見出し画像

すみだメタ観光マップ

理事:真鍋陸太郎

2021年12月4日(土)に、すみだ産業会館サンライズホールにて開催された観光会議「メタ観光マップで考えるこれからのすみだ」で発表したすみだメタ観光マップの概要と使い方についての話題です。観光会議の様子かこちらのYouTubeチャンネル動画からご覧いただけます。

すみだメタ観光マップの概要

すみだメタ観光マップは、OpenStreetMapのプロジェクトの1つumapを用いて作られました。パソコン、タブレット、スマートフォンから閲覧可能です。
メタ観光マップは見慣れたインターネット上の地図サービスのような表示となっています。地図が表示されて、メタ観光ではタグと呼ぶさまざまな情報が地図上に表示されています。
メタ観光マップが表現するものはメタ観光の概念そのものです。すみだメタ観光マップを通じてメタ観光が何かを体感してみてください。

メタ観光マップへの観光資源情報の集約

メタ観光マップに表示されているタグの情報源は大きく2つに分けられます。
1つは、インターネットを含め、すでに存在するさまざまな情報、例えば、すみだ街歩き博覧会のサイトにある情報だったり、国会図書館の「錦絵で楽しむ江戸の名所」というアーカイブであったり、さらにはテレビ番組「出没!アド街ック天国」で紹介されてホームページに掲載されているものであったり、という具合です。これらさまざまな情報がひとつの地図に表示されます。
もう1つは、すみだメタ観光祭にて創造された情報です。アーティストの作品、専門家によるワークショップの成果、地域の方々の思い出など、この観光祭で作られた新しい観光資源もタグとして、上述の多くの情報と一緒に1つの地図に載せられています。

このタグは60種類に分類することができます。メタ観光ではこの分類をレイヤーと呼んでいます。60のレイヤーで1700以上のタグが掲載されました。タグの多さ・多様さがメタ観光マップの特徴の1つです。

メタ観光情報は数が多い

上図の左側の地図は、今回掲載した情報から観光情報としてこれまでも世に出ていたと判断できるものを表示してみたものです。440件ほどありました(作業を通じて判断した数が440です)。
メタ観光という視点で、既述したような視点、すなわちこれまで観光資源となると思われていなかったような情報や、新たに作られた情報などを全部載せたメタ観光マップ(右図)は1700以上のタグとなっていて、これまで観光情報として認識されていたものの4倍近い数となっています。

8つにまとめられる60のレイヤー

60のレイヤーは8つのまとまりで整理できました。すみだメタ観光祭で作ったもの、食事・買い物、文化・アート、まちあるき、ロケ地、歴史、ビュースポット、ネットで話題、といったまとまりです。このまとまりは便宜的なもので絶対にこのようにまとめなければいけないとか、このようにまとめた方がわかりやすいということはないと考えています。
レイヤーには墨田区ならではのものとして、鬼平犯科帳ゆかりの地(文化・アート)、相撲にまつわるスポット(まちあるき)、ものづくりのスポット(まちあるき)、忠臣蔵ゆかりの地(歴史)などもあります。

同じ場所を多様な視点で楽しむ

メタ観光のもう1つの大きな特徴は、同じ場所を多様な視点で楽しむこと、マップでは同じ場所に多層のレイヤーのタグがあるということです。
例として三囲神社(みめぐりじんじゃ)を見てみます。三囲神社という1つの場所に、多様なレイヤー、多くのタグがあることがわかります。
いくつかタグを見てみます。葛飾北斎ゆかりの地として『新板浮絵三囲牛御前両社之図』を北斎が描いている、落語「野ざらし」でも舞台にもなっていて、江戸っ子の憧れの行楽地(歴史散歩)でもあったし、令和の現在ではスカイツリーのビュースポットとして人気です。また特徴的な狛犬が鎮座していて、明治の作家・岡本綺堂も舞台として取り上げてますし、江戸名所図会という江戸時代の観光ガイドブックには江戸の名所として描かれています。北斎だけではなく広重も三囲神社から描いてますし、鬼平犯科帳にも「玉村の弥吉が妙法寺の九十郎と出会い、盗みに誘われる」(墨田区観光協会のページより引用)舞台として登場します。
こういったメタ観光の、1つの場所をいろいろな視点から楽しむということの興味深さが具体的にわかります。

