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FTMの俺とノンケの彼女②

前回は彼女が北海道でお仕事を始めるとこまで。その続きです。だらだらと長くなりますが生ぬるい目で見ていただけたらなと思います。

北海道で彼女が本格的に始めたのは「飲み屋さん」でした。オーナーと顔見知りだった為使ってくれないかと話した所とりあえず会ってみたいとの事で面接に連れてくことに。俺はその日も仕事だったので俺は自分の店に。終わったら俺のいる店においでと伝えていた。その店から俺のいる店までは徒歩5分未満の近距離だったのですぐきた。早すぎてだめだったかなと思ったけど採用だと言われたとの事。同じ職種だし、店も近いし共有できるとこもあるしで俺はよかったなーって思ってた。その時は。

営業時間は俺の店の方が終わるの遅いので俺の店に来て一緒に帰るって感じだった。帰りにコンビによって夜食を買って帰るのがルーティーンだった。うちの店はMAXで70人収容できる大きい店舗だったので彼女のいる店からだったり、彼女の店からあふれた人たちをこっちに入れるという流れもできた。逆もしかり。店としてはいいバイパスだったんじゃないかなと思う。

仕事にも慣れお酒の楽しさを覚えた彼女はアフターも行き始めた。俺としては同伴はいいけどアフターは頻繁には行ってほしくなかった。そこは価値観の違いとただの自分個人の我でしかないと思ってる。嫉妬ももちろんある。アフターに行きはじめてから一緒に帰ることがほぼなくなった。「仕事だ。仕方のないこと」って思うようにしていた。けど、俺は彼女の変化に気づいた。

携帯にロックをかけ始めた。典型的なやつだね。俺の携帯をチェックするのは前々からやってたからそこはいいんだけど、俺が見るのは許されなかった。基本的に始発のタクシーで帰ってくるようになった。電話が鳴ると焦って携帯をとるようになった。誰がどうみても「怪しい」でしかなかった。

最初は確信もないし言う事もできなかったんだけど、怪しいがイライラにかわってきてブチ切れてしまいそうだったから、彼女にそれを話すことにした。たまたま早く帰ってきた彼女と寝るときに思い切って聞いてみた。彼女は少し黙ってから話し始めた。

「私はやっぱり子どもが欲しい」「でもあなたとだと子どもは作れない」「でも一緒に居たいし、好きだ」「だから、、、妊活をしたい(してた)

だった。それを言われたとき俺は何を話してるのか理解ができなかった。その理由を除けば一般世間的には「浮気」にあたる事だ。率直な感想俺はショックだった。とてつもなく傷ついた。浮気をされてた事。その変化に気づいていても確信がもてなかった事。当初は子どもができなくとも結婚できなくとも一緒に居たいと言ってくれてたのに考えが変わってしまったこと。全てにおいてショックだった。俺は何も言えなかった。でも其のあと俺のくちから出た最初の言葉は「いやだ」だった。妊活がいやなわけじゃない。俺だってできるのであれば一緒に育児して、家庭を持ちたい。子どもが欲しくないわけじゃない。ただ「朝帰りしたときは他の男に抱かれて帰ってきた」と認識するのがつらかった。

俺は彼女を甘く見てたんだと思う。くちでは子どもできなくても結婚できなくても一緒に居たいよといってくれてただけで。本心じゃなかったんだろうし。その時は27歳くらいだったはずだから適齢期?を考えると焦ったんだと思う。「時間がない」と言ってた。人工授精も考えたと言ってた。でも「人工授精をするよりも、男性とやるほうが確立がいい」という事に気づいたと言っていた。「男とヤったとしても恋愛感情はない。気持ちはあなただけだ」と言ってくれた。そう言ってくれたとしてもやっぱり俺の脳内は「いやだ」しかなかった。でも言えなくなってた。それは、俺には子どもを作る機能がないからだ。体は女だからどうあがいてもできない。俺にはそれを拒絶する権利はないんだと思ったら、認めざるおえなかった。前から始まってはいたけど、それから公認の妊活が始まった。俺の気持ちはどんどん死んでいった。相手は一人ではなかった。複数人いたようで、そのうち1人を好きになったらしい。その人と結婚して子どもを産むといいだした。そう。許した妊活の末の別れ話だ。

俺はもうわけがわからなかった。妊活を許して我慢していた間に辛さも悲しさも苦しさも感じなくなった。毎日耐える事で麻痺したのだろう。自分の脳みその防衛反応でその感情を閉まってしまったんだろう。別れ話になっても悲しくはなかった。ただ、理解ができなかった。我慢してきたのに。耐えてきたのにという感情だけが大きくなってフラれるのは許せないから、俺からフラせてほしいと言って俺から別れの言葉を送らせてもらった。

付き合って1年でのさようならだった。

同棲していたので元彼女は住む場所がないから追い出すこともできず。別れていても同棲が続いた。男の所に行ったらいいのでは?と、思うだろうが、その話が出た時点ではまだ付き合ってはいなかったのだ。だから住むことはできなかった。これまた不思議な話で「痩せないと付き合えない」と言われていたらしい。必死にダイエットをしていた。そんな生活も続くわけもなくそっちの男の家になんとかして住ませてもらえと行って追い出す形になった。結果同棲できることになり、元彼女は荷物をまとめてでていった。これで俺も忘れる事ができるし、イライラしなくてすむと思った。思っただけだった。合鍵を返してもらえなかったのだ。

