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水底の燕


夏目友人帳/水底の燕

私の好きなアニメの1つに夏目友人帳というアニメがあります。

妖怪が見える体質の主人公、夏目たかし。
同じく妖怪が見えた今は亡き祖母の遺品。友人帳。
それは祖母が生前、数多の妖怪達と勝負をし、負けた妖怪達が名前を書いた物です。
名前を書いた妖怪達はその時点で契約が結ばれており、名前を呼ばれれば友人帳の持ち主の言うことをなんでも聞かなければいけません。

そんな友人帳をめぐって、夏目たかしと妖怪達の日常を描いた作品です。

そのアニメの中に「水底の燕」という回があります。
今回はその話をイラストにしてみました。


釣りをしにダム湖にやってきた夏目の前に、水没した廃村が水の引き止めにより一時的に姿を現してました。
そこに住み着いていた妖怪に夏目は取り憑かれます。

その妖怪は、廃村がまた水没する前に遠くから一目だけでも会いたい人間がいると言いました。
夏目の協力もあり、ついに探していた人を見つけます。

その人は妖怪がまだ妖怪になる前、つまりまだ一羽の燕として生きていた頃に
餓死しそうになっていたところ保護し、助けてくれました。
月日は流れ、燕は生涯を終えますが助けてくれた人間の事が気がかりで成仏できず妖怪となって廃村に住み着いていました。

当時若者だったその人間は夏目が見つけた時には50歳くらいのオジサンになっていました。
妖怪は人の姿になり、その人間に駆け寄ります。
「私のこと覚えてますか?」
しかし、いくら人の姿になろうが生きている人間に妖怪の姿は見えません。
いくら問いかけても、目も合わぬままその男性は行ってしまいました。

そのシーンは感動と切なさの両方が感じられ、見ているこっちも悲しくなりました。

しかし、夏目は別の妖怪から新たな情報を得ます。
何百年かに1度開かれる妖怪達の祭りが今夜開催される。
景品の中でも皆欲しがっているのが、着ると一晩だけ人になれる浴衣だ。

夏目は変装をし、その祭りに参加します。
大きな木の上の先に掲げられた浴衣。それをスタート地点から妖怪達がかけっこをし、木を登り、最初に浴衣に触った者が優勝です。
相棒の助けもあり夏目はその浴衣を手に入れます。
そしてそのまま燕の妖怪に渡して、今夜人間達もお祭りを開いている。
あの男性も参加するそうだ。行ってきなさい。と言います。

その燕の後を夏目は追わず、
後日、道端で例の男性と会います。
そこで夏目は男性に問いかけました。

この間のお祭りの夜
浴衣を着た女の子に話かけられませんでしたか?

あー、いたよ。
綺麗な浴衣を着た無口な子でね、
そういえばあの祭りの日の写真を今現像してきた所なんだよ。

差し出された一枚の写真。
そこには、綺麗な浴衣に身を包んで恥ずかしそうに男性の横に佇む華奢な女の子がいました。

そっか、会えたんだね。

ここで話が終わります。

妖怪とはこの世に存在しているのか誰も分かりません。
しかし、誰しもがなんらかの不思議な体験をした事があると思います。

どうしても会いたい人、会えたのに伝わらない思い。
もう伝えても遅い時、今伝えたい思い。

大切な人が居て、思いを伝えられるのであれば、
その結果がどうなろうとも手遅れになる前に伝えるべきだと感じました。

これを読んで下さった方の思いがきっと上手く相手に伝わってくれる事を願っています。
興味のある方は是非アニメも見てみてください。

以上です。

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