ドイツ歌曲の話 詩人の恋 Dichterliebe #17 夏の朝
自分の演奏貼り付けてみた。えへ。
ロ長調、八分の六拍子
Ziemlich langsam かなり遅く
八分の六はこのチクルスで初めて出てきます。
かなり遅く、ということは、遅いんじゃないですよね。
レッスンなんかでziemlich gut! なんて言われても、手放しで喜んだらアカンやつ。
前の曲は変ホ長調でジャーンジャジャーン!と終わって、その第三音のGを半音下げ、ドイツの六の和音から始まる、驚きの始まり方。前の曲もこの曲も次の曲も幸い原調で歌うので、その関係を壊さずに済む。
ソードードドーミードーシーラー(移動ド読みね)と、民謡調のシンプルなメロディで始まる。調が変わってドキッとすることはあっても、基本的にこのシンプルさは最後まで失われない、
「花がささやきかけてくる」
で一瞬嬰ヘ長調?不思議な世界に行きそうになるけど、聞こえないふりしてまた変ロ長調になんとか戻る。
この曲の白眉は、最後の花達のセリフ
「私たちのおねえさんを悪く言わないで」ロ長調からト長調への転調。お花さんが話してる。
実写とアニメの合成ドラマってあるじゃないですか。ディズニーのメリー・ポピンズとか。ああいうの想像してしまいます。アニメ描写された、顔があるお花さん達が、主人公(実写)に話しかけるの。
お花さんたちの言葉は詩人の心の声に違いない。彼女を悪く言っても仕方ないじゃないか。はじめは無視してみたけど、やはりそうなんだよ....
そしてこれも長い後奏。このメロディは最後、終曲の後奏にも使われる、キーワードならぬ、キーメロディ。
終曲が、この曲の後奏を使っているのか、この曲が終曲を暗示しているのか、さあ、どっち。
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