2023年4月に読んだ本まとめ

2023年4月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。


雨森たきび「負けヒロインが多すぎる!5」

バレンタインデーの今回は、妹の佳樹に好きな人疑惑のエピソード。
順調に増えてく(負け)ヒロインたちと、順調にラブコメイベントをこなしていく温水くん。
恋愛を意識するバレンタインなだけあって、巻き起こるイベントもどこか照れたりかわいかったり。
本当にどの娘たちにもおもしろかわいい見せ場があって、楽しかったです。
前巻で色々とぶっ飛んだ天愛星さん、今巻も順調そうでとても嬉しい。
そのまま手のつけようがない残念ヒロインになってほしい。
クライマックスはビターですが、チョコのように少し甘くもありましたね。


衣笠彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ3」

夏休みとなる今回は特別試験、無人島でのクラス対抗サバイバル生活。
陰謀渦巻くクラス間のやり取りは、ハラハラさせられました。
無人島での夏休みなのに、女性陣の水着シーンすら無い(男はある)のはストイックすぎませんかねえ……。
謎が多いながらも只者ではない綾小路くんの暗躍などもあり、クライマックスには驚きもあって楽しかったです。
しかしどいつもこいつも腹の中に一物抱えているような人たちばかりで、シンプルに兄を見返したいだけの堀北が可愛く見えてくる有様。
単にお人好しが多いと評されているBクラスが清涼剤ですね……。


西尾維新「キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘」

戯言シリーズ、18年ぶりの続刊にして娘による後継続編。
物語の構成や発生する事件などは1作目「クビキリサイクル」を彷彿とさせ、シリーズが好きだった身としては嬉しい内容でした。
ふたりの娘でありながら、一般人として育ってきた盾。
そんな彼女が壮大な世界観を背景に持つ玖渚機関と相対するわけですが、いい意味で緊張感が薄く、楽しい作品でした。
ミステリーのトリックそのものというよりも、犯人がそうするに至った心理的な背景の描き方がとてもうまかったです。
遠ちゃんとの間に芽生えた年相応のかわいらしい関係性、とても好きでした。。


丸深まろやか「天使は炭酸しか飲まない」

これはとても良い青春小説でした。
ほんのささやかな特殊能力と、かつてのトラウマと、恋と日常の物語という感じです。
あまり派手さはないですが、丁寧にまとまったいい作品だったと思います。
あと読み始めてすぐ、「天使って、表紙のこの子じゃないんかい!」と思ったり。
そんな湊が炭酸を持ってるのを含めて、良い表紙です。
主人公の伊緒や湊を取り巻く友人や協力者たちも、いい人が多くて気持ちよかったですね。
日浦はかっこいいし、考えも真っ直ぐで素敵。
湊の親友の藤宮も、友達想いのめちゃくちゃいい子でした。かわいい……。


八目迷「ミモザの告白3」

この巻は……めちゃくちゃ凄かったです。
汐が女の子として生きることに強く反発していた西園と能井が、それぞれのかたちで決着を見るエピソードなのですが……。
西園が疑心暗鬼からどんどん追い詰められていく様は、見ていて辛いものがありました。
特に終盤、西園視点で精神的に叩きのめされていくのがまたしんどい……。
それでも最後の最後に踏みとどまるチャンスを貰うことのできた西園は、ものすごく幸運だったと思います。
能井にしろ西園にしろ……大切な人との人間関係ですら、間違った選択をしてしまう難しさを、強く感じるエピソードでした。


原作・西尾維新 作画・岩崎優次「暗号学園のいろは 第1巻」

西尾維新さん原作の新作だ〜と思って読んでみましたが……むっっっず!
タイトルの通り暗号を勉強する学園のお話で、出し惜しみなく次々と高難易度の暗号の数々が襲いかかってきます。
暗号以外でも西尾維新ならではの遊び心が随所にあり、そのすべてを理解しながら読み解くのにめちゃくちゃ頭を使いました。
これを週間連載してるって、西尾維新さんマジでヤバすぎる。
まだ出番の少ないクラスメイトでは、雁音さん、真蟲犇さん、(匿名希望)が気になります。
悪役令嬢の東洲斎さん、クールでカッコいいのになんだかんだギャグや解説もこなせて夢がある。


川原礫「ソードアート・オンライン プログレッシブ3」

アインクラッド第四層攻略は、移動手段が船のみの水の都の物語。
チュニック姿で泳ぐアスナ、自分の船を作れるとワクワクしているアスナが可愛かったです。自分の船はロマンですから。
他の攻略組の出番が少なかったためか不穏な展開も少なめで、ずっとアスナの可愛さを補給できる癒やしの1冊でした。
SAOでクリスマスといえば「赤鼻のトナカイ」があまりにも印象深いですが、今回のクリスマスではアインクラッドの美しい雪景色を眺めることができて、厳しい戦いの中でもそんな心休まる1日があったことが少し嬉しかったです。


暁なつめ「この素晴らしい世界に祝福を! スピンオフ この素晴らしい世界に爆焔を!」

本編開始より1年前、紅魔の里で修行中のめぐみんゆんゆんの物語。
めぐみんゆんゆんの関係性は本編そのままですが、こちらではよりふたりの一筋縄にはいかない友情が楽しめます。
紅魔の里が舞台ということでめぐみんの持つ感性が当たり前の世界であるため、基本ゆんゆん以外は全員がボケという感覚。
スピンオフらしいゆるく楽しめる作品でありながら、クライマックスには盛り上がりもあって、おもしろかったです。
美人だけど少し抜けたとこもある様子の占い師そけっとさん、かわいかったです。



個人的な今月のお気に入り作品トップ5

第1位/ミモザの告白3

第2位/ソードアート・オンライン プログレッシブ3

第3位/キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘

第4位/負けヒロインが多すぎる!5

第5位/天使は炭酸しか飲まない