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湖畔をぶらぶら散歩して、もくもく制作する前に

先月ようやく一度目の、卒業研究にまつわる活動を行うことができました。

湖に訪れ、ぶらぶらとお散歩をしながら、写真をとったり、ノートに絵や文字をかき込んだりしたのちに、短歌とモビールづくりを行いました。
「ちょっと待った。卒業研究、一体何するの?」と思った人がいると思うので、一旦、研究について手短に概要を説明します。

0.はじめに

一言で言うと、わたしは短歌を取り入れて、デザインの可能性探索を行います。

きっかけはプレゼミでの活動で昆布の加工食品のパッケージをつくった際、いまいち表層的なデザインから、伝えたいことを伝えられずにもやもやしたことがあったり、毎朝アパートの隣人が奏でる鼻歌が洗面所にいると聴こえてきて、ついついその出来事を私のできる表現で記憶を残してみたくなっちゃったりと、短歌を読むことが好きだからこそ、その表現方法で何かを表してみたいと言う欲望を密かに持っていました。そのため、短歌で何かしてみようという機会として卒業研究を選びました。

では、「短歌」に感じている可能性とはどんなことか。
それは、短歌の余白を含んだ言語表現という性質がデザインアプローチにおける、表層にデザインされたものからそのものの先にある(景色や人、匂いや音、色など)デザインの向こう側を読み取る手がかりとなりうるのではないかということです。デザインは、大抵の場合コンセプトを立てて、制作プロセスを実行します。そのため、コンセプトはうまく作用しなかった場合、一義的な意味を全員で共有しただけになり、個々人が抱える情感はプロセスを踏む中で忘れ去られ、排除されてしまいます。だから、コンセプトを用いずに短歌を使用してみるとどうなるのだろう?という研究をしてみます。
短歌の存在によって、余白が生まれ、つくり手は自分の生活を切り離さないものづくりを行うことができるのではないかと考えています。

そこで、今回のものづくりプロセスでは、このようなプロセスを踏むことを想定しました。

<プロセスの手順>

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・日常から想起して抽出する
はじめのフェーズでは生活する空間の中から心が揺れる瞬間や出来事を拾い集める活動をします。その活動として今回は、吟行をお手本にして複数人でぶらぶらとお話ししながら散歩をして短歌を詠むための素材をノートにメモしたり写真に撮って記録する活動をします。

・短歌をつくる
吟行を行なったのち、ノートや写真を見返しながら言葉を組み立てて、短歌を制作します。

・短歌を囲んで言葉を交わす
つくった短歌を披露し合います。ここで他者の短歌から想起することや自分の制作したものから伝えたかったことなど様々な解釈の仕方で自由に対話をします。

・短歌からかたちを抽出する
つくった短歌とお話の内容を踏まえて、モビールに落とし込む際にどのような形を連想するのか、スケッチブックにラフを描きます。

・モビールをつくる
スケッチブックのラフをもとにモビールの制作を行います。

・モビールを飾る
完成したモビールを見せ合い、どうしてこのかたちになったのか、短歌の時と同じように自由に想起した事柄について対話を行います。

以上のプロセスを踏むことを想定して、この活動を行うために、洞爺湖を訪れました。この研究の中で、見失いたくないポイントはデザインにどう役立つのか、そしてそれが誰にとって役立つのか、短歌によって現場はどう変わっていくかなどありますが、まずはやってみる、動いてみます。

はじめて訪れた洞爺湖では思うようにはいきませんでしたが、活動の記録としてこの後に書いていきたいと思います。

と、思っていたのですが・・・・
想像以上に長々とはじめにの部分を書いてしまい、このまま書くと読みにくいかつ自分でも読み返さない投稿になりかねないと感じたので、一旦ここで区切ります。次は本当に湖畔をぶらぶら散歩して、もくもく制作した記録を書きたいと思います。では!

つづく


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