電子帳簿保存法に対応して業務効率化を実現~経理チームに実際の運用を聞いてきました!
マネーフォワード クラウド経費、マネーフォワード クラウド債務支払でカスタマーサポートを担当している中山です。
私たちのサービスを好きになっていただけるよう、便利機能や運用方法などをご紹介していきます!
2022年1月、電子帳簿保存法が改正されました。
2022年1月の電子帳簿保存法改正に伴い、タイムスタンプの要件緩和や電子取引データ保存の義務化など、様々な変更がありました。
経理担当の皆さんは、社内のペーパーレス化を進めるチャンスというのは理解できても、社内の運用をどうすればいいのか、何から手をつければいいかわからないと悩まれたかと思います。
そんな経理担当者の皆さんのために、マネーフォワードでの経費精算と債務支払の運用について、当社の経理チームにインタビューしてみました。
今回はその内容をご紹介します!
※マネーフォワード クラウドは各サービスごとに電子帳簿保存法に対応しています。今回はクラウド経費・クラウド債務支払についてご紹介します。
※各サービスごとの電子帳簿保存法への対応はこちら
-電子帳簿保存法改正前の運用について教えてください。
マネーフォワードの電子帳簿保存法への対応は比較的早く、2017年ごろから運用を開始していました。
法改正前は、クラウド経費・クラウド債務支払共に、原本をスキャンした画像を添付して申請を行い、申請者が経理チームに証憑の原本を提出するルールでした。
経理チームでは、申請の内容と提出された証憑の原本を突合し、さらにクラウド経費・クラウド債務支払の電子帳簿保存法の機能を使用して、解像度要件を確認していました。
※クラウド経費・クラウド債務支払で電子帳簿保存法の機能を有効にすると、添付した画像の上部に解像度の判定が表示されます。(詳細はこちら)
解像度がNGの場合は、経理チームが、提出された原本を再スキャンして画像の再添付を行う必要がありました。
これが負荷の高い業務でした。
さらに、確実に提出されていることを担保するため、経理チームは証憑の原本が届いてから確認の作業にとりかかるというルールにしていました。
原本がなかなか届かず業務のスタートが遅れてしまい、経理の締め作業がギリギリになってしまうこともありました。
業務負担削減のため、2020年頃からマネーフォワードで展開しているBPOサービスを、自社でも利用開始しました。
証憑の突合や、画像の解像度要件の確認をしてもらっています。
※マネーフォワードのBPOサービスについてはこちらをご参照ください。
以前から業務効率化は検討していたものの、改正前は要件が厳しく、証憑へ手書きでの署名や、相互牽制や定期検査(内部監査)が義務化されていたため、定期的に書類に偽造がないかなどのサンプルチェックを行う必要がありました。
また、申請者にとっては、電子帳簿保存法の内容は一般的に馴染みがなく、なぜ手間をかけて原本の提出をしなければならないのか理解が難しい部分だと思います。
そのような状態で、申請者に原本提出などの負担をかけてしまうことも辛いなと思っていました。
特に地方の拠点の従業員にとっては、本社の経理チームに定期的に原本を郵送することは物理的な負荷が高かったと思います。
-電子帳簿保存法改正後の運用について教えてください。
法改正後、スキャナ保存において、税務署の事前承認や、相互牽制、定期検査などが不要になりました。
運用の中での最も大きな変更点は、紙で受け取った証憑の原本を提出不要にしたことです。
現在は、クラウド経費・クラウド債務支払での申請後、申請者自身に原本を2ヶ月間保管してもらう運用にしています。
2ヶ月の間に、経理チームで申請内容の確認を行い、解像度の要件がNGの場合は申請者に再スキャンを依頼しています。
解像度の要件は、まずクラウド経費・クラウド債務支払の画面上で、画像上部の判定をチェックします。
その後、「書類一覧」画面にて、CSVダウンロードを行ってチェックをしています。
※「書類一覧」画面のガイドはこちら
※「書類一覧」画面は電子帳簿保存法の機能を有効にしている場合にのみ利用できます。
要件の緩和により相互牽制や定期検査は不要となりましたが、内部統制上、定期的なサンプルチェックを行う予定です。
サンプルの対象となった場合は、申請者に原本を提出してもらい、偽造などがないか確認します。
※「領収書の受領区分」機能リリースにより、上記の運用を以下に変更いたしました。(2022年8月)
現在は、クラウド経費の「領収書の受領区分」機能により、解像度や諧調が申請時にチェックされ、NGと判定された場合は申請不可となるので、経理承認後、破棄可能となります。
※「領収書の受領区分」機能は、「紙で受領した領収書」を選択した場合、添付した領収書の解像度や階調がチェックできる機能です。(詳細はこちら)
※「領収書の受領区分」機能は電子帳簿保存法の機能を有効にしている場合にのみ利用できます。
※クラウド債務支払は「請求書の受領区分」として同様の機能があります。(詳細はこちら)
また、電子取引の場合は、スキャナ保存とは違い解像度要件がありません。
そのため、「スキャナ保存の要件」とは少し離れますが、そもそもの申請を電子取引の割合を増やしていく取り組みを積極的に行っています。
具体的には、申請者に、電子取引での申請や、取引先からもらう請求書を電子データにしてもらうようお願いしたりなど、地道なものです。
マネーフォワードでは、コーポレートカードなども活用し、連携サービスから取得した明細での経費精算を推奨しています。
コーポレートカードについては「マネーフォワードPay for Business」の利用も推奨しました。
利用履歴をリアルタイムで取得できるため、申請者の負荷を減らすことができます。
※「マネーフォワードPay for Business」についてはこちらをご参照ください。
これら取り組みもあり、マネーフォワードでは全体の7〜8割が電子取引となっています。
-改めて、クラウド経費・クラウド債務支払の便利だなと思うところはどこですか?
上記の通り、解像度のチェックや、紙の書類をスキャンし、電子化する手間を減らすためにも、電子帳簿保存法の対応で優先すべきは、電子取引の割合を増やしていくことかと思います。
クレジットカードなどを連携することで明細を取得でき、それらは電子取引として扱うことができます。
クラウド経費の強みは連携サービスの種類の多さです。
その強みによって社内の運用において電子取引の割合を増やしやすいと思います。
クラウド債務支払においても、昨年リリースされた「請求書自動取込機能」で取得した書類は電子取引に当たります。
これらを活用することで電子取引の比率をさらに高めていきたいと思っています。
※クラウド経費の「連携サービス」のガイド
※クラウド債務支払の「請求書自動取込機能」のガイド
※電子取引についてはこちら
-法改正後の運用を始めてみて、どんな感想を持っていますか?
証憑の原本を提出不要にしたことにより、申請者の物理的コストを減らすことができて嬉しいです。
原本提出不要の運用を社内で共有した際は、経理本部として最も多くの「ありがとう」と「神」というリアクションをいただきました!
「電子帳簿保存法の対応どうしようかな」と迷われている皆さまにも、この体験をしてもらいたいです。
経理チームとしても、原本提出を待つ必要がないため、業務スピードを上げることができました。
法改正があり、なんとなく「対応しなきゃ」という重い気持ちにもなりがちですが、ペーパーレス化も推し進められるいい機会だと思います。
電子帳簿保存法対応お役立ちリンク
まとめ
二転三転した2022年1月の電子帳簿保存法改正によって、対応を悩まれた方も多かったことと思います。
マネーフォワードの実際の運用をご参照のうえ、クラウド経費・クラウド債務支払をさらにご活用いただければ幸いです。
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今後ともマネーフォワード クラウドをよろしくお願いいたします。
次回もお楽しみに!