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マシニングセンタで必要な技能④

マシニングセンタを使いこなすにあたって必要な技能を紹介しています。
初級から中級者向け、技能検定の機械加工職種、マシニングセンタ作業2級取得程度の内容にしてます。
動かす、加工する、プログラミングするといったところより一歩踏み込んだ部分の内容となっています。

自説にはなりますが、自動機は動かしてナンボです!
出来るだけ止まっている時間を少なくするために早い判断が必要になってきます。
早い判断には正しい知識多くの経験が必要になります。

多くの経験を得るには時間が必要です。タイミングもあるでしょう。積極的に知らない事、やったことない事にチャレンジする他ないというのが、私の考えです。

正しい知識を得るには大きく4つの方法が考えられます。
①講習会、セミナー等に参加する。
体系的に原理原則を学べます。
②OJT(オンザジョブトレーニング)
勤務中に実践的に学べます。
③自己研鑽
モチベーションの維持が難しいですが、より専門的              に学びたい部分をピンポイントで学べます。
④資格試験
試験の合否というひとつの結果が得られます。

学生時代には嫌でも中間だったり期末だったり
定期的に試験がやって来ました。
その為に必要な資料を集めたり過去問を解いたり
ノートにまとめたりと、少なからず勉強をしていた
はずです。
しかし社会人になると勉強から遠ざかる人も多いのではないでしょうか?

そこで私がオススメするのは④の資格試験にチャレンジすることです。
当然①〜③もやるべきですが、
④は合否という結果で現れるので成果も判り易く自信にも繋がります。
また期間が決まっているのでモチベーションの維持もし易いかと思います。

マシニングセンタにおいての資格試験となれば、技能検定になると思います。
以前、「マシニングセンタの技能検定なんて取っても意味ねぇーよ」とか「段取りだけの試験じゃ使いモノになんねぇーよ」って話を聞いた事があります。
確かに1級2級は段取りだけの実技試験です。
資格を持っているからといって仕事がデキるとは限りません。
間違っていないんですが、2級つまり中級者からは段取りの早さ、正確さ、トラブルからの復帰、正しい問題点の把握が試されるのです。

3級は「マシニングセンタ知ってますか?」
って問題で実際に機械にプログラムを打ち込んで動かせるか?を見ています。
2級からは「マシニングセンタ知ってますよね!?」って前提での問題になっています。

他の汎用機械の受験者からするとマシニングセンタ試験は簡単な作業で終わりかよ!
といった感想にもなるのも当然です。
ましてや合格祝い金や資格手当が貰えるとしたら、
ズルイと言ってくる人が居ることも
容易に想像出来ます。

しかしマシニングセンタ2級(1級)の実技試験は練習しようにも何を練習すればいいのか分からないようになっているんです。
ぶっつけ本番なんです!
事前に配られる問題の概要も意味が分かりません。
さらに本番の問題は全て回収されます。
以前に受けた人に聞いても試験が一瞬過ぎて克明に覚えている人はいないと思います。
マシニングセンタを受ける側からすれば、他の加工機試験って練習出来ていいよな!本番と同じようにリハーサル出来るし!って思います。

汎用機の試験もマシニングセンタの試験も両方受けている私からすると一長一短あるんでどっちも大変だし、どっちも勉強になるので両方挑戦すればいいと思います。

マシニングセンタ実技試験は練習ができないと説明しました。しかし事前に練習できる課題があります。

マシニングセンタ実技要素試験
「インデックステーブルの芯出し作業  試験時間10分」です。

準備された設備、準備された道具を使いインデックステーブル(回転テーブル)の芯出し作業を制限時間内に行いX軸またはY軸の機械座標値を求めます。

概要としては以上です。
2級(1級)試験で機械に触れるのはこの課題のみになります。

マシニングセンタも当然のことながら工業製品ですので個体差があります。また故障や経年劣化もします。
日々の点検やメンテナンスが必要になってくる機械です。精密な部品を加工しているのであれば尚更です。許容範囲はあると思いますが、常に同じ動きをして同じ場所で止まるのか、動的精度と静的精度を確認する必要があります。

バックラッシなどのある程度の誤差は補正の設定値を変えることで吸収出来ます。しかし、どうやって確認するのか、どうやって計測するのか、知っているのと知らないのとでは大きく違います。

メーカーを呼んでしまえばいいだけの話しなんですが、時間やお金がとてもかかります。中級者ともなれば、誤差の補正や故障箇所の目星くらいはつけたいものです。

上記の試験に使用した機械はマシニングセンタのなかでも横型と呼ばれるものです。

一般的に横型マシニングセンタのテーブルは旋回、回転(180°)するものになっています。

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