合鍵をもったまま元彼女は同棲をスタートしてお付き合いもスタートしたわけだが。そのころには俺のほうが帰るのが早くなっていて俺のほうが寝るのが早くなっていたのだが。夜な夜な俺を襲いに来ていた。俺も気持ちはあったからもちろん抱いた。浮気されてた俺が「浮気相手」になっていた。大体泥酔してうちに来ていたからうちで喋った事とかは基本的に起きたら忘れてるようなもんだった。来るたびに毎度「好きだけど一緒にいれない」と泣かれていた。酔ってるから真に受けないようにしようと思っていてもやはり俺の心には残る。悲しさとかはもうなかったんだけど。残ってはいた。そんな関係がしばらく続いた。

しばらくたってからその男とも合わずにもめるように。結婚はしたくないといいだす。でも子どもだけは欲しいと言っていた。子どもを授かれば別れて九州に帰ると言っていた。俺はそれでもいいんじゃないかと言っていた。「一緒に九州に帰る?」と言われたが俺は「うん」とは言えなかった。「また捨てられる」って気持ちが大きかったからだ。

結果その男とも別れることになり、また居場所がなくなる。その時に来た話が「また俺と同棲する」話だ。今思えば口実半分、気持ち半分だったんだろうけど。「俺と寄りを戻したら川に投げる」といっていたらしい。「土に埋める」だったかな。忘れちゃったけど。だから「すぐは寄りを戻せない」と言われてた。「でも3か月後くらいにはより戻そう」とは言っていた。俺もまだ気持ちもあったしそれなら同棲してもいいかなと思って俺の名義で2LDKの部屋を借りることに。そのころには収入も上がっていたので少し広めの家でも生活していけるようになっていた。元彼女は飲み屋を続けていた。そこのオーナーに「寄りを戻すのは反対だ」と言われていた。あと元彼女には「もう彼氏を作るな」とも言っていた。その為「同棲」ではなく「シェア」という形で生活をしろという話で話が進んでいった。進んでいったというか俺は仕事が社畜だったために忙しくて内見とか行く暇もなくほとんど元彼女とオーナーで話を進めていた。もっと言えば一緒に住む話も勝手に決まっていた。後から聞いてもう知り合いの所有する不動産まで話が行ってしまってたため後にも引けなくなっていたようなものだ。

最初に言っていた「3か月後にはよりを戻そう」の期間がきたけど、「ゴールデンウィーク明けに戻そう」になり。「来年戻そう」になり。最終的に「収入30万もってこれるようなってから文句言ってこい」と言われた。別れ話の時と同様に俺は理解ができなかった。「だまされた」という感情しかなかった。住む場所を作るだけの口実だったんだな。としか思えなかった。俺は気持ちあるし求められればもちろん抱いた。喧嘩もした。家事をしてくれたり。ご飯を作ってくれたりもした。昔の生活のままのトコもあれば、違うとこもあった。その生活を送りつつ「寄りを戻す気がない」発言をする前もした後も元彼女は俺の行動なり交友関係に対して嫉妬をしていた。なおさら理解ができなかった。

寄りをもどす気はない。気持ちがない。といいつつ嫉妬はしてくる。干渉もしてくる。でも自分はネットでいい感じの男ができている。俺もそれなりに仲のいい女の子ができて連絡をとったりしていた。それに対して怒り出す。理解ができなかった。「あなたはいいのに、俺はだめなの?」「あなたは幸せになろうとしてるのに、俺はだめなの?」でしかなかった。それから喧嘩がとても増えた。俺は気持ちがないのに干渉される事にイライラして。相手は俺のすべてにイライラして。家のものをひっくり返したり。朝早い仕事をしてた俺を寝かせないようにしたり。それに加えて過去に書いたように社畜でセクハラなどをされてた会社に勤めていたため、ストレスの発作で俺は倒れてしまった。

喧嘩をしたときと会社でのストレスがマッチしたときに発作が起きてた。だから、元彼女だけのせいではない。もちろん要素ではあったんだろうけど。いつも対応してくれて、救急車よんでくれたり、病院まで付き添って来てくれたり。入院したときは隣町までお見舞いにきてくれたり。いつもそのたびにやさしくしてくれた。優しい時の元彼女は好きだった。

それを知ってる友達は「それは優しさではなくて、精神的DVじゃないの?」と言ってきた。精神的DVという言葉を知らなくて調べたら元彼女がやってる事がすべて書いてあった。「ああ。俺はDVを受けていたんだ」という思考が生まれた。DVは肉体的暴力だけではなく、精神的なDVもある事をまなんだ。俺みたいに知らない人は沢山いるんじゃないかなと思う。

【精神的DVとは?】

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・殴る蹴る以外の方法
・言葉や態度で被害者に攻撃を加える事
・身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの
・これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動

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などです。大雑把な区分ですがわかりやすい例を出しておきます。

──〖例〗────────────────────
・大声で怒鳴る
・実家や友人と付き合う事を制限する
・電話や手紙を細かくチェックする
・何を言っても無視して口を利かない
・人前でバカにしたりする
・命令するような口調でものを言う
・大切にしているものを捨てる
・生活費をわたさない
・殴る素振りや物を投げ付けるふりをして脅す

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これが、一例です。当てはまる人はいますか?もっと沢山例があるのですが長くなっているのでここらでしめました。もし「私は、、、?俺は、、、?」という人がいたら調べてみてください。あなたが我慢しているものはDVかもしれません。DVであれば何かしらの対処なり、向き合い方を変えなければ俺みたいに倒れてしまうかもしれません。この記事を見たことをきっかけに自分と向き合うことができる人が生まれることを願っています。


長くなったのでまたここでいったん〆ます。



底辺系FtMです。世の中には俺みたいな底辺中の底辺がいるよってのを認知してもらって「こんなやつでも足掻けるんだな。自分もやる気ちょっとだしてみよ」と、人生の踏み出すきっかけに。投げだしそうになってる人生の考え直すきっかけになれたらなと思います。