10.仇花
枯れた葉は色褪せてそよ風に飛ばされた
寂寞のまどろみにぽつりぽつり降り出した雨
誰もいないこの部屋でゆっくりと目を閉じた
ささやかな喜びが一つ一つ鮮やかに蘇る
ありふれた日常さえも特別な日々だと知る
晴れの日も病める時も人知れず水をあげて
心に咲いた綺麗な花
天国は突然に旅の終わりを告げた
いつまでも変わらないものはないと教えてくれた友よ
そばにいてよ今だけは 滅びゆく誰も彼も
さよならは世の定めよ 人知れず散る仇花
夜露に濡れた孤独の花
落ちた陽は穏やかに思い出を見届けた
それぞれの希望胸に次の場所へ踏み出してゆく
ありふれた日常さえも特別な日々だと知る
晴れの日も病める時も人知れず咲く仇花
この声は二度と届かない 微笑んだ君はもういない
晴れの日も病める時も人知れず咲く仇花
心に咲いた希望の花
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