懐古

 高校生活をふりかえる
 高校からの親友と久しく淡々と話して、高校時代の話題があがった。彼はあの頃が一番楽しくて全盛期だったと、もう一度戻ってみたいと言っていた。
自身は悲しくも、全くそれに共感することが出来なかった。
 第一に、自分の高校生活や青春があったのは夕方から一、二時間程度の軽音学部でのあの一瞬だけだったに過ぎない。
 朝九時から三時半くらいまでの時間は最早牢獄だった。一年生の頃の友達が二年生に上がるタイミングで、僕よりも親しい中学の同期とつるむようになり、僕のことをフルシカトするようになったのだ!!そこからはクラスで何もできなくなってしまった。正直もっとはっちゃけたい気持ちしかなかったし、クラスの一軍のメンバーに混ざりたかった。もっと自分を出して楽しみたかった。その分、軽音学部のメンバーには救われたと思う。
 高校生の頃に拘束されていた部分(髪型や服装など、自身の魅せ方にについて)が今解放できている分楽しさが増して感じられているのかもしれない。だから高校生に戻りたい的な思いは無いし、あの頃が全盛期だったとも思わない。今の自分が一番魅力的だと、思う。あの頃の楽しさとは違うベクトルだけど。
 友達とこの話をして、もしかしたら自分は少し精神年齢が高くなったのかもしれないと思う。というか、高校生の頃は、好きなことが無くて出来ることとか面白いことに制限があったから、色んなことを考えていなかったんだと思う。精神年齢が低かったとかではなく、言い方を変えれば、その一瞬一瞬に楽しみを見出していた青春の中にいたから未来のこととか、将来のこととかは全く頭の中になかったんじゃないかと。

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