沈んでいく夏の夕陽を見ながら 君は嬉しそうに言った 「縁日で買ってもらった りんご飴みたい」 けれど 僕は知っているんだ 「りんご飴は誰が買ってくれたの?」 わからないふりをして聞いた 君は夕陽から目を逸らし うつむきながら黙り込む ようやく君は ぽつりと呟いた 「誰も買ってくれなかったの」 「お父さんに お前なんていらないから出て行け って言われて外に放り出された日があって」 「…うん」 「何処へ行ったらいいかわからなくて うちの前で泣きながら座ってた」 「…うん」
毎度ご覧いただき、誠にありがとうございます。 毎日ひとつずつ詩の投稿を続けてみましたが、全体ビューの数の割に スキはなかなか付かないものなのだなぁ、 ましてやフォローは余程気に入ってもらえないと難しいのだなぁ、 支持してくれる方は僅かだなぁ、 など実感した次第です。 力不足が故に、ですね。 つまりその……挫けてしまいました。笑 なんせ、自他共に認めるお豆腐メンタルなもので。 1ヶ月も経っていませんが、パワー注入のためしばらく去ります。 noteという表現の場を多少なりと
秘密を秘密のままにすることが どれだけ辛いか わかり過ぎるから苦しくて 知らずに終わるほうが 幸せだと信じる私を 優しく締め付ける 微笑みが傷を抉る されればされる程 呼吸が出来なくなる このままずっと 真っ暗な海に沈んでいたい 音も光も届かない場所で 秘密ごと溶けていく 今日もそんな夢ばかり
どこかで来た道帰れずに 右も左もわからない ただひたすらにポツポツと 歩を進めては涙する 教えてほしくてその理由を 知らぬ存ぜぬ通し抜き 閉ざした唇震えてる 意味など無いと手を握り 収まる時を待つばかり
砕け散り 粉々になった思いを 固めて固めて 真っ暗な穴に捨てた けれど 思いから逃れることなど 一秒たりと出来なくて ノイズが耳から離れない やめてくれ やめてくれ もう沢山だ もう聞きたくないんだ いつしかその思いは 何も無かったかのように すぐ側まで帰ってきていて またよろしく と言わんばかりに まとわりつく 死なば諸共 朽ち果てるまで歩もう 覚悟はとうに出来ている
螺旋階段眺めては 上がるか下がるか 決めかねる 上がって行くなら探し合い 下がって行くなら迷い合い いつから此処にいたのかと 目眩感じて逆さまに 回ってぐらり 飛べばふわり どうしたものかと深渕へ このまま覚めずに漂うか 答え出せずに去りゆくか そのうち誰かが耳打ちで 行き場なき道教えてくれる
知ってる? あたしの心臓 偽物なの とってもよく出来てるし 最高の機能もついてる ちょっとのことじゃ壊れない 鼓動が急に走り出すこともないし いつもいつでも冷静でいられる 羨ましい? じゃあ 交換しよっか 壊れない心臓のまま 『心』だけが壊れていく その感覚を たくさんたくさん楽しんでね 知ってる? あなたにあげた あたしの心臓 『心』を失くした 偽物なの
何がしたい 何が使命 やることあるはず できることあるはず 探し探して◯◯年 まだまだこれから やることたくさん このままじゃ死ねないよ このままじゃ終われないよ やることやるために 生まれてきたんだから やることやらずして死ねない 残りの時間をただ 漠然と生きるのは無意味 見つけ見つかれ己の使命 自分にしかできないこと掴め
羽ばたく翼 翻し 落ちて失くした白い羽 どこを探せど見当違い 拾われ遠くへ投げたのさ 舞う度ひとつ手渡しで 返して返せどすり抜ける 知らぬが仏と微笑めば 薄膜のようにぼんやりと 何処へ向かうか聞き取れず せめて も一度繰り返す 無限の扉そこに開きて
それはとてもカラフルで ふわりと落ちていく薄雲みたいに 軋む鼓動を包んでくれた 呼吸を忘れがちな僕だけど その時だけはほんの少し 肺に流れてくる冷たさを 感じることが出来たんだ ねえ いつか誰しもが塵になるという そんなお話は本当なのかな ねえ 誰に聞いてもはぐらかされる そんなお話の続きを聞かせてよ 今日だけでいいから もう 明日はなくていいから
見て見ぬふりの成れの果て きっともう誰一人 叫んでも叫んでも届かない この手をいつか掴んでほしい ただそれだけを信じたい すり抜けないで 指から流れ落ちる砂のように 全てはあの日の答え合わせ わかったふりして ひとつもわからぬままに
反吐が出るほど嫌なのに 涙が出るほど愛しくて 緩んだ手錠に繋がれたまま 毎日 霞んだ夢を見る 縛りつけて責め立てて 光のないその瞳で 生きる理由刻んで
割れた水晶降りそそぎ 包む未来の放物線 辿れば見つかる瞳の奥に 魅入られ我を忘れたり けれど掴めぬ真(まこと)の姿 千歩進めば入り込む 始点と終点曖昧なままで
数える度に 流れて消えてゆく 砂の足跡 ひとつ ふたつ どうしても みっつから先が 見つからない 残したはずなのに 残してほしいのに 『いい人』でいたら いつしか そんなことすら 叶わなくなったよ また少しずつ探していこう 消えてもいい 消えてもいいから
鶴の声 聴いた夜明けの 流れ雲 そっと囁き 今 還らんと
紅さす夕暮れ指先に 白く移ろうその光 夜明け待たずに横たわる 嘘を誠にする術を 忘れたふりで寄りかかる 幸せ装ういつかの笑顔で