見出し画像

野良散歩

こんにちは。
ふとん乾燥機をこよなく愛している、野良主婦のYUKIです。

ここのところ、散歩をよくしています。

去年8月に出産した際、助産院から、
「産後一ヶ月は布団に横になって過ごしてね」
とのアドバイスをもらい、
出産してから一ヶ月、ずっと赤ちゃんと横になっていました。

出産前は、
「一ヶ月も横になってるって、つらくないか?」
と思っていましたが、実際にやってみると、全くつらくない。

というか、寝たきり生活、快適。

夫が家事をほとんどしてくれるので、
「あああ赤ちゃんかわいいい」とゴロゴロ楽しみながら、一日12時間くらい寝る生活をしていました。

横になっている生活があまりに好きで、産後一ヶ月を過ぎても、そのままずっと3か月くらい、必要なとき以外は横になって生活をしていました。

けっこう体も回復してきて元気になってからも、夫には、「ふう。何だか産後の疲れが…」と大げさに言い、疲れたふりをして心配をさせ、
優しい夫が、「俺がやるから、寝ていてよ!」と自ら家事をしてくれるのを見て、
布団の上でゴロゴロしながらほくそ笑んでいました。

そんな生活を続けて数ヶ月。
くたびれ果ててやつれていく夫を見て、だんだんかわいそうになりました。

夫の肩に後ろからポンと手を載せ、哀れみの表情で、
「結婚相手、間違えたよね?」
と言いたくなる気分でした。言いませんでしたが。

ゴロゴロ生活により、体力が異常に低下しているし、いつまでたっても産後のお腹がダルダルのままなので、
もうそろそろ元の自分に戻っていく時期なんだ…産後のボーナス期間は終わったのだ…
と、生活を改める決心をしました。

で、散歩を始めたと、こういう経緯です。

最近は一日2時間ほど歩くこともあり、体力もかなり回復してきました。

先日、広いところを散歩してみたくて、昭和記念公園という、巨大な国営公園に行ってみました。

園内は道幅も広くて快適で、ベビーカーと散歩するのにはぴったり。息子もウキウキしている様子で、楽しく歩いていました。

昭和記念公園の園内には、きれいな自然や鳥の写真を撮っている、写真愛好家と見られるおじさんがたくさんいます。

梅の花が咲いているエリアで、「綺麗だねえ」と息子に話しかけていると、写真愛好家おじさんのうちのひとりが、
「赤ちゃん、かわいいね」
と話しかけてくれました。そして、
「もしよかったら、写真撮ってあげるよ」
と提案をしてくれました。

がめつい私は、
「えっ、その高そうないいカメラで撮ってもらえるなんて嬉しい。撮ってください」
とすぐに承諾。梅の前で息子を抱いて写真を撮ってもらいました。

作り笑顔で撮ってもらいながら、
「今日、すっぴんで髪もボサボサのまま来てしまったな…チッ。」
「上下スエットで来るんじゃなかった…」
「もしこの人がすごい変態で、息子の写真を変な事に使うために撮ってたらどうしよう…ないとは思うけど、東京にはイカれた人がたくさんいるだろうから…

などと考えていました。
おじさんは、撮り終わった写真を私の携帯に取り込んでくれ、その場で
「悪用すると思われるといけないからね」
と、データを全部削除するところまで見せてくれました。
おじさん、疑って本当にごめんね。と心のなかで謝罪しました。

その後おじさんと別れ、ベンチに座ってゆっくり写真を見てみました。

「いいカメラで撮ったら、どんな姿でも、すごい美女に写るかもしれない」
と期待しながら見ましたが、
すっぴん&髪ボサボサのアラフォー女がスエット姿で作り笑顔をし、二重あごになっている姿が、とても綺麗な画質で写っているだけでした…。
しかし、息子はとてもかわいく撮れていて、素敵な写真を撮ってもらった事が嬉しく、なんていいおじさんなんだろう、と改めておじさんに感動しました。

ベンチにそのまましばらく座って、行き交う人達を見ていると、公園内は、綺麗に化粧して素敵な格好をして歩いてる美人だらけです。

そこで、
「どう考えても、私よりもいい被写体がたくさんいるのに、私に話しかけるとは…さては、おじさんも野良なんだな」
と気づきました。

野良主婦と野良フォトグラファーで、
野良同士、通じ合うものがあったんだと思います。

世の中には野良はたくさんいるだろうから、
野良たちのコミュニティを作ってみるのも面白そうだな、と思います。

おじさんとは連絡先を交換しあいました。
タイミングが合えばまた写真を撮ってくれると言ってくれているので、次は完璧に綺麗にしてから、勝負服で撮ってもらおうと考えています。

勝負服は今ないので、今度買いに行きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?