山口絹記|あなたの趣味は何キロですか?

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書物の厚みから使用紙の厚さを割り出す【文庫本・簡易編】

本好きのみなさん、そうでない方もこんにちは。 前回は単行本と文庫本の体積と重さの差に関して調査してみたのですが、今回は文庫本の使用紙による差を調べたいと思います。 はじめにそもそもどうしてこんな事態になったのか。 以前、宮部みゆき(2017)『荒神』新潮社 を読んでいた時、違和感を感じたのである(なんか口調変わった?)。 本読みというのは、すべからく出版社と本の厚さでページ数を感じ取り、読み合わるまでの時間を逆算できるのだが、この小説、なかなか読み終わらない。 右手で感じる

    • こどもに渡すカメラについて思うこと

      先日、大学生時代の友人に、こどもに渡すカメラについて相談された。 昔から知り合いにカメラ購入にあたって相談されることは結構あって、そのたびに最適解を出してきたつもりなのだけど、今回は自分の中でもすぐに結論が出せなくてちょっとモヤモヤしてた。 普段自分のサイトでカメラのレビューなんかを書いているのだけど、このモヤモヤを放置していると自分の中でこれから自信を持って記事を書いていけなくなる気がしたので、ちょっと真剣にこの問題に向き合ってみることにした。 前書きどうしてここまで悩ん

      • 月とチョコミントメロンパン

        近所のスーパーで安売りされているチョコミントメロンパンを手に取った娘が、これ、食べてみたいと言った。 私としては、みんなで食べられる食パンがいいし、もっと言えば、チョコミントメロンパンはあまりおいしそうではない。一度食べたらもうリピートしないやつだろう?そうに違いない。 年を重ねたところで、人間はたいして賢くなどならないのだけど、それでも幾ばくかの経験値は積む。まぁ誤差の範囲と言ってよい。そういった経験値は、人生の大切な局面において役立つ程ではないのだけど、チョコミントメ

        • 第18回タムロン・マクロレンズフォトコンテスト 銅賞を頂きました。

          もともと写真はあまり発表したりせず、内にこもって撮っていたのですが、出してみるものですね。 自分のサイトを立ち上げてから、写真を外に出していく精神的な敷居が下がってきたのもありました。 機会があったらコンテストに出してみようと思っていたのですが、主に撮影しているのがこどもということもあって、あまり顔が写っているものをだすのもなぁ、と。 SNSにこどもの写真を載せるということ。 自分が高校生とかになって、すでに自分の幼い時の写真がSNSにばらまかれてたら嫌じゃないかな、

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        書物の厚みから使用紙の厚さを割り出す【文庫本・簡易編】

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        • 書物の重さを量ってみよう
          3本

        記事

          写真を撮り続けるということと、祖母の呪い。

          10年以上前、初めて手にしたカメラはNikon FMというフルマニュアルのフィルムカメラだった。レンズはAi Nikkor 50mm f/1.4。 最初の一枚は、空の写真だった。 当時の私は18歳で、親の離婚に伴って、友人もいる住み慣れた東京を離れ神奈川の母の実家に一足先に引っ越しを済ませていた。祖父に先立たれた祖母と二人暮らしが始まった。 高校は卒業したものの、進学するかどうかすら定かではなく、ふらふらと何でもない道や猫、植物を撮っていた。 寂しかったのだと思う。い

          写真を撮り続けるということと、祖母の呪い。

          娘と二人の風呂は長くなる

          少し時間はさかのぼり、8か月くらい前のお話だ。 「最近よくわからないんだけどー」 5歳の娘と二人でお風呂に入っていると、神妙な顔で娘が切り出した。 出産直後の妻と息子が4日間不在のため、娘もいろいろ不安なのだろうか。悩みでも打ち明けられちゃうんだろうか。 「ライトを撮ろうとすると、周りが暗くなっちゃうんだよね」 ん?なに?写真撮影の悩み? 当時Amazonのタブレットを手に入れた娘は、おさるのジョージなんかを観るかたわら、かなり写真を撮っていた。何を撮っているかは知らなかっ

          娘の読み聞かせ卒業に向けて。

          6歳の娘の読み聞かせ卒業に向けての準備を始めました。 0歳児の頃から読み聞かせはずっと続けていて、今ではひらがなで書かれた絵本を0歳児の弟に読み聞かせたりしてくれています。 一体何百冊読んだでしょうか。100回以上読み返す本も多いので、さすがに1000冊はいっていないと思うのですが。ちょっとわかりません。 こう書くと、育児や教育熱心な感じになるのですが、ただ出不精なだけですね。娘の方もそれは承知で、外に行きたいときは妻に。私には本の束を持って迫ってくるようになった感じです。褒

          娘の読み聞かせ卒業に向けて。

          あの夏に流れていたどの曲の名も、私はいまだに知らない【私の音楽の起源】

          私は音楽が好きだ。聴くのも、演奏するのも。歌うのも好き。 小さい頃から、家の中にはいつも音楽が流れていた。 隣で寝ていた母の使っていた目覚まし時計からはThe Beatlesの曲が流れていたし(調べてみたら岩島電子工業 MC-2161-BTという製品だった)、母がよく聴いていたQUEENや沖縄系の音楽(ネーネーズやTHE BOOM)、三大テノールあたりには、この年になって影響を受けているのが良くわかる。 母のレコードは今では私が譲り受けて聴いている。なんだか死別したような書き