すみだメタ観光マップの使い方

すみだメタ観光マップの初期画面

実際にメタ観光マップをどうやって操作するのかをご紹介します。
すみだメタ観光マップにアクセスすると、最初にマップの概要や60あるレイヤーの説明を見ることができます。大事な注意書きも書いてありますのでご一読をお願いします。

タグの一覧と検索(フィルタリング)機能

右上の「データ内容表示」をタップすると、タグの一覧を見ることができます。これは下にスクロールして行くと1700以上タグを見ることができます(パソコンだと意外とあっという間に下までスクロールできますね)。
右上の赤い円で囲んだところに文字を入力することで検索(フィルタリング)することができます。ここでは「鬼平」と入れてみたところ「鬼平」といった文字を含むタグのみが地図や一覧に表示されています。

現在地を表示することができる

右側(画面サイズによっては下に表示される)の情報を閉じることで地図が広がり、地図をじっくりと見ることができます。概要などを再度、表示したい場合は、左下の文字(概要やデータ内容表示)をタップします。
左上にある、赤い円で囲んでいるマークをタップすると現在地表示機能がはたらいて地図が自動的に動いて真ん中に青い円アイコンが現れます。これは現在地を示しています。現在地表示機能がオンとなっている間中ずっと現在地を追い続けるのでまちあるきには便利です。一方で、自分が同じ場所にいて、いろいろな場所を見たい場合には、もう一度タップして、現在地表示を止めておいた方が使いやすいです。
現在地表示のアイコンの下にあるもう1つアイコンはレイヤー選択機能となっています。レイヤーの表示・非表示を選べます。

タグの内容表示

タグにはどんなことが表示されるのかを撞木橋(しゃもくばし)を例に見てみます。
このタグは、鬼平犯科帳ゆかりの地レイヤーの、撞木橋にある「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷コース 撞木橋」という名称のタグです(①)。墨田観光協会が提供している「すみだまちあるき博覧会」の情報で、②のリンクをタップすると、情報源となったページを見ることができます。③に並んでいるアイコンをタップすると、このタグのみを表示するページを開いたり(そのURLをコピーして共有できます)、LINE、Twitter、Facebookでこのタグを共有できます。

タグの内容表示

経路検索をしたい場合は、メタ観光マップの元となっているumapはこの機能を持っていませんので、④の「Googleマップで見る」をタップしてみてください。Googleマップでこの場所が表示されますので経路検索をしたりストリートビューをみたりすることができます。
このレイヤーだけを表示する(⑤)をタップすると60あるレイヤーから、このレイヤー、このタグの場合は鬼平犯科帳ゆかりの地というレイヤーのタグだけが表示されます。鬼平犯科帳ゆかりの地がどこにあるのかと限定して見る場合に便利です。
⑥のところにある矢印をタップすると、レイヤーごとにタグを順(五十音順)に見ていくことができます。

他サイトの表示

タグでは他サイトの内容を表示(埋め込み表示)することもできます。
左に示したのはYouTubeの埋め込みです。このタグは八広公園で米津玄師さんが「カナリヤ」のMVを撮影をしたということでそのMVのYouTube動画が表示されています。
真ん中は、すみゆめプログラムの1つ、木ノ下歌舞伎の語りをメタ観光マップから聞いて楽しむことができるようになっているものです。SoundCloudのページを埋め込みました。このタグは61番目のレイヤーとして表示され2021年12月26日までの限定公開です。
右はレストラン吾妻のタグでインスタグラムが埋め込まれています。

以上、すみだメタ観光マップをご紹介しました。すみだメタ観光マップはこちらからアクセスできますので、ぜひご自身でお楽しみください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?