するしかなかった。

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