          あの夏に流れていたどの曲の名も、私はいまだに知らない【私の音楽の起源】

          わたしはショッカー

          悪役って、正義の味方を手下で弱らせてから戦うじゃないですか。 ずるいとは思うけど、仮面ライダーとかは改造されてて強いから仕方ないし、計画的な分業の果てに各個撃破されるのは、この年になると少し痛ましいとも思います。 今日の僕はショッカーで、6歳児をプールに連れて行きました。 3歳くらいの頃は、2時間プールに連れて行って、そのあとご飯食べさせれば、ひとりでも倒せたんですよね。勲章ものの貢献です。 でも、6歳児にもなると、プールに連れて行っても体力ほとんど削れません。負けイベン

          幼稚園のお迎え(Hardモード)

          我が家に家族が増えた二日後の話。 15分という、周回衛星が地平線から現れては消える程度の時間しか許されない、妻と息子との面会を終えて、そのまま上の娘の幼稚園の迎え。 最近、幼稚園の門の所にいつも同じ少年が立っていて、近づくと無言で門を開けてくれる。礼を言っても無言である。門番なのだろうか。さっぱりわからない。 少し迎えが早かったせいか、娘は友達と走り回っていて、遠目から眺めていると、後ろから声をかけられた。 「○○ちゃんのパパ?」 振り返ると、よく見かける少年。 娘曰わく

          3月11日に家族が増えた話

          出産予定日になっても生まれてくる様子のなかった息子。 予定日を数日過ぎた深夜2時。 「破水してるかも…」と言いながら、私の部屋に入ってきた妻。「いやぁ、そんな出てないかも、我慢できるくらいの痛みだし」 いやいや。破水してる時点で病院直行でしょ。我慢できるとかできないとか、関係ないでしょ。 病院への電話は本人からかけないとダメらしいので、妻が電話をしている間に、車のエンジンをかけ、暖房を入れ、座席シートにビニールを敷いて、寝ていた上の娘(もうすぐ6歳)に上着と靴下を装着して病院

          自分自身のルールを見直すとき【その2】

          現在の日常と照らし合わせて、今の自分に合ったルールを作るため、過去のルールを見直しておこうと思う。今回は3年前。 今読み返してみると、25歳のときよりだいぶ落ち着いたような気がする。 30年の総括とこれからざっくり、30年生きた。 私をこれまで支えきてくれた人たちも、ひとり、またひとりとこの世を去り始めた。まだまだ未熟ではあるけれど、これからは少しでも、私自身が誰かを支える側に回る機会を増やすために、毎日を丁寧に積み重ねていこう。 今なお私を支えてくれる人たちにたくさん感謝

          自分自身のルールを見直すとき【その2】

          自分自身のルールを見直すとき

          なんだかんだで、もうすぐ33歳になる。 私は、25歳のときに自分自身のためにルールを作った。 基本的に寄り道の多い日々なので、門限のようなものが無いと、帰ってこれなくなるような気がしたからだ。 ただ、このルールというのは、基本方針のようなものなので、ときに破らねばならないときもあるし、自分や環境の変化に合わせて更新をしていかねばならない。ときには、過去に消し去ったルールを復活させねばならないときもあるのかも知れない。 そろそろ更新が必要だ。 現在の日常と照らし合わせて、今

          自分自身のルールを見直すとき

          エキセントリック夢十夜 ~1st night~

          こんな夢を見た。 ぴしりと音をたてて殻を破った蝉が、仄かな光を放ちながら羽を広げた。月に冷やされた大気がきらきらと煌めきながら降り注ぎ、地表すれすれで音もなく消えていく。 縁側に座って庭を眺めていたぼくは、履物を脱いで囲炉裏に薬缶をかけた。 赤く燃える薪を見つめていると玄関から声がした。出てみると、隣の奥さんが三和土に立っている。黄八丈の着物をさらりと着こなしているあたり、育ちの良さがうかがえる。 奥さんは親戚から桃を頂いたのでお裾分けに来たと言う。稼ぎのない自分はご近所

          エキセントリック夢十夜 ~1st night~

          あなたの部屋にも、きっといる。

          「「「もしもし。私、相撲さん。今、あなたの後ろにいるの」」」 今、世界で最も需要の無い擬人化をしてしまった。どすん。 私、映画『学校の怪談』ドンピシャ世代である。四半世紀前の当時は、夏の風物詩だったよね。 学校の怪談と言えば、トイレの花子さん、口裂け女に人面犬、二宮金次郎に、それからメリーさんでしょう。 あなたの部屋にも、お相撲さんすでにわかっている事実として、500ページのB6判ハードカバーの重さは、概ね500g程度。そして、私の自室にある書籍は全部で1200冊程度(

          あなたの部屋にも、きっといる。

          素人になりきれない世界で趣味に出会うのは難しい。

          ファインダー視野率、ダイナミックレンジ、解放描写、色収差 これらの単語、何の用語かわかるだろうか。 カメラとレンズのマニアックな用語である。あえてマニアックと書いたのは、こんな用語知らなくても素敵な写真は撮れるから。思い切って言ってしまおう。こんな用語知らなくていい。 知らなくていい、のだけど、知らないでいること、難しいんだよね、もう。 私たちの生きる、この世界線では、何に対しても全くの素人でいることが難しくなってしまった。 例えばあなたがカメラが欲しいと思った時、まずは

          素人になりきれない世界で趣味に出会うのは難しい。