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幸せな結末も、悲しい結末も、やり残したこともない。あるのは、その人がどういう人だったかということだけです。

好きなドラマは何かと聞かれると、坂本裕二さんの作品を答える。
坂本さんの書く会話劇がたまらなく好き。

中でも最近2回目を見たのが『大豆田とわ子と三人の元夫』というドラマ。

とにかく面白い。感想が薄っぺらくなるくらい面白くて好き。

何度も「なるほどな」とか「その感情わかる」という気持にさせられる。

たくさんお気に入りのシーンがある中で特にお気に入りなのが、
主人公のとわ子が亡くなった親友のことについて話すシーン。

かごめ (主人公の親友) は幸せだったのか、自分にできることはなかったのか。

後悔や悲しみを語るとわ子 (主人公) に、小鳥 (いい感じになってる男性)が静かに話を聴いて寄り添ってくれるシーン。
たくさん涙涙なシーンがあるのだけど、個人的にここは特にやばかった。

タイトルは小鳥がとわ子に言った台詞。
下の引用はその台詞に続けて小鳥が話した内容。

人生って、小説や映画じゃない。幸せな結末も、悲しい結末も、やり残したこともない。

あるのは、その人がどういう人だったかということだけです。

だから、人生にはふたつルールがある。

亡くなった人を、不幸だと思ってはならない。生きている人は、幸せを目指さなければならない。

人は時々寂しくなるけど、人生を楽しめる。楽しんでいいに決まっている。

第7話 小鳥 遊

このシーンは本当は複雑な気持ちになる。

ハッとさせられるのと、ぐっと心臓を握られる感じと、悲しいのと、
あと救われる。

誰も亡くなった人の気持ちなんて分からないのに、
勝手にかわいそうとか言う。

かわいそうなんて言うなよとも思うし、
けどそう思っているのは自分自身で、、、

とにかく自分と重ねてしまった。

だから忘れないように覚えておこうと思う。
どんな人だったか、その人とどんな思い出があったのか。
何が好きで、何を楽しんでたのか。
できるだけ素敵な思い出を思い出しておきたい。
それさえできてたら、その人は私が死ぬまで生き続けることができる。
そんなふうにちよっと思える作品。

年々その人の記憶は薄くなってしまって、
いつか本当に思い出せなくなるんじゃないかって少し怖いけど、
今は、今思い浮かぶその人との思い出に浸っていたい。



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