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対岸の彼女  角田光代


ついこの間フラッと本屋に行った際、購入した小説です。
まだ読んでいる途中ですが、自分なりにこの小説の装丁画を描いてみました。

装丁画とは。
つまり小説の表紙ですね。
これはかなり重要な役割を果たしていると思います。
現にCDや小説を中身を見ずに表紙に惹かれて買った事が何度もあります。

今回は表紙の絵と角田光代さんに惹かれて「対岸の彼女」を購入しました。
私の中で角田光代さんの作品といえば「八日目の蝉」です。
タイトルからインパクトを感じた事を覚えています。
7日間しか生きられないと言われている蝉の来るはずのない8日目。
それは息絶えようとしながらも嗄れながら鳴く蝉か、それともただの逝った蝉の夢か。
タイトルだけでそんな事を考えていました。

本の内容は、母と娘の逃亡期間を描いた作品でした。
ネタバレになるのでなるべく伏せますが、最後のシーンで号泣しました。
序盤に母は罪を犯しますが、なんとなく気持ちが分かる気がします。
許される事ではありませんが、それはとても深い愛だとも感じました。
産みの親、育ての親。生物学的には大きな違いがあるかも知れませんが、愛情という精神面ではどちらも変わらず深いものがあるのではないでしょうか。

そういった内容の小説につけたタイトルが「八日目の蝉」
言葉のセンスには脱帽しました。
娘と幸せに暮らしていく未来は母にとって、生きて八日目を迎えたいと願う蝉の夢と同じくらい、実現するはずのない切ない物だと表現したかったのかもしれません。

今回読ませて頂いている「対岸の彼女」もまた女性にフォーカスした内容となっています。
もし、フラッと見かけたら手に取って読んでみてください。
一見、本の内容に対してタイトルと表紙の絵がマッチしていないんじゃないかと思う作品も作者の意図を感じながら読んでみると、自分なりの解釈でその小説の新しい顔が見えるかもしれませんね。

そんな事を考えながら絵を描きました。
対岸の彼女を読んだ人の中に、今回の絵がもし表紙だった場合
小説にはどんな新しい顔があるのか、なんて頭の隅でも考えてもらえると嬉しいです。

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