2023年12月に読んだ本まとめ

2023年12月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。


虚淵玄「Fate/Zero5 闇の胎動」

聖杯戦争の終焉に向けて、一気に各陣営が(主に良くない方向へ)舵を切り突き進んでいった感じです。
ずっとシリアスかつ陰鬱な空気の中、ライダー陣営だけが唯一の癒やしでした。
「優雅たれ」の時臣が致命的に争いごとに向いていなかった感。
切嗣が場数を多く踏んできたがゆえに、若造のウェイバーを見誤って高く評価してるところがかなりおもしろくて印象的でした。
綺礼がどこまでも不気味で底が知れずに、次巻どう決着するのか楽しみです。


日向夏「薬屋のひとりごと2」

猫猫の出生にまつわる物語。
変わり者であり猫猫からも距離を置かれる羅漢が最初は苦手だったものの、読み終わる頃にはまた彼の印象も変わっていました。
ひどいお話ではあったけれど、最後の最後で許されたかたちとなった羅漢には涙がこぼれます。
初登場となる楼蘭妃については目立った活躍は無いながらも、きな臭い背景だけが匂わされていましたね。
物語後半からは猫猫が後宮のお仕事に戻るので、侍女三人娘も出てきて嬉しかったです。
友人ではないけれど何かと気安い李白との関係性も、なんだか好きでした。
高嶺の花に手は届くのか……。


原作:鹿成トクサク、漫画/無敵ソーダ「みょーちゃん先生はかく語りき 第3巻」

夏休みから文化祭にかけてのお話。
元々えっちなお話が多いこの作品ではありますが、今回は完全に事前……ことに至る直前のどエロいみょーちゃん先生が見れました。まだ陽のあるうちから……。
れなみさんが不憫かわいいので、報われてほしい(報われないでほしい)。
カップル乱立していて性的に乱れまくっているこの学校、めちゃくちゃうらやましいですね……。
孤独のグルメのパロディ回が、ドラマ版のやつじゃなくてちゃんと原作漫画版のやつだったのがおもしろかったです。


手塚治虫「火の鳥3 ヤマト・異形編」

中編のヤマト編と異形編の2本を収録。
黎明編の少しあとにあたるヤマト編は、歴史に残された石舞台古墳を元に、その背景の物語を想像したもの。
改めて手塚治虫先生の知識の豊富さ、想像力の凄まじさを体感しました。
異形編は、かなり好きな作品でした。
登場するキャラクターは魅力的で、長きに渡り自らの罪を清算することとなる物語の構造も秀逸。
本当にねえ、火の鳥さんは無限に生きてるからあまりよく分からないのでしょうが、これってとんでもなくしんどい苦行だと思うんですよねえ。
カジカ、そして左近介と、両編ヒロインが可愛かったです。



渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6.5」

完全に読む順番間違えました。
ナンバリングは6.5だけど刊行順的には9の次に当たるらしく、巻末に収録のボーナストラックが9巻のあとのエピソードなようで、それだけ後で読むことにします。
ともあれこの巻は体育祭のお話。
文化祭であれこれ対立した相模が再登板ということで嫌な予感しかしませんでしたが、なかなか落とし所としては救いのある結末で良かったです。
嫌味な人間ではあるもののある意味で最も人間らしい相模なので、彼女が救われると多少気持ちも楽になりますね。
あと女王様三浦も人間味あるところが見られて嬉しい……。


中村颯希「ふつつかな悪女ではございますが6 ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」

陰謀渦巻く後宮を舞台に、雛女たちによる怒涛の反撃開始。
倒すべき敵であると認めた玲琳の容赦の無さは徹底しており、品がありつつもこてんぱんに叩きのめすやり口も鮮やか。
読み応えたっぷりで、楽しかったです。
亡くした舞照へ注がれる玄家ならではの深い愛情にも、感動しました。
そのうえで名誉の回復へと至る道筋が心憎く、ジンと胸に響きます。
慧月絡みで不機嫌になっちゃう景彰、かなり良かったです。
雛女同士の共同戦線となった今巻ですが、雛女同士のやりとりはそんなに無かったので、そのあたりの交流もこれから見られたら嬉しいですね


原作:青木潤太朗、作画:森山慎「鍋に弾丸を受けながら 第4巻」

今回のエピソードはコロナにより世界が閉ざされていた期間の明けた、2022年末に敢行された台湾旅行の模様。
日本ともよく似た文化があり、果物大国でもある台湾のいいとこぎゅっと詰め込んで、ようやく旅のできる日常を取り戻した感慨深いエピソードでした。
文化的な背景など色々学ぶこともあり、台湾っていいとこなんだなとしみじみ。
あとは主にジュンタローやその周囲の人々の過去編。
宗教戦争ラーメンだったりビワとイノシシだったり、実話として語られているからこそ不思議でゾクッとするお話が好みでした。結局人間が一番怖いね!


安里アサト「86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉」

ギアーデ連邦へと辿り着いた〈エイティシックス〉たちの、一時の平穏と、新たなる戦場の物語。
戦闘パートは、犠牲者も多く出すなど相変わらずハード。
軍事ものらしく、物々しい描写は読み応えありました。
マスコットとして部隊についてきている新ヒロインのフレデリカが、清涼剤のような存在になっています。
もう少し〈エイティシックス〉たちの女性陣をピックアップしてあげてもいいのに……。
ファイドとの意外な再会が、なかなかかわいかったです。
終盤一気に動き出したので、次巻も期待です。


個人的な今月のお気に入り作品トップ5

第1位/ふつつかな悪女ではございますが6 ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~

第2位/火の鳥3 ヤマト・異形編

第3位/薬屋のひとりごと2

第4位/鍋に弾丸を受けながら 第4巻

第5位/86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