今年度も続くか? 都立日比谷の復活劇
コロナ禍での今年度入試
注目は日比谷をはじめとする都立高校の復活が今年も続くのか?という点。
この話は1967年(昭和42年)に導入された<学校群制度>に遡る。
これは当時の東京都教育長が過熱していた受験戦争の緩和策として打ち出した政策であるが一部では<日比谷潰し>とも言われた。
当時、毎年150名前後の東大合格者を輩出し<日本一の合格実績>を誇っていた日比谷高校に対して
「富士山よりも八ヶ岳を」を目標に
東京都内をいくつかの学区に分け、さらに学区内の高校が<学校群>という
2or3校ずつのグループに分けられた。
受験生は自分が居住する学区の学校しか受験できなくなり、かつ<学校群>
を受験するため、合格してもどの学校に振り分けられるかわからないということになったわけです。
結果<学校群制度>が導入された数年後から日比谷高校の東大合格者数は
急激に減少し続け、ついには一桁にまで落ちることになる。
この結果<私立御三家>に代表される中高6か年教育の私立進学校が人気を集めることになっていく。
<学校群制度>は日比谷高校のみならず西・戸山・小石川・新宿・上野・両国など名門校と呼ばれた都立高校の進学実績の低下を招く結果となり
<富士山>はなくなったが目的の<八ヶ岳>が非常に標高の低いアルプス群になってしまったのである。
この都立高校の長期低落傾向に何とか歯止めをかけようと
1982年(昭和57年)には学校群が廃止となり
2003年(平成15年)には学区制も廃止され
都内のどこからでも自分の希望する高校を受験できる現行の制度に戻った。
それと共に日比谷高校の東大合格者数は復調し始め
2020年度は40名で全国13位までとなり<都立高校の復権>といわれている。
近年では首都圏で高校入試最難関といわれる開成高校に合格しても入学せず
都立日比谷高校に進学する生徒も珍しくなく、その影響か数年前には
開成高校が追加合格者を出すという珍事も起きたとの話もあります。
往年の数字にはまだまだ遠いですが
この「日比谷高校の復活劇」が果たしていつまで・どこまで続くのか?
興味深く注目して行きたいものです。
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