じじいが予備自衛官を目指したお話 その1

予備自衛官って、知ってますか?

ものすごく簡単に書けば、有事や災害の時だけ招集されて自衛隊本体の後方支援的な任務に就く人のこと。
所謂予備役、って奴ですね。

で、予備自衛官補、ですよ。
予備自衛官補の「補」は候補の補、ですね。
これは英語表記がReserve Candidateであることから分かります。
試験に合格して予備自衛官補になって、訓練を経て予備自衛官として任用される訳です。

予備自衛官という制度については、東日本大震災を機に知った。
よっしゃ俺もやってやろう、と思い立ったものの募集要項を見ると「年齢34歳未満」・・・とうに制限年齢をオーバーしているのでどうにもならず断念。

で、今年の1月20日過ぎくらいだったか・・・いつものようにぼんやりとXのタイムラインを追っているとあるポストに目を奪われた。
記憶が正しければ尊敬して止まない筑波大学の掛谷英紀先生が自衛隊のポストをリポストして下さったものだったの思うのだが、そこには「予備自衛官補の採用年齢を緩和。34歳未満→52歳未満へ」とあるではないか。

トシがばれるのは嫌なんだけど、僕は51歳。
・・・受けられるんじゃね?
翌週自衛隊員を身内に持つ友人(同い年)にたまたま会いそんな話をしたところ、よっしゃ一緒に受けようぜ地方協力本部に聞いてみるわ!となった。

受けるならば自分でも下調べしなきゃ・・・と自衛隊公式で情報収集。
まず予備自衛官補には「技能」と「一般」の二種類がある事を知る。
「技能」は字の如く特別な技能を持った人が採用される枠で医師や弁護士、栄養士に自動車整備士に建築士、情報処理技術者に納棺士と多岐に渡るが、僕にはなにひとつ当てはまるものがない・・・いかに無為に人生を送って来たかを思い知らされるものの、そんな無能にもちゃんと「一般枠」がある。
こっちは日本国籍があって懲役中とか禁治産者じゃなければ大丈夫だから何とかなるはず。試験に受かればいいわけだろ?と科目を見ると「国語、数学、地理歴史および公民」とある。
・・・数学、だと?
30年以上前に数学を捨てて私立文系に逃げた俺に数学をやれと。

まあ、やるしかない。
せいぜい高校入試レベルくらいだろとタカをくくっていた訳だが、これが認識不足だった事は後に記す。

その後友人から情報が入り、「7月1日時点で52歳未満」なら受験資格あり、との事。友人は6月生まれなため資格無しなので技能枠(電気主任技術者か何か)で受けると。一般枠は採用後の訓練が「3年以内に50日」なのに対し技能枠だと「2年以内に10日」なので年齢上限が1年上がって53歳未満となるようだ。つまりどちらも55歳になるまでに訓練を終えて予備自衛官になってくれ、という事だね。

で、僕の誕生日はなんと7月・・・受験資格あり。
そして今回受けなければ、二度とチャンスは巡ってこないってこと。
もうさ、神様がやってみろって言ってるようなもんだよね。公私ともに色々と区切りが付く見通しも立っていたので、思い切って本気で目指してみる事にした。
もういい歳だしほぼお釣りの人生なようなものなので、ここらでひとつ無能な自分を生かしてくれたこの国にちょっとでも恩返しが出来ればいいな、なんて思っちゃった訳ですよ。
ひとり親方みたいな身分で仕事そんなに休めるのかとか身体も元々ヒョロガリな上に勤続疲労であちこちガタガタだけど大丈夫なのかとか、考えだしたら不安要素だらけだ。

でも、やってみなきゃ何にも分からないよね。
まずは土俵に上がる権利を、取ってやろうじゃないか。

続く。

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