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Over drive

幼い頃から野球が嫌いだった。
理由はないが、
サッカー←わかる    
バスケ←うんうん
野球←…!?www
という具合だった。
サッカーならできたのに、野球においては、球場の尻がしゅう曲してしまうような硬いシートに2時間3時間も座ってられるか〜☝💦といった感じで、それの半分もできなんだった。

テレビで見るのも自分でするのも同様、他のスポーツには厚く関心があったが、野球だけはどうも、甲殻類ぐらい好きになれなかった。(喩えの個人差えぐいwwwちなみに甲殻類は虫全般ぐらい嫌いです)

家族、友だち、好きピに野球に誘われても、「行く行く…って!wwwおいwwwいや、行くか〜☝💦」と、毎回丁寧に断っていた(信じられないと思うが、毎回これを一言一句違わず遂行していた。)

高校に入って、野球部の応援なるものがあった。
一方は予定のない生徒が集まって各自で行う自主応援というもので、もう一方は、なんと土日に行われて、しかも月曜日が振替休日になる全校応援というものだった。
いや、神すぎwww
神 杉晋作www
神 杉原千畝www
神 鳥忍www
それは違うかwwwww
野球は嫌いだが、友だちのこととなると一肌も二肌も脱げる(いや、骨だけになっちゃうよ!)スゴ早にとってそれは眉唾なものだった。

(これは野球嫌いを克服できるチャンスなのでは!?)

そう思ったのも束の間、高校1年のすごい速さ(仮名)は半面使うでお馴染みバレー部で行けなかった。
1年生ながらに雨上がりの球場に虹よりも綺麗で高いアーチをかける友人Y(仮名)の姿を見ることは叶わなかった。
しかも、自主応援に行った友達から、帰りに自分の家の最寄りの駅の商業施設でクラスの男女6人で飯食ってる写真を送られてきて、

…キッ………グッ………クッ………アッ………😬←過去これ

となった。

結果として我が校野球部はその次の平日の試合で負けてしまい、僕が応援に行くことはできなかった。
ぐぬぬとなっていると、季節が4回も変わっていた(早すぎwww)

2年生になると、我が校の歴史にも残るほど強い代であったこともあり、全校応援が2回もあった。
1回目は、春のセンバツで我が都道府県の代表にも選ばれたレベチのチーム。

(無理でヤンス…勝てっこないでヤンスよ…🥹)

わざわざ、自分の家から目と鼻な先にあるM球場(仮名)ではなく、怪我した足で親の車に乗って710113513秒(1時間ぐらい?)かかるO球場(仮名)に行くなんて…
しかも、炎天下の中コールド負けを見に。

そう思っていたが、その日の1番最初の打席で、1球目で、1番の打者が、その日の曇天を晴らすような特大ホームランを放ったのだ。
そこから我が高は7回までで10-0でリードを進めた。

(このまま行けば勝てるでヤンス…!みんな、がんばるでヤンス…!)

我がヤンス高校の生徒の意思は1本の糸で繋がっていた。

しかし、一筋縄で行く相手でもなく、相手はこのまま行けばコールドというところで5点をもぎとり、結局10-7というところまで迫ったのだった。

少なからず自分の歌った応援が自分のトモダチを激励したのかもしれないと思って、ありえない話だが、未だに成功体験として自分の脳裏に焼き付けられている。

事細かに、克明に一つ一つのことを書いていきたいが、その日に歌ったover driveのことをよく覚えている。

風の強い、うだつのあがらない、そんな日に、「走る雲の影を飛び越えるわ 夏の匂い追いかけて」という歌詞は、今聞いてもあのホームランを思い出させる。

それを打ったのは1個上の面識もない先輩だったし、彼の顔も体躯もちゃんとは思い出せないが、
その時の熱狂は色を塗って形をなぞれるぐらいに、鮮明に覚えている。

結局、2回目の全校応援は2-1でド田舎でノーマークのツナマヨ高校(仮名)に負けてしまった。
その試合の後の最後のミーティングは、自分を、野球を少しでも好きにさせるものだった。
後に、ツナマヨ高校はうちの地区の決勝まで進むようなチームであったことが判明し、マジで折角うちに勝ったんだし優勝してくれてたらもっと野球すきになってたのになって思う。

3年生になってもう一度あの景色を見たくて、自主応援に行った。3年生だから、友だちがめちゃくちゃ出ていて嬉しかったし、ベンチで一緒に応援している野球部員もいて少し切なくなった。
1回目は昼からだったので行けたし、ホームランは無かったがボロ勝ちだった。
2回目はめちゃくちゃアサイチで、どうせ勝ってくれるやろ!と思っていたから寝過ごしたが、結果は8回コールド。
僕らに勝ったオチンピック高校(仮名)は先日、甲子園への切符を手に入れた。
もうあの景色を見れないと思うと少し寂しい。
しかし、僕は野球に対して寂しいという感情を覚えることができるようになった。

ありがとう!野獣先輩!(仮名)

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