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one shot -EMINEM lose yourself

JR名古屋駅から北方向へ5分ほど歩いた先に、ブルジュ・アル・アラブみたいな形したカッコいいビルディング、名古屋ルーセントタワーがあります。このビルはルーセントアベニューという専用の地下通路で地下鉄名古屋駅とつながっています。

地下鉄名古屋駅と少し離れた場所にあるただのオフィスビルが専用の地下通路でつながってるって凄くないですか。ぼくはここ1度しか歩いたことないのですが、開業当時すでに閑散としてました。てゆうか誰も歩いてなかったです。開業してまもないからかな。今は賑わってるのかな。いや、行き先はただのオフィスビルだもんな。賑わうわけないよな。

十数年前、ぼくは刈谷市の超大手自動車部品メーカーで派遣社員として勤務していました。当時、たぶんリーマンショックとかの影響で派遣切りとかバンバンあって周りの知り合いも契約更新できないからって田舎に帰っちゃうってそんな時代。

自分の足元もヤベェなと思い始めた20代半ば、一念発起して転職活動を開始しました。その時応募した企業が開業直後の名古屋ルーセントタワーに入っていたんです。

面接当日、マピオンで調べた地図を印刷してJR武豊線で名古屋駅へ。印刷した地図を片手に名古屋ルーセントタワーを目指します。が、地下街からルーセントアベニューに入ったら一本道なので地図はいらなかったみたい。

電車に乗った時からぼくは既に心臓バクバク、ガッチガチに緊張してました。心を落ち着けるには大好きな音楽を聴くのが一番です。1インチのハードディスクを積んだウォークマンにSHUREのE2Cを突っ込んで音楽に没入します。

1インチのハードディスクとかE2Cとか懐かしすぎますね。どうでもいいけど。いや、この話ぜんぶどうでもいいんだけど。

で、少々迷いながらも名古屋の地下街からルーセントアベニューに入ったその瞬間、E2Cから流れてきたのがEMINEMの「lose yourself」。

今まさに人生を賭けた挑戦をしようとしている自分に、これほど相応しい曲がありますか。

ウォークマンのランダム再生goodjob。

ルーセントアベニューの薄暗い地下通路ってゆうロケーションがいっそう気分を高揚させます。

もうなんか「やるしかねぇ」みたいな気分になりますよね。面接なんて長くて30分くらい。その間に自分を最大限売り込む。全てをアピールしないといけない。失敗は許されない。そんな余裕はない。新卒じゃねぇんだから。派遣社員でダラダラやってたわけじゃない。やるべきことはやってきたし、勉強もしてきた。経験も積んだ。苦手な研究発表やプレゼンも周りの人たちに助けられながらなんとかこなしてきた。

今日、その全てをここで見せつけてやる。

この曲のイントロを聴いたら徐々に目つきが変わっていきました。サビが流れる頃にはなんでもできる気がしてきて、これから行く企業で自分がバリバリ働いてるビジョンが頭の中をグルグル駆け回って、ここで自分は成功するって確信しました。

音楽ってすごいです。

間違いなく私の勝負曲は

EMINEMの「lose yourself」

です。



#私の勝負曲

#面接の結果は不採用

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