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フォンタナありがとう1
1.フォンタナという人
ユリアン・フォンタナという人物をご存知だろうか。ショパンについてある程度の知識を持った人ならば、名前に聞き覚えがあるだろう。そんな彼はショパンの友人であるが、ただの友人ではない。彼はショパンの遺作出版に関して重要な人物なのである。
今回からのシリーズでは、ショパンの遺作を通して、フォンタナに「ありがとう」を伝えていきたい。そして知名度の向上とあわよくば資料の増加を期待し
交遊録 フォンタナ編
ショパンと同じくエルスネルの門下生であったユリアン・フォンタナは、ショパンを仕事面から支えた友人である。
本稿では、ショパンと、ポーランド時代からパリに至るまで交友を持ったフォンタナとの関係に見ていきたい。以下ではまず、学生時代、次にパリでの関係、最後にフォンタナの胸中に思いを馳せたい。
1. 学生時代 ショパンとフォンタナの関係は、同じ高等学校に入学したところから始まる。学生時代の彼らの様